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「・・すみませんでした・・・。」
「ええてえて、おかげでスッキリしたやろ?ほれ、鼻ちーんしいや。」
ようやく泣き止んだ私に沖田さんは手拭いを鼻に当ててくる。
あの・・・濡れてるやつなんですけど・・でもいいや。この変な優しさが今は嬉しい・・。
「ほんなら今度はワシと話そうや!ほれ、2人はあっち行った行った。」
「何だそれ・・まぁいいけどよ。行こうぜ永倉。」
「おう。じゃ、またな八神。」
「は、はい!ありがとうございました。」
2人が部屋を出て行くと沖田さんは腰から刀を外し床に置いた後、にっこりとした笑顔で話しかけてくる。
「八神言うてたな。下の名前は何て言うんや?」
「えっと・・シエルです。八神シエル。」
「ほ~ええ名前やな!ほんならシエルちゃんて呼ぶわ!ワシ、沖田総司ゆうねん。よろしゅうな!」
あの人と同じ笑顔で手を差し出してくる沖田さん。
(・・えっと・・・握手、かな?)
そう思ってその手を握ると、嬉しそうな顔になって軽く手を握り返してくる。
(・・・可愛い笑顔・・。)
本当に・・・あの人みたい。
「シエルちゃんはどこから来たんや?」
「えっと・・・どこからというか、この時代じゃないというか。」
「この時代じゃない?・・・どういう事や?」
「・・・実は・・。」
斎藤さんと永倉さんは聞いてくれたけど半信半疑だったし・・沖田さんも理解できるかどうか・・・永倉さんの言う通り、とんでも話だから・・。
拙い言葉で説明していると、沖田さんは真っ直ぐな目で話を聞いてくれている。この時代の人間じゃない事、目が覚める前にあった出来事、あの2人と一緒で沖田さんの顔そっくりの人がいる事。
・・・その人が婚約者という事は、言わなかった。
「ほ~・・それでさっき、ワシの顔見て泣いとったんか。」
「・・・・・・。」
話せることは全部話した。沖田さんは腕を組んで少し唸っていた。
(・・信じられない、よね・・・。)
こうして話を聞いてもらえたけど、きっとこの人も・・。
その後すぐ顔を上げた沖田さんは、心配そうな表情をしていた。
・・・きっと変な女って思ったろうな・・・。
そう思っていると、沖田さんは私の頬に優しく触れてくる。
「そら大変やったな・・怖かったやろ?」
「・・・え・・?」
「目ぇ覚めたらちゃう時代にいて、知り合いやと思うたら全くの別人て・・そないな経験怖くてたまらんやろ。よう頑張ったな~。」
よしよしと言いながら優しく頬を撫でてくる。
「・・・信じて、くれるんですか・・?」
何で信じれるの・・・?普通あの2人みたいな反応・・・。
不安な声と表情でそう言うと、沖田さんはきょとんとした顔をする。
えっ・・何でその表情になるの?
「だ、だってこんな話、作り話かもしれないじゃないですか。なのに・・・私の話、信じてくれるんですか?」
「まぁせやけど・・・シエルちゃん、嘘ついとらんやろ?」
「だから何で・・・?」
「その服装がまずこの時代にないもんや。それにその、指につけとる・・・石?も、見た事あらへんしな。それだけでも充分信じれる要因やと思うで。」
指につけてる石・・?・・・あ、まさかこの指輪の事・・?そっか、この時代にはこういう物はないのか。服は当たり前だけど・・でもそれだけで・・・。
逆に半信半疑な顔をしていた私を見て、沖田さんは私の頬を両手で包み込んで目をじぃっと見てくる。疑いのない真っ直ぐな目で。
「なにより・・シエルちゃんの目が、本当ですって訴えてるんが充分に伝わってきたで?」
「・・・私の、目・・?」
「人間目見れば大体嘘ついとるか分かるやろ?ずっとシエルちゃんの目を見とったが・・・一回も嘘ついとらんかったやろ?綺麗で真っ直ぐな目や。」
その目と優しい笑顔は・・・あの日を思い出させる。
『・・・ホンマは嫌なんやろ?』
あの夜。あの人に銃を向けたあの日。
あの時もこうやって目を見て私の話を聞いてくれていた。私の心を見抜いていた。そして沖田さんも・・私の話が本当だと信じてくれた。
考えてる時顎髭を触る仕草をする斎藤さん。
どっしりと構えて目を時々瞑りながら話を聞いていた永倉さん。
人の目を真っ直ぐ見て嘘か真実か見抜く沖田さん。
それが桐生さんに・・・冴島さんに・・・大好きなあの人に本当そっくりで・・・でも違くって・・ワケが、分からなくて・・。
「怖かった・・・・。」
「・・・・シエルちゃん・・。」
「・・・怖かったよぉ・・!!」
沖田さんが私を信じてくれた事の安堵と、張り詰めていた私の感情が溢れ出てくるように涙が出てくる。
「わたっ・・私・・・!あの人だけが、どうしても思い出せなくて・・そ、それが怖くて・・・!・・それ、に・・あの2人も、桐生、さんと、冴島さんじゃ、なくて・・!!」
涙が止まる事を知らない。さっきまで泣いていたのにどんどん流れてくる。声を抑える事も出来ず、ただひたすら泣き続けた。私の涙で頬を包んでくれている沖田さんの手が濡れていく。申し訳なく思いながらも、涙は止まらない。
「ヒック・・うぅっ、・・ごめ、なさっ・・・!」
「・・・そない謝るなや・・シエルちゃんは悪くないやろ?」
頬から両手を離した沖田さんは、その血に染まった羽織で私を包み込むように優しく抱きしめてくれた。
急な事に驚いていると、沖田さんは抱きしめながら私の頭を優しく撫でてくる。
「よう頑張ったな。偉いでシエルちゃん。」
(・・・あぁ・・匂いまで、あの人だなんて・・。)
愛しい人と同じ温もりと香りを持つ沖田さんに抱きしめられた私は、そこから少しずつ意識が遠のいていった。
「ええてえて、おかげでスッキリしたやろ?ほれ、鼻ちーんしいや。」
ようやく泣き止んだ私に沖田さんは手拭いを鼻に当ててくる。
あの・・・濡れてるやつなんですけど・・でもいいや。この変な優しさが今は嬉しい・・。
「ほんなら今度はワシと話そうや!ほれ、2人はあっち行った行った。」
「何だそれ・・まぁいいけどよ。行こうぜ永倉。」
「おう。じゃ、またな八神。」
「は、はい!ありがとうございました。」
2人が部屋を出て行くと沖田さんは腰から刀を外し床に置いた後、にっこりとした笑顔で話しかけてくる。
「八神言うてたな。下の名前は何て言うんや?」
「えっと・・シエルです。八神シエル。」
「ほ~ええ名前やな!ほんならシエルちゃんて呼ぶわ!ワシ、沖田総司ゆうねん。よろしゅうな!」
あの人と同じ笑顔で手を差し出してくる沖田さん。
(・・えっと・・・握手、かな?)
そう思ってその手を握ると、嬉しそうな顔になって軽く手を握り返してくる。
(・・・可愛い笑顔・・。)
本当に・・・あの人みたい。
「シエルちゃんはどこから来たんや?」
「えっと・・・どこからというか、この時代じゃないというか。」
「この時代じゃない?・・・どういう事や?」
「・・・実は・・。」
斎藤さんと永倉さんは聞いてくれたけど半信半疑だったし・・沖田さんも理解できるかどうか・・・永倉さんの言う通り、とんでも話だから・・。
拙い言葉で説明していると、沖田さんは真っ直ぐな目で話を聞いてくれている。この時代の人間じゃない事、目が覚める前にあった出来事、あの2人と一緒で沖田さんの顔そっくりの人がいる事。
・・・その人が婚約者という事は、言わなかった。
「ほ~・・それでさっき、ワシの顔見て泣いとったんか。」
「・・・・・・。」
話せることは全部話した。沖田さんは腕を組んで少し唸っていた。
(・・信じられない、よね・・・。)
こうして話を聞いてもらえたけど、きっとこの人も・・。
その後すぐ顔を上げた沖田さんは、心配そうな表情をしていた。
・・・きっと変な女って思ったろうな・・・。
そう思っていると、沖田さんは私の頬に優しく触れてくる。
「そら大変やったな・・怖かったやろ?」
「・・・え・・?」
「目ぇ覚めたらちゃう時代にいて、知り合いやと思うたら全くの別人て・・そないな経験怖くてたまらんやろ。よう頑張ったな~。」
よしよしと言いながら優しく頬を撫でてくる。
「・・・信じて、くれるんですか・・?」
何で信じれるの・・・?普通あの2人みたいな反応・・・。
不安な声と表情でそう言うと、沖田さんはきょとんとした顔をする。
えっ・・何でその表情になるの?
「だ、だってこんな話、作り話かもしれないじゃないですか。なのに・・・私の話、信じてくれるんですか?」
「まぁせやけど・・・シエルちゃん、嘘ついとらんやろ?」
「だから何で・・・?」
「その服装がまずこの時代にないもんや。それにその、指につけとる・・・石?も、見た事あらへんしな。それだけでも充分信じれる要因やと思うで。」
指につけてる石・・?・・・あ、まさかこの指輪の事・・?そっか、この時代にはこういう物はないのか。服は当たり前だけど・・でもそれだけで・・・。
逆に半信半疑な顔をしていた私を見て、沖田さんは私の頬を両手で包み込んで目をじぃっと見てくる。疑いのない真っ直ぐな目で。
「なにより・・シエルちゃんの目が、本当ですって訴えてるんが充分に伝わってきたで?」
「・・・私の、目・・?」
「人間目見れば大体嘘ついとるか分かるやろ?ずっとシエルちゃんの目を見とったが・・・一回も嘘ついとらんかったやろ?綺麗で真っ直ぐな目や。」
その目と優しい笑顔は・・・あの日を思い出させる。
『・・・ホンマは嫌なんやろ?』
あの夜。あの人に銃を向けたあの日。
あの時もこうやって目を見て私の話を聞いてくれていた。私の心を見抜いていた。そして沖田さんも・・私の話が本当だと信じてくれた。
考えてる時顎髭を触る仕草をする斎藤さん。
どっしりと構えて目を時々瞑りながら話を聞いていた永倉さん。
人の目を真っ直ぐ見て嘘か真実か見抜く沖田さん。
それが桐生さんに・・・冴島さんに・・・大好きなあの人に本当そっくりで・・・でも違くって・・ワケが、分からなくて・・。
「怖かった・・・・。」
「・・・・シエルちゃん・・。」
「・・・怖かったよぉ・・!!」
沖田さんが私を信じてくれた事の安堵と、張り詰めていた私の感情が溢れ出てくるように涙が出てくる。
「わたっ・・私・・・!あの人だけが、どうしても思い出せなくて・・そ、それが怖くて・・・!・・それ、に・・あの2人も、桐生、さんと、冴島さんじゃ、なくて・・!!」
涙が止まる事を知らない。さっきまで泣いていたのにどんどん流れてくる。声を抑える事も出来ず、ただひたすら泣き続けた。私の涙で頬を包んでくれている沖田さんの手が濡れていく。申し訳なく思いながらも、涙は止まらない。
「ヒック・・うぅっ、・・ごめ、なさっ・・・!」
「・・・そない謝るなや・・シエルちゃんは悪くないやろ?」
頬から両手を離した沖田さんは、その血に染まった羽織で私を包み込むように優しく抱きしめてくれた。
急な事に驚いていると、沖田さんは抱きしめながら私の頭を優しく撫でてくる。
「よう頑張ったな。偉いでシエルちゃん。」
(・・・あぁ・・匂いまで、あの人だなんて・・。)
愛しい人と同じ温もりと香りを持つ沖田さんに抱きしめられた私は、そこから少しずつ意識が遠のいていった。