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それからすぐに私達は屯所をあとにした。
少し足取りが重い私を沖田さんは凄い心配してくれている。
「ホンマに大丈夫か?もう少し休んでからが良かったんとちゃうか?」
「いえ大丈夫です。えっと・・・私働ける場所を探したいんです。どこかありますか?」
「働くつもりなんか?近藤さん面倒見る言うとったし、無理せんでええんやないか?」
「さすがに全部は申し訳ないので・・少しでも働きたいんです。」
それに・・・新撰組のお世話になるって事は、沖田さんとも一緒にいる時が多くなるはず。少しでも離れられるように働き場所を見つけないと・・。
沖田さんは少し納得しないような顔をしてるけど、すぐに笑顔になった。
「まぁとりあえず腹ごしらえでもするか!歩いてるついでに見つかるかもしれへんしな。」
「はい!」
それから街中を歩いていると、現代とはやはり全然違う風景に見惚れていた。
京都・・この時代では京って呼ばれてるんだよね?自然に囲まれた綺麗な街。みんな着物で歩いていて、子供達も楽しそうにはしゃぎながら走り回っている。誰もスマホを見ながら歩いていないし音楽を聴いている人もいない。
(ここは人間の素がでてるなぁ・・。)
笑った顔も怒った顔も全部が溢れている。・・・なんかいい時代だなぁ。そりゃ物騒なとこもあるけど・・・ちゃんとこの時代を生きてるって分かる。
「どや?やっぱシエルちゃんのおる場所と別モンかいな?」
「そうですねぇ・・高い建物や耳障りな音もない・・・大変だと思いますけど、いい時代だと思います。」
「いい時代、かぁ・・ワシみたいな刀持った男もおるんやで?物騒やないか?」
「私の時代にもいますよ?まぁ別物ですけど。」
「ホンマかいな?!」
「ふふっ、はい。」
(だって・・・私もそうでしたから。)
「あ、シエルちゃんあの店はどうや?」
沖田さんが指差したのは”はなまるうどん”と書かれているお店だった。・・・・はなまるうどんって聞いた事あるような・・ま、いっか。
「いいですよ、うどん好きですし。」
「おし、入るか!」
お店に入った私達は奥の席に座りそれぞれ注文した。沖田さんは釜揚げうどん、私はかけうどん。待っている間沖田さんは私に色々な事を質問してきた。
「シエルちゃんは向こうで何してたんや?」
「ん~何をか・・・まぁ色々と。仕事をしたりボーっとしたり。」
「ワシらみたいに誰かと戦うとかはあるんか?」
「それを見世物にしたのはありますけど・・基本的にはないですね・・あ、喧嘩はありますけど。」
「戦いを見世物に・・・ほぉ~けったいな時代やなぁ。」
その後も他愛もない話をしていると、注文していたうどんが運ばれてくれる。シンプルなかけうどん・・・良い出汁の匂い・・美味しそう!
お腹が減っていた私は目を輝かせてみていると、沖田さんが突然「ふはっ!」と笑い始める。
「え?ど、どうしました?」
「ヒヒッ!いや、ええ顔しよったからのぉ・・そない腹減っとったんか?」
「あはは・・・すみません。」
「ええてええて!ほな食おうや!」
「はい、いただきます!」
勢いよくうどんを啜ると、コシのある麺に出汁の優しい味が口の中に目一杯広がる・・・美味しい・・・。味わって食べていると、沖田さんもお腹が減っていたのか凄い勢いでうどんを食べている。
その姿がまた同じで・・・辛いとも思うし、同時に可愛いとも思ってしまう。
「ん~!美味いなぁ!」
「・・ふふっ、そうですね。」
(そうやって笑顔で言ってくるのも・・・)
・・・あ、沖田さん口元にネギついてる。取ってあ——
『んぉ?あぁすまんのシエル。舐めてもよかったんやで?ヒヒッ!』
(・・・っ・・・。)
「・・沖田さん、この後もう少し奥まで歩いていいですか?」
「ん?別にかまへんで?」
「ありがとうございます。」
危なかった・・・触れてしまう所だった・・・。いつもそうだったから・・・。それから食べ進めていると、沖田さんが真面目な目になり私を見てくる。
「なぁシエルちゃん。」
「はい?」
「今・・楽しいか?」
「・・・え?楽しいですよ?」
「・・ホンマか?」
・・・きっと見抜いてる・・私の表情の変化に・・。
でも・・ごめんなさい。
「——はい。」
私はわざと大きな笑顔を見せる。見抜いてるなら・・この笑顔の意味が分かってくれるハズ。もしそこも同じなら・・。
『これ以上何も聞かないで。』
「・・そうか。ほれ、冷めん内に食うとき!」
そう言う沖田さんは・・少し寂しそうだった。
やっぱり分かってくれた・・でも、同時に寂しかった。あの人だったらもっとしつこく聞いてくる。
聞いてほしくないって思ったくせに、聞いてほしいと思う自分に腹が立つ。
(殺せ・・感情を殺せ・・・。)
そうすれば・・・何も傷つかないんだから・・。
少し足取りが重い私を沖田さんは凄い心配してくれている。
「ホンマに大丈夫か?もう少し休んでからが良かったんとちゃうか?」
「いえ大丈夫です。えっと・・・私働ける場所を探したいんです。どこかありますか?」
「働くつもりなんか?近藤さん面倒見る言うとったし、無理せんでええんやないか?」
「さすがに全部は申し訳ないので・・少しでも働きたいんです。」
それに・・・新撰組のお世話になるって事は、沖田さんとも一緒にいる時が多くなるはず。少しでも離れられるように働き場所を見つけないと・・。
沖田さんは少し納得しないような顔をしてるけど、すぐに笑顔になった。
「まぁとりあえず腹ごしらえでもするか!歩いてるついでに見つかるかもしれへんしな。」
「はい!」
それから街中を歩いていると、現代とはやはり全然違う風景に見惚れていた。
京都・・この時代では京って呼ばれてるんだよね?自然に囲まれた綺麗な街。みんな着物で歩いていて、子供達も楽しそうにはしゃぎながら走り回っている。誰もスマホを見ながら歩いていないし音楽を聴いている人もいない。
(ここは人間の素がでてるなぁ・・。)
笑った顔も怒った顔も全部が溢れている。・・・なんかいい時代だなぁ。そりゃ物騒なとこもあるけど・・・ちゃんとこの時代を生きてるって分かる。
「どや?やっぱシエルちゃんのおる場所と別モンかいな?」
「そうですねぇ・・高い建物や耳障りな音もない・・・大変だと思いますけど、いい時代だと思います。」
「いい時代、かぁ・・ワシみたいな刀持った男もおるんやで?物騒やないか?」
「私の時代にもいますよ?まぁ別物ですけど。」
「ホンマかいな?!」
「ふふっ、はい。」
(だって・・・私もそうでしたから。)
「あ、シエルちゃんあの店はどうや?」
沖田さんが指差したのは”はなまるうどん”と書かれているお店だった。・・・・はなまるうどんって聞いた事あるような・・ま、いっか。
「いいですよ、うどん好きですし。」
「おし、入るか!」
お店に入った私達は奥の席に座りそれぞれ注文した。沖田さんは釜揚げうどん、私はかけうどん。待っている間沖田さんは私に色々な事を質問してきた。
「シエルちゃんは向こうで何してたんや?」
「ん~何をか・・・まぁ色々と。仕事をしたりボーっとしたり。」
「ワシらみたいに誰かと戦うとかはあるんか?」
「それを見世物にしたのはありますけど・・基本的にはないですね・・あ、喧嘩はありますけど。」
「戦いを見世物に・・・ほぉ~けったいな時代やなぁ。」
その後も他愛もない話をしていると、注文していたうどんが運ばれてくれる。シンプルなかけうどん・・・良い出汁の匂い・・美味しそう!
お腹が減っていた私は目を輝かせてみていると、沖田さんが突然「ふはっ!」と笑い始める。
「え?ど、どうしました?」
「ヒヒッ!いや、ええ顔しよったからのぉ・・そない腹減っとったんか?」
「あはは・・・すみません。」
「ええてええて!ほな食おうや!」
「はい、いただきます!」
勢いよくうどんを啜ると、コシのある麺に出汁の優しい味が口の中に目一杯広がる・・・美味しい・・・。味わって食べていると、沖田さんもお腹が減っていたのか凄い勢いでうどんを食べている。
その姿がまた同じで・・・辛いとも思うし、同時に可愛いとも思ってしまう。
「ん~!美味いなぁ!」
「・・ふふっ、そうですね。」
(そうやって笑顔で言ってくるのも・・・)
・・・あ、沖田さん口元にネギついてる。取ってあ——
『んぉ?あぁすまんのシエル。舐めてもよかったんやで?ヒヒッ!』
(・・・っ・・・。)
「・・沖田さん、この後もう少し奥まで歩いていいですか?」
「ん?別にかまへんで?」
「ありがとうございます。」
危なかった・・・触れてしまう所だった・・・。いつもそうだったから・・・。それから食べ進めていると、沖田さんが真面目な目になり私を見てくる。
「なぁシエルちゃん。」
「はい?」
「今・・楽しいか?」
「・・・え?楽しいですよ?」
「・・ホンマか?」
・・・きっと見抜いてる・・私の表情の変化に・・。
でも・・ごめんなさい。
「——はい。」
私はわざと大きな笑顔を見せる。見抜いてるなら・・この笑顔の意味が分かってくれるハズ。もしそこも同じなら・・。
『これ以上何も聞かないで。』
「・・そうか。ほれ、冷めん内に食うとき!」
そう言う沖田さんは・・少し寂しそうだった。
やっぱり分かってくれた・・でも、同時に寂しかった。あの人だったらもっとしつこく聞いてくる。
聞いてほしくないって思ったくせに、聞いてほしいと思う自分に腹が立つ。
(殺せ・・感情を殺せ・・・。)
そうすれば・・・何も傷つかないんだから・・。