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目が覚めたから半年後——季節は春。
街中は桜の絨毯ができていて、街の人々は儚く咲く桜を眺めてる。
「ぶぇっくし!!・・うぅ・・ホンマこの時期は嫌いやわぁ・・。」
「大変そうだね・・少し休む?」
「いや、大丈夫や!大丈・・・ぶぇっくしょい!!!」
「・・あはは・・・。」
そんな中私達は、神室町から遠く離れた場所にいる。
桜に包まれた街——京都。高いビルや高速道路、電車やバスなどが溢れかえっているけど、どこか日本の歴史を感じさせる土地でもある。そんな場所に今私達二人は・・ううん、四人はいる。
「・・なぁ兄さん、俺達まで連れてこなくても・・。」
「桐生の言う通りやで兄弟。折角の新婚旅行やのに。」
「ええてええて!シエルと決めた事や!」
「みんなで楽しみましょうよ!」
「いや、だからそれが申し訳ないって意味なんだが・・・。」
「・・兄弟に毒されとるのぉシエルは。」
私達が目が覚めたあの後、少しの間入院していた。
桐生さん達から聞いた事だけど、私達が眠っていたのは一週間くらいだったみたい。おかげでリハビリに時間がかからなかったし、生活に支障があるくらいのダメージはなかった。
無事に退院した私達はすぐ役所に向かって・・無事に籍を入れることが出来た。結婚式も無事に終わって、二人で決めた京都旅行。二人でじゃなくて、四人で行こうと吾朗が無理矢理引っ張ってきてくれた。
『・・せやったら今度会う時は、もっと楽しもうや。俺等でもっと、楽しい事しようやないか。』
——あの約束を果たす為に。
「さぁ、お楽しみはこれからや!どんどん行くでぇ!」
「はぁ・・そもそも何でこんな格好しなきゃいけねぇんだよ。」
「邪魔な袖やのぉ・・破ったらアカンのか?」
「冴島さん、それレンタルですよ・・・。」
桐生さんの言うこんな格好・・そう、みんなで新撰組のコスプレをしながら歩いているのだ。まぁおかげで物凄い視線で見られてるけど・・このメンバーでどうしても歩きたかった。
二人の記憶にはないけど・・・私達が覚えているから。あの人達の約束を果たしたかったから。斎藤さんと・・永倉さんとの、大切な約束。
「木刀でも買うてくか?もっと雰囲気出るやろ?」
「兄さんがエモノ持ったら危険だから駄目だ。」
「何やとぉ?!」
「お前等ええ加減にせぇ。」
「・・あはは・・・。」
それから新撰組関連の場所に訪れて、たくさんの写真を撮った。あの時代で撮れなかった、みんなとの思い出。四人での明るい笑顔の写真がどんどんたまっていく。大切な物がどんどん増え、ホテルのチェックイン時間まで私達は京都旅行を楽しんでいた。
「じゃあまた明日な兄さん、シエル。ゆっくり休めよ。」
「寝坊すんなや?」
「こっちの台詞や兄弟!ほなまた!」
「桐生さん、冴島さん、おやすみなさい。」
別々の部屋で予約を取っていた私達はお互いの部屋に入って、一日中歩いた疲れを癒していく。
「は~・・ふふっ、楽しかったなぁ。」
「せやなぁ。明日も目一杯遊ぶで!」
「あははっそうだね!」
「さて・・・ほんならシャワーでも浴びよか。」
「あ、うん。先入る?」
「・・・何言うとんねん。」
「え?」
ベッドに寝転がっていた私を抱き起した吾朗は、服のボタンに手を掛けて脱がしてく。
(・・ま・・まさか・・・。)
「一緒に入るに決まっとるやろが。」
・・・そうなるよねぇ・・・・。
「ヒヒヒッ!・・・ええ声聞かせてぇな?シエル。」
「・・・ん・・。」
目が覚めると、外はまだ暗かった。
お風呂で抱かれてその後ベッドで何回も抱かれて・・・結局そのまま寝ちゃったんだ私・・・腰痛い・・。
(・・あれ?吾朗?)
ベッドの横にいたハズの吾朗がいなくてキョロキョロしてると、バルコニーに人影があるのに気付く。
(あ・・煙草吸ってる・・・。)
バスローブを着てバルコニーに出ると、私の気配に気づいた吾朗は振り返ってくる。
「お?起きたんかシエル?」
「うん・・おはよ吾朗。」
「おはようさん、いうても夜やけど。」
「ふふっそうだね。・・あ、写真見てるの?」
「おう、今日のと結婚式ん時のな。シエルも見るか?」
「うん。」
「ほなベッド戻ろか。」
吾朗と一緒にベッドに入って腕枕をしてくれる。吾朗に抱きしめられながらスマホの写真フォルダを見返すと、たくさんの想い出が詰まっていた。
「しかしシエルがホンマにドレス踏むとはのぉ・・。」
「い、言わないでよ!吾朗だってスピーチの文忘れたくせに!」
「あないかったるいモン覚えられへんわ!」
「まぁ・・それでも冴島さんちょっと泣いてたよね。」
「桐生ちゃんも真顔のまま泣いとったのぉ・・あれはちと恐怖やったな。」
「あ!これケーキの時の!吾朗私へのでかすぎ!」
「その後のシエルの方がえげつなかったわ!」
「ぷっ・・あはは!顔面ケーキ!あはは!!」
「笑うなや!」
「あ・・・これ今日のだ!やっぱりみんな似合ってるな~。」
「シエルも似合うとるでぇ?袴も悪くないのぉ。」
「・・ちょっとエッチな目で見てない?」
「フヒヒッ、バレたか。」
「もぉ・・・あ、これお土産屋さんで木刀持った時の。・・ふふっ、一瞬警察が見てきたよね。」
「そらこないガタイのええ奴が構えとったら警戒するわな。」
「ぷははっ!桐生さん可哀そう!」
何枚も何枚も・・・たくさんの想い出が詰まっている。どれだけ見ても飽きない。記憶の奥底までその思い出が残るように、私達はこれから何度も見る事になるだろう。
その度にこうして私達は笑い合うんだろう。
二度と忘れないように、二度と消えないように。
「ねぇ吾朗?」
「ん?」
「・・もしまたあの時代に行ったら、今度こそ忘れないかな?」
「ヒヒッ、当たり前やろ?もう二度と・・お前を忘れる事なんてない。」
そう言うと吾朗はそっと私の顎に手をそえてきて、私の顔を振り向かせると優しく口にキスをしてくる。
私の大好きな目で、大好きなキスで、大好きな人が。たった一人の愛している、大切な人。
「・・シエルを愛しとる気持ちは何があっても忘れへん。お前は俺がずっと探しとった・・たった一人の愛する女やからな。」
「・・うん・・・。」
キスをしてくれたその愛しい唇に、私も触れるキスをする。
「約束だよ?私も・・忘れないからね。」
「・・あぁ・・・約束や。」
交わされる小さな約束。
小さな約束だけど、私達は忘れない。
だって・・・あなたがずっと傍にいてくれるから。
愛するあなたとずっと一緒にいれるから、忘れない。
左手の薬指にはめられた指輪が——その証。
真島吾朗と一緒にいられる、大切な証。
Memory —fin—
街中は桜の絨毯ができていて、街の人々は儚く咲く桜を眺めてる。
「ぶぇっくし!!・・うぅ・・ホンマこの時期は嫌いやわぁ・・。」
「大変そうだね・・少し休む?」
「いや、大丈夫や!大丈・・・ぶぇっくしょい!!!」
「・・あはは・・・。」
そんな中私達は、神室町から遠く離れた場所にいる。
桜に包まれた街——京都。高いビルや高速道路、電車やバスなどが溢れかえっているけど、どこか日本の歴史を感じさせる土地でもある。そんな場所に今私達二人は・・ううん、四人はいる。
「・・なぁ兄さん、俺達まで連れてこなくても・・。」
「桐生の言う通りやで兄弟。折角の新婚旅行やのに。」
「ええてええて!シエルと決めた事や!」
「みんなで楽しみましょうよ!」
「いや、だからそれが申し訳ないって意味なんだが・・・。」
「・・兄弟に毒されとるのぉシエルは。」
私達が目が覚めたあの後、少しの間入院していた。
桐生さん達から聞いた事だけど、私達が眠っていたのは一週間くらいだったみたい。おかげでリハビリに時間がかからなかったし、生活に支障があるくらいのダメージはなかった。
無事に退院した私達はすぐ役所に向かって・・無事に籍を入れることが出来た。結婚式も無事に終わって、二人で決めた京都旅行。二人でじゃなくて、四人で行こうと吾朗が無理矢理引っ張ってきてくれた。
『・・せやったら今度会う時は、もっと楽しもうや。俺等でもっと、楽しい事しようやないか。』
——あの約束を果たす為に。
「さぁ、お楽しみはこれからや!どんどん行くでぇ!」
「はぁ・・そもそも何でこんな格好しなきゃいけねぇんだよ。」
「邪魔な袖やのぉ・・破ったらアカンのか?」
「冴島さん、それレンタルですよ・・・。」
桐生さんの言うこんな格好・・そう、みんなで新撰組のコスプレをしながら歩いているのだ。まぁおかげで物凄い視線で見られてるけど・・このメンバーでどうしても歩きたかった。
二人の記憶にはないけど・・・私達が覚えているから。あの人達の約束を果たしたかったから。斎藤さんと・・永倉さんとの、大切な約束。
「木刀でも買うてくか?もっと雰囲気出るやろ?」
「兄さんがエモノ持ったら危険だから駄目だ。」
「何やとぉ?!」
「お前等ええ加減にせぇ。」
「・・あはは・・・。」
それから新撰組関連の場所に訪れて、たくさんの写真を撮った。あの時代で撮れなかった、みんなとの思い出。四人での明るい笑顔の写真がどんどんたまっていく。大切な物がどんどん増え、ホテルのチェックイン時間まで私達は京都旅行を楽しんでいた。
「じゃあまた明日な兄さん、シエル。ゆっくり休めよ。」
「寝坊すんなや?」
「こっちの台詞や兄弟!ほなまた!」
「桐生さん、冴島さん、おやすみなさい。」
別々の部屋で予約を取っていた私達はお互いの部屋に入って、一日中歩いた疲れを癒していく。
「は~・・ふふっ、楽しかったなぁ。」
「せやなぁ。明日も目一杯遊ぶで!」
「あははっそうだね!」
「さて・・・ほんならシャワーでも浴びよか。」
「あ、うん。先入る?」
「・・・何言うとんねん。」
「え?」
ベッドに寝転がっていた私を抱き起した吾朗は、服のボタンに手を掛けて脱がしてく。
(・・ま・・まさか・・・。)
「一緒に入るに決まっとるやろが。」
・・・そうなるよねぇ・・・・。
「ヒヒヒッ!・・・ええ声聞かせてぇな?シエル。」
「・・・ん・・。」
目が覚めると、外はまだ暗かった。
お風呂で抱かれてその後ベッドで何回も抱かれて・・・結局そのまま寝ちゃったんだ私・・・腰痛い・・。
(・・あれ?吾朗?)
ベッドの横にいたハズの吾朗がいなくてキョロキョロしてると、バルコニーに人影があるのに気付く。
(あ・・煙草吸ってる・・・。)
バスローブを着てバルコニーに出ると、私の気配に気づいた吾朗は振り返ってくる。
「お?起きたんかシエル?」
「うん・・おはよ吾朗。」
「おはようさん、いうても夜やけど。」
「ふふっそうだね。・・あ、写真見てるの?」
「おう、今日のと結婚式ん時のな。シエルも見るか?」
「うん。」
「ほなベッド戻ろか。」
吾朗と一緒にベッドに入って腕枕をしてくれる。吾朗に抱きしめられながらスマホの写真フォルダを見返すと、たくさんの想い出が詰まっていた。
「しかしシエルがホンマにドレス踏むとはのぉ・・。」
「い、言わないでよ!吾朗だってスピーチの文忘れたくせに!」
「あないかったるいモン覚えられへんわ!」
「まぁ・・それでも冴島さんちょっと泣いてたよね。」
「桐生ちゃんも真顔のまま泣いとったのぉ・・あれはちと恐怖やったな。」
「あ!これケーキの時の!吾朗私へのでかすぎ!」
「その後のシエルの方がえげつなかったわ!」
「ぷっ・・あはは!顔面ケーキ!あはは!!」
「笑うなや!」
「あ・・・これ今日のだ!やっぱりみんな似合ってるな~。」
「シエルも似合うとるでぇ?袴も悪くないのぉ。」
「・・ちょっとエッチな目で見てない?」
「フヒヒッ、バレたか。」
「もぉ・・・あ、これお土産屋さんで木刀持った時の。・・ふふっ、一瞬警察が見てきたよね。」
「そらこないガタイのええ奴が構えとったら警戒するわな。」
「ぷははっ!桐生さん可哀そう!」
何枚も何枚も・・・たくさんの想い出が詰まっている。どれだけ見ても飽きない。記憶の奥底までその思い出が残るように、私達はこれから何度も見る事になるだろう。
その度にこうして私達は笑い合うんだろう。
二度と忘れないように、二度と消えないように。
「ねぇ吾朗?」
「ん?」
「・・もしまたあの時代に行ったら、今度こそ忘れないかな?」
「ヒヒッ、当たり前やろ?もう二度と・・お前を忘れる事なんてない。」
そう言うと吾朗はそっと私の顎に手をそえてきて、私の顔を振り向かせると優しく口にキスをしてくる。
私の大好きな目で、大好きなキスで、大好きな人が。たった一人の愛している、大切な人。
「・・シエルを愛しとる気持ちは何があっても忘れへん。お前は俺がずっと探しとった・・たった一人の愛する女やからな。」
「・・うん・・・。」
キスをしてくれたその愛しい唇に、私も触れるキスをする。
「約束だよ?私も・・忘れないからね。」
「・・あぁ・・・約束や。」
交わされる小さな約束。
小さな約束だけど、私達は忘れない。
だって・・・あなたがずっと傍にいてくれるから。
愛するあなたとずっと一緒にいれるから、忘れない。
左手の薬指にはめられた指輪が——その証。
真島吾朗と一緒にいられる、大切な証。
Memory —fin—