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(・・・腰痛い・・。)
少しでも仮眠しようって話になった私達はあの後すぐ眠りについた。
目が覚めた頃にはもう隣に吾朗さんはいなくて、寝室から出ると依然と同じように朝ご飯を作ってくれていた。
(何とか起きれた・・けど・・体怠い・・・。)
結局昨日は吾朗さんに何回も何回も抱かれて!!いや嬉しいんだけど限度があるでしょ!!本当吾朗さんの性欲おかしいんだから!!
私がそんな事を考えてるなんて知らない吾朗さんは・・・。
「お?起きたかシエル!メシ食うて屯所行くで!」
・・・物凄いスッキリした笑顔でこっちを見ている。
(・・絶倫モンスターめ・・・。)
文句を言いたかったけど嬉しかったから特に何も言えず・・朝ご飯もやっぱり美味しかったから、黙って食べていた。その時も吾朗さんは時々ニヤリと見てくるから・・・そこがまた意地悪・・。
「ほな行くで。・・腰大丈夫かいな?」
「・・分かってて聞くのやめてよ・・。」
「ヒヒッ、そりゃ失礼したの!」
上機嫌の吾朗さんと一緒に家を出て屯所へ向かう。
少し肌寒いけどその風が心地良い、いい天気だなぁ・・・。そんな事を考えながら歩いていたら、吾朗さんが手を握ってくる。
「えっ・・?」
「・・沖田ん時からずっと握りたかったんや・・・大通り出たら放すから・・少しだけ、ええか?」
・・・・え・・・・・?
(吾朗さんって・・そんな事いう人だっけ・・・?)
・・・もしかして、沖田総司の性格が残ってるとか?沖田さんはどちらかというと照れ屋さんなところあったし・・。
これはこれで・・・新鮮で可愛いかも・・。
「うん、いいよ。私も・・繋ぎたいし。」
「おおきに。」
いつもは黒手袋で握る事が多いから、外でこうして素肌に触れる事は実はあんまりなかった。だからこうして直に手を握れるのは割とレアだから・・・ちょっと緊張しちゃう・・。
吾朗さんも緊張してるのか、少し手汗を感じる・・・これも新鮮。
ちらっと横目で吾朗さんを見ると、吾朗さんも横目で私を見てきていた。
「せやシエル、一応記憶戻った事はみんなに話すんやないで?」
「え・・何で?」
別にそれを伝えたところで困る事ないと思うけど・・。
不思議そうな顔をする私に、吾朗さんは丁寧に答えてくれる。
「あの黒い布の奴・・・新撰組の一人かもしれへんからや。」
「えっ・・?!何でそう思うの・・?」
「”今度こそ幸せになるんだ”って言われた言うたやろ?ちゅう事は沖田総司の事を案じとるっちゅう可能性が高い。・・もしソイツにとって記憶が戻る事が都合悪いんやったら、何をされるか分からん。だから言うたらアカン。ええな?」
・・・凄い・・吾朗さん、そこまで考えてたの・・?
でも確かに・・吾朗さんの仮説が正しければ、黒い布の人物の目的は吾朗さんだけ。吾朗さんの記憶は綺麗さっぱり失っていた。
(だったら何で私まで・・?)
・・・やめよう、今考えても答えはきっと出ない。
私は吾朗さんの言う事を、ただ信じるだけでいいんだから。
「分かった。そういうの得意だから任せて。」
「・・すまん・・・またしんどい事させてまう・・。」
「ううん。二人で戻る為だもん。どうってことないよ?」
「・・・おおきにシエル。」
吾朗さんは優しい笑顔を見せてくれた後、一瞬足を止める。
つられて止まった私も前を見ると、そこはもう大通りだった。
(・・そろそろ手を放さなくちゃ。)
大通りに出たら、”真島吾朗”じゃなくて”沖田総司”になってしまう。私も記憶を失った”八神シエル”を演じなくちゃいけない。
演じるのは全然苦じゃない。さっき吾朗さんに言った通り私の得意分野だったから何も思わない。
・・でも・・・。
(・・ちょっと・・・寂しい・・。)
吾朗さんとして話せなくなるのが、寂しい。
思わず少し手に力が入ってしまった私に、吾朗さんはすぐ気付く。少し困ったような笑顔を浮かべて私を見る。
・・・吾朗さんも・・同じ、なのかな・・・そうであってほしい。
「シエル、ちぃとこっち来てや。」
「・・・?」
(何だろ?)
大通り手前の家屋の間に入った吾朗さんの後ろをついて行くと突然こっちに振り返り——羽織の中に私を抱き寄せながら唇を近づけてくる。
「え・・っ?!——!んっ・・ふぅっ・・・!」
吾朗さんは私の口に舌を入れてきた。突然の甘いキスに足腰の力が抜けてしまう私は、吾朗さんの腕に支えられながらその甘いキスを受け入れる。
人通りが少ないから周りの音があんまり聞こえなくて私の耳に聞こえてくるのは、口の中でくちゅりと鳴る卑猥な音だけ。
「んっ・・・んぁっ、ふっ・・!」
「・・んっ・・・ん・・。」
それから深いキスは暫く続き満足できたのか、吾朗さんはやっと唇を離してくれる。涎まみれの私の唇を、色っぽい顔をしながら指で拭ってくれる。
「今度仰山甘えてええから。今はこれで・・な?」
「・・うん・・・分かった・・。」
「ん、ええ子や。」
そう言うと吾朗さんは私より先に大通りへ出て歩き出す。その背中から、今は”沖田総司”として歩いていると伝わってくる。私はそんな背中を見つめながら早歩きでついて行く。
(・・同じ背中なのに・・・全然違う・・。)
吾朗さんのであり沖田さんのでもあるその背中。
”般若の刺青”は刻まれていなくて、代わりに”誠”の文字を背中に背負っているこの人は・・・一体どうなってしまうのだろう。
何でか分からないけど・・少しそれが怖くなっている私がいた。
「・・・・。」
そんな私は気付いていなかった。
真島吾朗の・・・沖田総司の変化を。この時の私は、何も分かっていなかった。
少しでも仮眠しようって話になった私達はあの後すぐ眠りについた。
目が覚めた頃にはもう隣に吾朗さんはいなくて、寝室から出ると依然と同じように朝ご飯を作ってくれていた。
(何とか起きれた・・けど・・体怠い・・・。)
結局昨日は吾朗さんに何回も何回も抱かれて!!いや嬉しいんだけど限度があるでしょ!!本当吾朗さんの性欲おかしいんだから!!
私がそんな事を考えてるなんて知らない吾朗さんは・・・。
「お?起きたかシエル!メシ食うて屯所行くで!」
・・・物凄いスッキリした笑顔でこっちを見ている。
(・・絶倫モンスターめ・・・。)
文句を言いたかったけど嬉しかったから特に何も言えず・・朝ご飯もやっぱり美味しかったから、黙って食べていた。その時も吾朗さんは時々ニヤリと見てくるから・・・そこがまた意地悪・・。
「ほな行くで。・・腰大丈夫かいな?」
「・・分かってて聞くのやめてよ・・。」
「ヒヒッ、そりゃ失礼したの!」
上機嫌の吾朗さんと一緒に家を出て屯所へ向かう。
少し肌寒いけどその風が心地良い、いい天気だなぁ・・・。そんな事を考えながら歩いていたら、吾朗さんが手を握ってくる。
「えっ・・?」
「・・沖田ん時からずっと握りたかったんや・・・大通り出たら放すから・・少しだけ、ええか?」
・・・・え・・・・・?
(吾朗さんって・・そんな事いう人だっけ・・・?)
・・・もしかして、沖田総司の性格が残ってるとか?沖田さんはどちらかというと照れ屋さんなところあったし・・。
これはこれで・・・新鮮で可愛いかも・・。
「うん、いいよ。私も・・繋ぎたいし。」
「おおきに。」
いつもは黒手袋で握る事が多いから、外でこうして素肌に触れる事は実はあんまりなかった。だからこうして直に手を握れるのは割とレアだから・・・ちょっと緊張しちゃう・・。
吾朗さんも緊張してるのか、少し手汗を感じる・・・これも新鮮。
ちらっと横目で吾朗さんを見ると、吾朗さんも横目で私を見てきていた。
「せやシエル、一応記憶戻った事はみんなに話すんやないで?」
「え・・何で?」
別にそれを伝えたところで困る事ないと思うけど・・。
不思議そうな顔をする私に、吾朗さんは丁寧に答えてくれる。
「あの黒い布の奴・・・新撰組の一人かもしれへんからや。」
「えっ・・?!何でそう思うの・・?」
「”今度こそ幸せになるんだ”って言われた言うたやろ?ちゅう事は沖田総司の事を案じとるっちゅう可能性が高い。・・もしソイツにとって記憶が戻る事が都合悪いんやったら、何をされるか分からん。だから言うたらアカン。ええな?」
・・・凄い・・吾朗さん、そこまで考えてたの・・?
でも確かに・・吾朗さんの仮説が正しければ、黒い布の人物の目的は吾朗さんだけ。吾朗さんの記憶は綺麗さっぱり失っていた。
(だったら何で私まで・・?)
・・・やめよう、今考えても答えはきっと出ない。
私は吾朗さんの言う事を、ただ信じるだけでいいんだから。
「分かった。そういうの得意だから任せて。」
「・・すまん・・・またしんどい事させてまう・・。」
「ううん。二人で戻る為だもん。どうってことないよ?」
「・・・おおきにシエル。」
吾朗さんは優しい笑顔を見せてくれた後、一瞬足を止める。
つられて止まった私も前を見ると、そこはもう大通りだった。
(・・そろそろ手を放さなくちゃ。)
大通りに出たら、”真島吾朗”じゃなくて”沖田総司”になってしまう。私も記憶を失った”八神シエル”を演じなくちゃいけない。
演じるのは全然苦じゃない。さっき吾朗さんに言った通り私の得意分野だったから何も思わない。
・・でも・・・。
(・・ちょっと・・・寂しい・・。)
吾朗さんとして話せなくなるのが、寂しい。
思わず少し手に力が入ってしまった私に、吾朗さんはすぐ気付く。少し困ったような笑顔を浮かべて私を見る。
・・・吾朗さんも・・同じ、なのかな・・・そうであってほしい。
「シエル、ちぃとこっち来てや。」
「・・・?」
(何だろ?)
大通り手前の家屋の間に入った吾朗さんの後ろをついて行くと突然こっちに振り返り——羽織の中に私を抱き寄せながら唇を近づけてくる。
「え・・っ?!——!んっ・・ふぅっ・・・!」
吾朗さんは私の口に舌を入れてきた。突然の甘いキスに足腰の力が抜けてしまう私は、吾朗さんの腕に支えられながらその甘いキスを受け入れる。
人通りが少ないから周りの音があんまり聞こえなくて私の耳に聞こえてくるのは、口の中でくちゅりと鳴る卑猥な音だけ。
「んっ・・・んぁっ、ふっ・・!」
「・・んっ・・・ん・・。」
それから深いキスは暫く続き満足できたのか、吾朗さんはやっと唇を離してくれる。涎まみれの私の唇を、色っぽい顔をしながら指で拭ってくれる。
「今度仰山甘えてええから。今はこれで・・な?」
「・・うん・・・分かった・・。」
「ん、ええ子や。」
そう言うと吾朗さんは私より先に大通りへ出て歩き出す。その背中から、今は”沖田総司”として歩いていると伝わってくる。私はそんな背中を見つめながら早歩きでついて行く。
(・・同じ背中なのに・・・全然違う・・。)
吾朗さんのであり沖田さんのでもあるその背中。
”般若の刺青”は刻まれていなくて、代わりに”誠”の文字を背中に背負っているこの人は・・・一体どうなってしまうのだろう。
何でか分からないけど・・少しそれが怖くなっている私がいた。
「・・・・。」
そんな私は気付いていなかった。
真島吾朗の・・・沖田総司の変化を。この時の私は、何も分かっていなかった。