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写真を見た3人は少しの間黙り込んでしまった。
いきなりこんなもの見せられたらそうだよね・・でも、これで私が未来の人間だって証明できたはず。
頭を指でポリポリ掻いた近藤さんは、大きく息を吐いた後ポンと音が鳴るくらい足の上に手を置いて私を見る。
「うしっ!ありがとよ八神さん。まぁ全部を理解できたわけじゃねぇが・・アンタの言葉を信用する価値はありそうだ。」
「あ・・ありがとうございます・・・!」
良かった・・・信じてもらえた・・。
「だが君は今後どうするんだ?元の時代に戻る手掛かりを見つけるなんて不可能に近いぞ。」
確かにその通りだ・・・でも、何もしないっていうわけにもいかないし・・・。
「とにかく今はこの世界で生きる事だけを考えます。今の私にできるのは、それしかありませんから。」
「そうかい・・分かった!それなら俺達がお前さんの生活を支援するぜ?元々は倒れたお前を見つけたのは総司だしな。」
「ありがとうございます!えっと・・まずは、この服ですよね。」
この服は使えない・・・でも着物は動き辛いし、何かあった時に動けるようにしないと・・あっ!あの恰好なら平気かな・・少し時代は違うけど・・。
「あの、早速お願いがあるのですが・・着物と袴の余りはありますか?」
「確認させよう。体格的に合うものは・・・。」
「んん・・・どうしたものか・・。」
・・・まぁそりゃ女が着れるようなものは中々ないよね・・どうしよう・・・。
「ほんならワシの使うか?」
「えっ・・・沖田さん?!」
引き戸が開かれて、見張っていたはずの沖田さんが入ってきた。
・・・もしかして盗み聞きしてた?
「お前さんとは体格が違ぇだろ?」
「一時凌ぎでええんやろ?ちゃんとしたんはワシが今度買うたるわ。」
「え・・?」
沖田さんが買ってくれるって・・・。
「シエルちゃん見つけたんわワシや。新撰組が面倒見るんやったら、ワシが買うてもかまわんやろ。」
「ほ~・・随分入れ込んでんなぁ総司。まぁいいか、ついでに街を案内してやればどうだ?」
「分かったわ。ほれ、とっとと部屋出て行きや。」
「総司、お前局長に向かって・・・!」
「まぁまぁ歳いいじゃねぇか!じゃあ、またな八神さん。」
「あっ・・はい!ありがとうございました!」
沖田さんに怒鳴り散らそうとする土方さんを無理矢理引っ張る近藤さんと、そんな2人を後ろから追う様について行く井上さん。
3人が部屋を出ると、沖田さんは押し入れを開けて着物を取り出して私の前に出してくれた。
「一応何枚かあるんやが・・どれがええ?好きな色選び。」
「えっと・・あ、じゃあこの色いいですか?」
「かまへんで。あと袴か・・これやな。何や、ワシらと似た様な恰好するんか?」
「はい。今から少し先の時代の人は、みんなこういう恰好をしてたんですよ。」
「ほ~・・・。」
時代は少し違うけど今の格好よりは、はるかに不自然ではない。
(・・・そうだ・・。)
早速着替えようと思い、服のボタンに手をかけ始めると——沖田さんは慌てて止めてくる。
「ちょちょちょお待ち!ワシの前で着替えるつもりか?!」
「え?」
「年頃の女が男の前で脱ごうとしたらアカン!」
『ドクッ・・・』
『・・・シエルちゃん、年頃の女が男の前で裸見せたらあかんよ。』
・・・同じ、なんですね・・。
「すみません・・じゃあ、袴の縛り方だけ教えてもらってもいいですか?よく分からなくて。」
「お、おぉええで。ほんなら一回部屋出るから、準備できたら声掛けるんやで!」
少し頬を赤くさせ部屋を出て行く沖田さんの背中を見つめて、少し罪悪感を覚える。
・・・私、嫌な女だな・・あの時と同じように試すような事しちゃった・・あの人に似てる沖田さんは、性格まで一緒なのかな・・。
「・・・・。」
・・今は着替えよう。あんまり沖田さんを待たせると申し訳ないし。
「・・よしっ・・沖田さん、お待たせしました!」
「おぉ、入るでシエルちゃ・・・。」
・・・・?固まっちゃった・・。
「どうしました?」
「・・あっいや・・よう似合うとる思うて・・・つい見惚れてしもうた・・。」
「あ・・そ、そうですか・・・。」
そう言われると・・・照れちゃう・・。
お互い顔を赤くさせていると、沖田さんは咳払いをする。
「えっと、ほんで縛り方やったな!後ろから教えたるわ、その方が分かりやすいやろ?」
「え?後ろから?」
「ええか?」
沖田さんは私の背後に近寄って、腕を回して袴の紐を手に取る。
「~っ・・!」
「まずはこうしてな?ほんで次に・・。」
私が覚えやすいように実際に縛りながら教えてくれる沖田さんの声が耳元に凄い近かった。朝起きた時もそうだったけど、その声に、その体温に胸が熱くなる。
一生懸命覚えようと見るけど・・心臓がっ・・!
「・・んで、これで終いや。どや、できそうか?」
「はっ・・・はい、なんとか・・。」
「ん?シエルちゃん顔赤いで?もしかして熱——」
「だ、大丈夫です!ありがとうご——」
慌てて離れようとすると、足元にあった枕に気付かなくて思いっ切り踏んでしまった。そのまま体勢が崩れて——
「きゃっ——!」
「!危なっ!」
体勢が崩れた私の腕を、沖田さんは掴んでそのまま腕の中に抱き寄せてくる。上半身裸で羽織を着ているだけのその肌に触れてしまい・・心臓が跳ね上がる。
(この体の感じも・・全部一緒っ・・・!)
「っと・・大丈夫かシエルちゃん?」
駄目・・これ以上この人の傍にいると・・・心臓が、頭がおかしくなってしまう。
(抑えろ・・感情を抑えろ・・!この人はあの人じゃない・・!)
この人は違う。この人は沖田総司という人間だ。
私の婚約者じゃない。私の愛した人じゃない。
この胸の高鳴りは錯覚だ。違う、違う・・!!
「・・すみません、ありがとうございます。」
高鳴る気持ちを抑え、沖田さんから離れて笑顔でお礼を言う。
けど・・・この感覚、覚えてる。
組織にいた頃と同じ・・感情を殺していたあの日々と同じだった。
そうしないと・・私は・・私は・・・。
いきなりこんなもの見せられたらそうだよね・・でも、これで私が未来の人間だって証明できたはず。
頭を指でポリポリ掻いた近藤さんは、大きく息を吐いた後ポンと音が鳴るくらい足の上に手を置いて私を見る。
「うしっ!ありがとよ八神さん。まぁ全部を理解できたわけじゃねぇが・・アンタの言葉を信用する価値はありそうだ。」
「あ・・ありがとうございます・・・!」
良かった・・・信じてもらえた・・。
「だが君は今後どうするんだ?元の時代に戻る手掛かりを見つけるなんて不可能に近いぞ。」
確かにその通りだ・・・でも、何もしないっていうわけにもいかないし・・・。
「とにかく今はこの世界で生きる事だけを考えます。今の私にできるのは、それしかありませんから。」
「そうかい・・分かった!それなら俺達がお前さんの生活を支援するぜ?元々は倒れたお前を見つけたのは総司だしな。」
「ありがとうございます!えっと・・まずは、この服ですよね。」
この服は使えない・・・でも着物は動き辛いし、何かあった時に動けるようにしないと・・あっ!あの恰好なら平気かな・・少し時代は違うけど・・。
「あの、早速お願いがあるのですが・・着物と袴の余りはありますか?」
「確認させよう。体格的に合うものは・・・。」
「んん・・・どうしたものか・・。」
・・・まぁそりゃ女が着れるようなものは中々ないよね・・どうしよう・・・。
「ほんならワシの使うか?」
「えっ・・・沖田さん?!」
引き戸が開かれて、見張っていたはずの沖田さんが入ってきた。
・・・もしかして盗み聞きしてた?
「お前さんとは体格が違ぇだろ?」
「一時凌ぎでええんやろ?ちゃんとしたんはワシが今度買うたるわ。」
「え・・?」
沖田さんが買ってくれるって・・・。
「シエルちゃん見つけたんわワシや。新撰組が面倒見るんやったら、ワシが買うてもかまわんやろ。」
「ほ~・・随分入れ込んでんなぁ総司。まぁいいか、ついでに街を案内してやればどうだ?」
「分かったわ。ほれ、とっとと部屋出て行きや。」
「総司、お前局長に向かって・・・!」
「まぁまぁ歳いいじゃねぇか!じゃあ、またな八神さん。」
「あっ・・はい!ありがとうございました!」
沖田さんに怒鳴り散らそうとする土方さんを無理矢理引っ張る近藤さんと、そんな2人を後ろから追う様について行く井上さん。
3人が部屋を出ると、沖田さんは押し入れを開けて着物を取り出して私の前に出してくれた。
「一応何枚かあるんやが・・どれがええ?好きな色選び。」
「えっと・・あ、じゃあこの色いいですか?」
「かまへんで。あと袴か・・これやな。何や、ワシらと似た様な恰好するんか?」
「はい。今から少し先の時代の人は、みんなこういう恰好をしてたんですよ。」
「ほ~・・・。」
時代は少し違うけど今の格好よりは、はるかに不自然ではない。
(・・・そうだ・・。)
早速着替えようと思い、服のボタンに手をかけ始めると——沖田さんは慌てて止めてくる。
「ちょちょちょお待ち!ワシの前で着替えるつもりか?!」
「え?」
「年頃の女が男の前で脱ごうとしたらアカン!」
『ドクッ・・・』
『・・・シエルちゃん、年頃の女が男の前で裸見せたらあかんよ。』
・・・同じ、なんですね・・。
「すみません・・じゃあ、袴の縛り方だけ教えてもらってもいいですか?よく分からなくて。」
「お、おぉええで。ほんなら一回部屋出るから、準備できたら声掛けるんやで!」
少し頬を赤くさせ部屋を出て行く沖田さんの背中を見つめて、少し罪悪感を覚える。
・・・私、嫌な女だな・・あの時と同じように試すような事しちゃった・・あの人に似てる沖田さんは、性格まで一緒なのかな・・。
「・・・・。」
・・今は着替えよう。あんまり沖田さんを待たせると申し訳ないし。
「・・よしっ・・沖田さん、お待たせしました!」
「おぉ、入るでシエルちゃ・・・。」
・・・・?固まっちゃった・・。
「どうしました?」
「・・あっいや・・よう似合うとる思うて・・・つい見惚れてしもうた・・。」
「あ・・そ、そうですか・・・。」
そう言われると・・・照れちゃう・・。
お互い顔を赤くさせていると、沖田さんは咳払いをする。
「えっと、ほんで縛り方やったな!後ろから教えたるわ、その方が分かりやすいやろ?」
「え?後ろから?」
「ええか?」
沖田さんは私の背後に近寄って、腕を回して袴の紐を手に取る。
「~っ・・!」
「まずはこうしてな?ほんで次に・・。」
私が覚えやすいように実際に縛りながら教えてくれる沖田さんの声が耳元に凄い近かった。朝起きた時もそうだったけど、その声に、その体温に胸が熱くなる。
一生懸命覚えようと見るけど・・心臓がっ・・!
「・・んで、これで終いや。どや、できそうか?」
「はっ・・・はい、なんとか・・。」
「ん?シエルちゃん顔赤いで?もしかして熱——」
「だ、大丈夫です!ありがとうご——」
慌てて離れようとすると、足元にあった枕に気付かなくて思いっ切り踏んでしまった。そのまま体勢が崩れて——
「きゃっ——!」
「!危なっ!」
体勢が崩れた私の腕を、沖田さんは掴んでそのまま腕の中に抱き寄せてくる。上半身裸で羽織を着ているだけのその肌に触れてしまい・・心臓が跳ね上がる。
(この体の感じも・・全部一緒っ・・・!)
「っと・・大丈夫かシエルちゃん?」
駄目・・これ以上この人の傍にいると・・・心臓が、頭がおかしくなってしまう。
(抑えろ・・感情を抑えろ・・!この人はあの人じゃない・・!)
この人は違う。この人は沖田総司という人間だ。
私の婚約者じゃない。私の愛した人じゃない。
この胸の高鳴りは錯覚だ。違う、違う・・!!
「・・すみません、ありがとうございます。」
高鳴る気持ちを抑え、沖田さんから離れて笑顔でお礼を言う。
けど・・・この感覚、覚えてる。
組織にいた頃と同じ・・感情を殺していたあの日々と同じだった。
そうしないと・・私は・・私は・・・。