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「思ったより元気そうじゃねぇか。安心したぜお嬢さんよ。」
その優しそうな人物は笑顔で部屋に入ってきた。
背後には土方さんもいて・・もう1人銀髪の人物も来ていた。その人物を見て沖田さんは「ほぉ」と意外そうな声を出していた。
「なんや、源さんまでおるんかい。」
「副長に呼ばれてな。すまないが外に出て見張っててくれ、隊士達に聞かれるわけにはいかないだろう。」
「ん~・・ホンマは一緒に聞いておりたいけど、源さんの頼みならしゃあないわ。ほなまたなシエルちゃん。」
ポンポンと私の頭を数回触れた沖田さんは外へ出て行った。
・・・申し訳ないけど、今はあんまり顔を見たくなかったから助かった・・。
3人はそれぞれ座布団を用意して私の前に座ってきた。最初に口を開いたのは、金色の着物の人だった。
「まずは挨拶からだな。俺ぁ局長の近藤勇だ、よろしくなお嬢さんよ。歳はもう済んでるから・・・こっちは六番隊隊長の井上源三郎、うちの古株だ。」
「・・よろしく頼む。」
「八神シエルと言います。」
「こりゃご丁寧にどうも。・・さて、アンタはここと違う時代の人間って聞いたが・・・どういうことだい?」
「——っ・・・。」
さっきまでの笑顔なのに圧が違う・・・これが局長の凄みっていうのかな・・ボスの圧と似てる・・大人数のトップは、やっぱり似た雰囲気になるのかな。
変に誤魔化さないで正直に話した方がいいかも・・・。
「お言葉通りです。私はこことは違う・・未来の人間です。」
私の発言に3人は同時に眉を寄せる。
近藤さんはその後すぐふはっと笑う。
「そうかいそうかい、未来の人間ねぇ・・・。」
・・・小馬鹿にした言い方・・そりゃ信じられる訳ないよね・・。
土方さんも何て言えばいいのか分からないって目をしてるし・・どうしよう、どう話していけばいいか・・。
お互い迷っていると、井上さんが沈黙を破る。
「・・その未来の人間という証拠はあるのか?」
「証拠・・ですか・・・。」
そう言われても難しい・・・けど、何かあるかな・・・この時代の出来事は疎いしそんな事話しても・・・。
(・・あっ!あれがあれば!)
「あの・・私のバック・・・あ、えっと、鞄ありますか?」
「”かばん”?」
え・・鞄を知らない?この時代にはまだないって事なのか・・。
「えっと・・あっ、それです!」
部屋の隅に置かれたバックを指差すと、一番近かった井上さんがとって私に渡してくれた。
「これは・・何で作られているんだ?」
「牛革です。えっと詳しくはないんですけど・・色々な工程があって、牛の皮がこうなるんです。」
「ほ~・・こりゃたまげたもんだ。確かにこの時代にはねぇ代物だな。」
「これもそうですけど・・これが一番だと思います。」
私がバックから取り出したのは——スマートフォン。
充電は・・・うん、大丈夫。突然画面が表示された黒い物体に、3人は食い入るようにスマホを凝視してくる。
「これは・・何だ?」
「スマートフォンといいます。これで目的地を調べられたり、写真を撮ったり色々できるんですよ。」
「”すまあとふぉん”?”しゃしん”?」
「物は試しです。少し動かないでもらっていいですか?」
カメラモードを起動した私は、戸惑う3人を撮影する。突然の出来事で驚いた3人に撮った写真を見せると、さらに驚きの表情を浮かべて食い入る。
「おぉ!?これ俺か?!」
「これは・・いわゆる”ほとぐらふ”か?けど白黒じゃない・・。」
「それに時間も掛からなかったぞ・・一体・・・。」
・・・カメラでこんなに反応されるなんて・・この時代からしたら余程の事なんだ。フォトグラフも確かにこの時代では魂を抜かれるとか書いてあったもんね・・・。時間が掛かるのが原因の迷信だけど・・・。
「お前さんの時代じゃこれが当たり前なのか?」
「はい、みんな持ってます。」
「は~・・・えれぇ時代だな・・。」
「・・気になる事があるのだがいいか?」
「は、はい。何でしょう井上さん。」
「斎藤と新八からアイツらそっくりの知り合いがいると聞いた。それを確認する事はできるか?」
斎藤さんと・・えっと、新八は永倉さんだよね。
「えっと、ちょっと待ってくださいね。」
写真フォルダから2人の映ってる写真を探してるけど・・・意外と少ないな・・元々桐生さんと冴島さんと会う事も多いわけではなかったし・・・。
(・・あ・・・。)
横にスライドをしていると、ある1枚の写真に目が止まる。
いつもの焼肉屋で、記念にと言って店員さんに撮ってもらった1枚の写真。
この日は・・あの人にプロポーズされた旅行から帰ってきた数日後のどんちゃん騒ぎをした日だった。
『絶対に幸せにしたるからな!シエル!』
・・・覚えてる・・この日凄いお酒飲んでてみんなで酔っ払ってたんだよね。
・・・写真を見ても・・顔を見ても、思い出せないなんて・・。
「どうした?大丈夫か?」
「あっ・・。」
いけない・・今は感傷に浸っていられない・・・。
「大丈夫です。・・これで確認できますか?」
その写真は・・桐生さんと冴島さん、私にあの人との4人で映っている写真だった。
不器用な笑顔でピースをする桐生さん。
ホルモンを箸に持ちながら口角を上げる冴島さん。
そして・・あの人に肩を抱き寄せられながら笑顔の私と、満面の笑みを浮かべるあの人。
幸せな光景が、その写真に収められていた。
その優しそうな人物は笑顔で部屋に入ってきた。
背後には土方さんもいて・・もう1人銀髪の人物も来ていた。その人物を見て沖田さんは「ほぉ」と意外そうな声を出していた。
「なんや、源さんまでおるんかい。」
「副長に呼ばれてな。すまないが外に出て見張っててくれ、隊士達に聞かれるわけにはいかないだろう。」
「ん~・・ホンマは一緒に聞いておりたいけど、源さんの頼みならしゃあないわ。ほなまたなシエルちゃん。」
ポンポンと私の頭を数回触れた沖田さんは外へ出て行った。
・・・申し訳ないけど、今はあんまり顔を見たくなかったから助かった・・。
3人はそれぞれ座布団を用意して私の前に座ってきた。最初に口を開いたのは、金色の着物の人だった。
「まずは挨拶からだな。俺ぁ局長の近藤勇だ、よろしくなお嬢さんよ。歳はもう済んでるから・・・こっちは六番隊隊長の井上源三郎、うちの古株だ。」
「・・よろしく頼む。」
「八神シエルと言います。」
「こりゃご丁寧にどうも。・・さて、アンタはここと違う時代の人間って聞いたが・・・どういうことだい?」
「——っ・・・。」
さっきまでの笑顔なのに圧が違う・・・これが局長の凄みっていうのかな・・ボスの圧と似てる・・大人数のトップは、やっぱり似た雰囲気になるのかな。
変に誤魔化さないで正直に話した方がいいかも・・・。
「お言葉通りです。私はこことは違う・・未来の人間です。」
私の発言に3人は同時に眉を寄せる。
近藤さんはその後すぐふはっと笑う。
「そうかいそうかい、未来の人間ねぇ・・・。」
・・・小馬鹿にした言い方・・そりゃ信じられる訳ないよね・・。
土方さんも何て言えばいいのか分からないって目をしてるし・・どうしよう、どう話していけばいいか・・。
お互い迷っていると、井上さんが沈黙を破る。
「・・その未来の人間という証拠はあるのか?」
「証拠・・ですか・・・。」
そう言われても難しい・・・けど、何かあるかな・・・この時代の出来事は疎いしそんな事話しても・・・。
(・・あっ!あれがあれば!)
「あの・・私のバック・・・あ、えっと、鞄ありますか?」
「”かばん”?」
え・・鞄を知らない?この時代にはまだないって事なのか・・。
「えっと・・あっ、それです!」
部屋の隅に置かれたバックを指差すと、一番近かった井上さんがとって私に渡してくれた。
「これは・・何で作られているんだ?」
「牛革です。えっと詳しくはないんですけど・・色々な工程があって、牛の皮がこうなるんです。」
「ほ~・・こりゃたまげたもんだ。確かにこの時代にはねぇ代物だな。」
「これもそうですけど・・これが一番だと思います。」
私がバックから取り出したのは——スマートフォン。
充電は・・・うん、大丈夫。突然画面が表示された黒い物体に、3人は食い入るようにスマホを凝視してくる。
「これは・・何だ?」
「スマートフォンといいます。これで目的地を調べられたり、写真を撮ったり色々できるんですよ。」
「”すまあとふぉん”?”しゃしん”?」
「物は試しです。少し動かないでもらっていいですか?」
カメラモードを起動した私は、戸惑う3人を撮影する。突然の出来事で驚いた3人に撮った写真を見せると、さらに驚きの表情を浮かべて食い入る。
「おぉ!?これ俺か?!」
「これは・・いわゆる”ほとぐらふ”か?けど白黒じゃない・・。」
「それに時間も掛からなかったぞ・・一体・・・。」
・・・カメラでこんなに反応されるなんて・・この時代からしたら余程の事なんだ。フォトグラフも確かにこの時代では魂を抜かれるとか書いてあったもんね・・・。時間が掛かるのが原因の迷信だけど・・・。
「お前さんの時代じゃこれが当たり前なのか?」
「はい、みんな持ってます。」
「は~・・・えれぇ時代だな・・。」
「・・気になる事があるのだがいいか?」
「は、はい。何でしょう井上さん。」
「斎藤と新八からアイツらそっくりの知り合いがいると聞いた。それを確認する事はできるか?」
斎藤さんと・・えっと、新八は永倉さんだよね。
「えっと、ちょっと待ってくださいね。」
写真フォルダから2人の映ってる写真を探してるけど・・・意外と少ないな・・元々桐生さんと冴島さんと会う事も多いわけではなかったし・・・。
(・・あ・・・。)
横にスライドをしていると、ある1枚の写真に目が止まる。
いつもの焼肉屋で、記念にと言って店員さんに撮ってもらった1枚の写真。
この日は・・あの人にプロポーズされた旅行から帰ってきた数日後のどんちゃん騒ぎをした日だった。
『絶対に幸せにしたるからな!シエル!』
・・・覚えてる・・この日凄いお酒飲んでてみんなで酔っ払ってたんだよね。
・・・写真を見ても・・顔を見ても、思い出せないなんて・・。
「どうした?大丈夫か?」
「あっ・・。」
いけない・・今は感傷に浸っていられない・・・。
「大丈夫です。・・これで確認できますか?」
その写真は・・桐生さんと冴島さん、私にあの人との4人で映っている写真だった。
不器用な笑顔でピースをする桐生さん。
ホルモンを箸に持ちながら口角を上げる冴島さん。
そして・・あの人に肩を抱き寄せられながら笑顔の私と、満面の笑みを浮かべるあの人。
幸せな光景が、その写真に収められていた。