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「お客さん、着きましたで!」
「ありがとうございました。」
「今後も御贔屓に~!」
駕籠屋さんを見送って寺田屋に振り返ると、玄関の掃き掃除をしていたおりょうちゃんと目が合った。
「あ・・!!シエルちゃん!!」
「おりょうさ・・わぁっ?!」
私と目が合った途端に箒を放り投げて、おりょうさんが私に抱きついてきた。慌ててると、おりょうさんはどんどん力強く抱きしめてくる・・くっ苦しいっ・・!!
「良かった・・・良かったぁ~!」
「え・・お、りょうさん・・?」
「一さんから、怪我したって聞いて・・・帰ってこぉへんから、心配で心配で・・!また、このまま帰ってこぉへん思うて・・!」
「・・・あ・・・。」
おりょうさん・・・泣いてる・・。
・・そうだよね・・・また心配かけちゃったよね・・斎藤さん、怪我をしたって伝えてくれたんだ・・。
「ごめんね、おりょうさん・・ありがとう、もう大丈夫だよ。」
「良かった・・せやけど、今日は休んどき?昨日の今日やし念の為にて女将さんも言うとったから、な?」
「・・ありがとう、そうさせてもらうね。」
涙目で言ってくれるおりょうさん。
本当に有難い・・・それに、正直助かる。・・・・昨日の余韻で腰がまだ・・・。
(こんなに心配してくれてるのに・・申し訳ない・・・。)
部屋に戻った私は部屋着用の浴衣に着替えて、窓から夕暮れを眺めていた。
・・・吾朗さん、今日は稽古って言われてたっけ・・まだやってるのかな?沖田さん自体結構サボリ癖あったけど、吾朗さんもそんなところあるし・・更に酷くなったりして。
(ふふっ、そう思うと笑っちゃうな。)
・・・そういえば・・・。
『——あまり総司と関わらない方がいい。』
土方さんのあの言葉・・どういう意味なんだろう。
土方さんから見て沖田総司自体が危険だって思ってるのかな・・確かに新撰組で最凶の男って言われてるけど・・他に何か理由が?
『あの黒い布の奴・・・新撰組の一人かもしれへんからや。』
・・・吾朗さんが言ってたあの仮説・・沖田総司の身を案じてたとしたら、それは新撰組のみんなに言える。近藤さんも井上さんも、永倉さんや斎藤さんも・・・土方さんのあの言葉は、その一つかもしれない。
・・・でもだったら・・昨日も思ってたけど、どうして私もなんだろう・・何で吾朗さんと私を・・・・。
「・・・駄目だ、分かんない・・・。」
一人で考えても埒があかない・・・。
・・少し寝よう、寝不足で頭がまわらないのかもしれないし・・。
布団を用意して潜り込むけど、落ち着かない・・。
(・・寒いなぁ・・・。)
・・・昨日は久しぶりに吾朗さんと一緒に寝れて・・凄い安心できてた・・・。一度温もりを思い出したら、もう一人じゃ眠りにつくのも時間がかかる・・。
(・・・次はいつ会えるかな・・。)
記憶を失っているフリを続けるなら、あんまり気軽に会わない方がいい。屯所で会えても、吾朗さんの事だから沖田総司を演じるだろうからずっと傍にいられない可能性が高いし・・・。
「・・・。」
私ってこんなに寂しがり屋だっけ。あんなに独りで過ごしてたのに・・・吾朗さん、早く会いたいなぁ・・・。
寂しさを紛らわす為に無理矢理布団を頭まで被るけど、土方さんに言われた事や吾朗さんに会いたい寂しさが巡り巡って、なかなか寝つく事ができなかった。
「・・・ん・・。」
・・・あれ・・・いつの間に、寝てたのかな・・・今何時だろ。
・・・・・・・・ん?
(背中・・あったかい・・・?)
・・なんでだろ・・・・?
不思議に思って後ろを振り返る、と———
「・・・・え?!」
振り返ったすぐそこに・・スヤスヤと眠っている吾朗さんがいた。
思わず出た大きな声で吾朗さんは起きてしまい、寝惚け眼で私を見てきた。
「・・ん・・・何やシエル、起きたんか・・。」
な・・・何かいつの間にか一緒に寝てるってデジャブ・・!!
「ど、どうしたの吾朗さん?!」
「明日休みもろたから・・夜這いにきたんや・・。」
「夜這い?!」
「し~・・夜やから静かにせなアカンで?」
とろんとした目をしながらにっこりと笑う吾朗さんは、人差し指を私の唇にあててし~っと言う。
・・・その目は、反則です・・。
「それに・・シエル寂しないかな~思うてな・・。」
「・・・え・・?」
「・・・シエルがおらんと、もう寂しゅうて寝れへん・・シエルも、やろ・・。」
寝惚けながらそう言った吾朗さんは、私の事を抱き寄せて・・・そのまますぐ寝てしまった。
・・吾朗さんも昨日は私と一緒でほとんど寝れてないもんね。それなのに新撰組の稽古もして・・よっぽど疲れたんだろうな・・。
(・・ふふ、私まだ答えてないのに・・。)
吾朗さんの愛しい頬に軽く触れるキスをした私は、吾朗さんの胸元に顔を埋める。大きく鼻で匂いを楽しむように息を吸い、大きく息を吐くと自然と眠気がおそってきた。
(・・私も寂しいよ、吾朗さん・・。)
「ありがとうございました。」
「今後も御贔屓に~!」
駕籠屋さんを見送って寺田屋に振り返ると、玄関の掃き掃除をしていたおりょうちゃんと目が合った。
「あ・・!!シエルちゃん!!」
「おりょうさ・・わぁっ?!」
私と目が合った途端に箒を放り投げて、おりょうさんが私に抱きついてきた。慌ててると、おりょうさんはどんどん力強く抱きしめてくる・・くっ苦しいっ・・!!
「良かった・・・良かったぁ~!」
「え・・お、りょうさん・・?」
「一さんから、怪我したって聞いて・・・帰ってこぉへんから、心配で心配で・・!また、このまま帰ってこぉへん思うて・・!」
「・・・あ・・・。」
おりょうさん・・・泣いてる・・。
・・そうだよね・・・また心配かけちゃったよね・・斎藤さん、怪我をしたって伝えてくれたんだ・・。
「ごめんね、おりょうさん・・ありがとう、もう大丈夫だよ。」
「良かった・・せやけど、今日は休んどき?昨日の今日やし念の為にて女将さんも言うとったから、な?」
「・・ありがとう、そうさせてもらうね。」
涙目で言ってくれるおりょうさん。
本当に有難い・・・それに、正直助かる。・・・・昨日の余韻で腰がまだ・・・。
(こんなに心配してくれてるのに・・申し訳ない・・・。)
部屋に戻った私は部屋着用の浴衣に着替えて、窓から夕暮れを眺めていた。
・・・吾朗さん、今日は稽古って言われてたっけ・・まだやってるのかな?沖田さん自体結構サボリ癖あったけど、吾朗さんもそんなところあるし・・更に酷くなったりして。
(ふふっ、そう思うと笑っちゃうな。)
・・・そういえば・・・。
『——あまり総司と関わらない方がいい。』
土方さんのあの言葉・・どういう意味なんだろう。
土方さんから見て沖田総司自体が危険だって思ってるのかな・・確かに新撰組で最凶の男って言われてるけど・・他に何か理由が?
『あの黒い布の奴・・・新撰組の一人かもしれへんからや。』
・・・吾朗さんが言ってたあの仮説・・沖田総司の身を案じてたとしたら、それは新撰組のみんなに言える。近藤さんも井上さんも、永倉さんや斎藤さんも・・・土方さんのあの言葉は、その一つかもしれない。
・・・でもだったら・・昨日も思ってたけど、どうして私もなんだろう・・何で吾朗さんと私を・・・・。
「・・・駄目だ、分かんない・・・。」
一人で考えても埒があかない・・・。
・・少し寝よう、寝不足で頭がまわらないのかもしれないし・・。
布団を用意して潜り込むけど、落ち着かない・・。
(・・寒いなぁ・・・。)
・・・昨日は久しぶりに吾朗さんと一緒に寝れて・・凄い安心できてた・・・。一度温もりを思い出したら、もう一人じゃ眠りにつくのも時間がかかる・・。
(・・・次はいつ会えるかな・・。)
記憶を失っているフリを続けるなら、あんまり気軽に会わない方がいい。屯所で会えても、吾朗さんの事だから沖田総司を演じるだろうからずっと傍にいられない可能性が高いし・・・。
「・・・。」
私ってこんなに寂しがり屋だっけ。あんなに独りで過ごしてたのに・・・吾朗さん、早く会いたいなぁ・・・。
寂しさを紛らわす為に無理矢理布団を頭まで被るけど、土方さんに言われた事や吾朗さんに会いたい寂しさが巡り巡って、なかなか寝つく事ができなかった。
「・・・ん・・。」
・・・あれ・・・いつの間に、寝てたのかな・・・今何時だろ。
・・・・・・・・ん?
(背中・・あったかい・・・?)
・・なんでだろ・・・・?
不思議に思って後ろを振り返る、と———
「・・・・え?!」
振り返ったすぐそこに・・スヤスヤと眠っている吾朗さんがいた。
思わず出た大きな声で吾朗さんは起きてしまい、寝惚け眼で私を見てきた。
「・・ん・・・何やシエル、起きたんか・・。」
な・・・何かいつの間にか一緒に寝てるってデジャブ・・!!
「ど、どうしたの吾朗さん?!」
「明日休みもろたから・・夜這いにきたんや・・。」
「夜這い?!」
「し~・・夜やから静かにせなアカンで?」
とろんとした目をしながらにっこりと笑う吾朗さんは、人差し指を私の唇にあててし~っと言う。
・・・その目は、反則です・・。
「それに・・シエル寂しないかな~思うてな・・。」
「・・・え・・?」
「・・・シエルがおらんと、もう寂しゅうて寝れへん・・シエルも、やろ・・。」
寝惚けながらそう言った吾朗さんは、私の事を抱き寄せて・・・そのまますぐ寝てしまった。
・・吾朗さんも昨日は私と一緒でほとんど寝れてないもんね。それなのに新撰組の稽古もして・・よっぽど疲れたんだろうな・・。
(・・ふふ、私まだ答えてないのに・・。)
吾朗さんの愛しい頬に軽く触れるキスをした私は、吾朗さんの胸元に顔を埋める。大きく鼻で匂いを楽しむように息を吸い、大きく息を吐くと自然と眠気がおそってきた。
(・・私も寂しいよ、吾朗さん・・。)