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「え・・・・?」
沖田さん・・・今、何て・・?
「ワシは・・それを知っとる・・・何でや・・何でワシは、この刺青を見た事があるんや・・?」
・・・どういう、事・・?
沖田さんに・・もちろん他の人にも見せた事ない・・そんな話もした事がない。それなのに・・・どうして・・・?
沖田さんも混乱しているのか、片手で頭を抱えている。
「何なんや・・・その彫師っちゅう奴も覚えとる・・何でや、何でそんなの知っとるんや・・?」
「沖田さん・・・。」
「分からん・・何でその風景が浮かぶんや?・・泣いとるシエルちゃんの姿も・・それを見た時の感情も・・・・。」
まさか・・・嘘・・そんな、そんな事ある・・・?
もしかして・・・もしかして沖田さんは・・・。
「ほ、他に何か思い出しませんか?!」
「他・・他、は・・・。」
精一杯思い出そうとする沖田さんは、はっとした表情になり私の肩を掴むと無理矢理自身の方に向かせてくる。そして私の右目近くに手をおいて、優しく指先で触れてくる。
「・・そうや・・・眼帯・・シエルちゃんは、桜の眼帯をしとったハズや・・・!」
『・・・その、あれや。祝いっちゅうか・・起きれた記念っちゅうか・・・。』
・・思い、出した・・・そうだ・・私が目を失った後・・あの人が私に贈ってくれたものだ。
この時代に来た時に右目は存在してたし眼帯はなかったから誰にも話していない。写真を見せた時も深く話した事なんてない。ましてや沖田さんに・・眼帯姿の私の写真を見せた事なんてない。
それなのに沖田さんは・・それを知っている。
「・・なんやえらい豪華な部屋のおった・・・そこで、シエルちゃんとなんや吸うてた・・・。」
「豪華な部屋・・そ、それ!その吸ってたのって煙出てませんでしたか?!」
「・・せ、せや・・・何や出とったな・・。」
豪華な部屋で吸っていた煙が出るもの・・それってもしかして、ラブホでの出来事・・・?
あの時確かに2人で煙草を吸っていた・・・あの人がいつも吸っている・・ハイライト・・・。
「・・なぁシエルちゃん、初めて会うた時指についとる石の話したん覚えとるか?」
「石・・それってもしかして、この指輪の事ですか?」
「せや・・それもシエルちゃんに渡したハズや・・どっかの部屋で・・シエルちゃんは着物を着とって・・泣いとった・・。」
「・・・あ・・・。」
『俺はシエルをずっと守る。この先何があっても、シエルが俺の隣にいられるように全力で守ったる。』
・・・また・・思い出した・・。
2人で旅行に行って、プロポーズされて・・その時に渡されたのがこの指輪・・だった・・・。
沖田さんは両手で頭を抱えている。
「・・最後に・・聞いていいですか・・・?」
「ちょお待っとくれ・・何がなんだか・・!」
「お願いします!これで最後です!」
聞きたい事・・・これこそ私とあの人のしか分からない出来事。
それを聞ければきっと・・私は・・・私達は・・・!
「・・私が刺されたあの夜、覚えてますか?この時代に来ることになったきっかけの・・あの夜を・・・!」
「・・・・シエル、ちゃんが・・刺された・・?」
「黒い布を被った人に刺されたあの夜です・・!!」
私がお腹を刺されたあの日。あの時一緒にいたのはあの人だけ。
(その記憶が残っているのなら・・・)
僅かな望みにかけて、私は混乱している沖田さんに問い詰める。
「・・・手を・・繋いで、逃げとった・・せやけど・・目の前に、布の奴がおって・・・・・。」
沖田さんはポツリポツリと言葉を漏らし続ける。
あの時の出来事を。あの時の恐怖を。あの時の・・あの人の、感情を。
「・・血の海の中に、シエルちゃんがおったんや・・抱き寄せて、どんなに叫んどっても・・何も答えて、くれへんかった・・シエルちゃんの体温は・・どんどん下がって・・ワシは・・。」
そう言う沖田さんの目は・・・明らかに変わっていった。
両手を私の頬にそえて、私の目を真っ直ぐ見てくる。・・見た事のある、大好きなその目で・・・。
「・・・俺、は・・・・。」
「・・・!」
(沖田さん・・今・・・”俺”って・・・。)
「・・・シエル・・?」
沖田さんは・・・何度も何度も私の存在を確認するように指で撫でてくる。
大好きなその目で・・大好きなその優しい笑顔で・・・。
「・・はっ・・・阿保やな俺は・・目の前におったんに、何も覚えてへんかったとはな・・。」
「・・沖田、さん・・・?」
「・・・ちゃうでシエル。俺の名前・・思い出せるか?」
「・・なま、え・・・?」
「初めて俺の名前を呼んでくれたんは、東城会本部やった。あん時恥ずかしそうに言うとったシエル・・ごっつかわえかったで。」
東城会・・・本部・・・・初めて名前を呼んだ日・・。
私は記憶を精一杯掘り起こす。あの日の記憶を。初めて名前を呼んだ日を。
『そういえばシエルは何で兄さんを名前で呼ばないんだ?』
『・・・それは俺も気になっとった。』
『え・・えっと・・・・。』
『兄さんは呼んでほしいみたいだぞ?この前飲んだ時言ってたしな。』
『なっ?!桐生ちゃん余計な事言うなや!!』
・・・桐生さんに・・冴島さん・・・・それに・・大吾さん・・。
そして・・・・・・。
(・・おも、い・・・だした・・・。)
『?シエル、どないした?』
『・・・・・さん・・・。』
『・・?何やて?』
「————・・・。」
私は・・今、目の前にいる・・愛している人の頬に手をそえる。
この人は・・・私の、大切な・・・大切な人・・・。
「・・・ご、ろう・・さん・・・?」
「・・シエル・・・。」
「・・・・吾朗、さんっ・・吾朗さんっ・・!」
「シエルっ・・!」
お互い記憶を思い出した私達はその場で抱きしめ合う。
そうだ・・・この人の名前は・・・・。
(真島吾朗。)
どうしてここにいるのか分からない。何で吾朗さんまでこっちに来ているのか分からない。
でも・・・でも今は・・そんなのどうでもいい。
「ごめっなさっ・・わ、私・・・!吾朗さっ・・!!」
「・・俺もや・・・辛い思いさせてすまんかった・・しんどい事させて・・すまんかった・・・。」
「うっ・・吾朗、さぁん・・!うわあぁぁん!!」
「良かった・・生きとって、良かった・・・!」
ようやく思い出せた愛している人の名前。
(やっと・・・やっと、会えた・・・。)
再会を喜ぶ私達は強く強く抱きしめ合う。
抱きしめ合った私達は・・お互いを求めるように深いキスをする。どんなにしても足りない。どれだけ求めても足りなすぎる。
全てを思い出した私達は・・もう誰にも、止められない。
沖田さん・・・今、何て・・?
「ワシは・・それを知っとる・・・何でや・・何でワシは、この刺青を見た事があるんや・・?」
・・・どういう、事・・?
沖田さんに・・もちろん他の人にも見せた事ない・・そんな話もした事がない。それなのに・・・どうして・・・?
沖田さんも混乱しているのか、片手で頭を抱えている。
「何なんや・・・その彫師っちゅう奴も覚えとる・・何でや、何でそんなの知っとるんや・・?」
「沖田さん・・・。」
「分からん・・何でその風景が浮かぶんや?・・泣いとるシエルちゃんの姿も・・それを見た時の感情も・・・・。」
まさか・・・嘘・・そんな、そんな事ある・・・?
もしかして・・・もしかして沖田さんは・・・。
「ほ、他に何か思い出しませんか?!」
「他・・他、は・・・。」
精一杯思い出そうとする沖田さんは、はっとした表情になり私の肩を掴むと無理矢理自身の方に向かせてくる。そして私の右目近くに手をおいて、優しく指先で触れてくる。
「・・そうや・・・眼帯・・シエルちゃんは、桜の眼帯をしとったハズや・・・!」
『・・・その、あれや。祝いっちゅうか・・起きれた記念っちゅうか・・・。』
・・思い、出した・・・そうだ・・私が目を失った後・・あの人が私に贈ってくれたものだ。
この時代に来た時に右目は存在してたし眼帯はなかったから誰にも話していない。写真を見せた時も深く話した事なんてない。ましてや沖田さんに・・眼帯姿の私の写真を見せた事なんてない。
それなのに沖田さんは・・それを知っている。
「・・なんやえらい豪華な部屋のおった・・・そこで、シエルちゃんとなんや吸うてた・・・。」
「豪華な部屋・・そ、それ!その吸ってたのって煙出てませんでしたか?!」
「・・せ、せや・・・何や出とったな・・。」
豪華な部屋で吸っていた煙が出るもの・・それってもしかして、ラブホでの出来事・・・?
あの時確かに2人で煙草を吸っていた・・・あの人がいつも吸っている・・ハイライト・・・。
「・・なぁシエルちゃん、初めて会うた時指についとる石の話したん覚えとるか?」
「石・・それってもしかして、この指輪の事ですか?」
「せや・・それもシエルちゃんに渡したハズや・・どっかの部屋で・・シエルちゃんは着物を着とって・・泣いとった・・。」
「・・・あ・・・。」
『俺はシエルをずっと守る。この先何があっても、シエルが俺の隣にいられるように全力で守ったる。』
・・・また・・思い出した・・。
2人で旅行に行って、プロポーズされて・・その時に渡されたのがこの指輪・・だった・・・。
沖田さんは両手で頭を抱えている。
「・・最後に・・聞いていいですか・・・?」
「ちょお待っとくれ・・何がなんだか・・!」
「お願いします!これで最後です!」
聞きたい事・・・これこそ私とあの人のしか分からない出来事。
それを聞ければきっと・・私は・・・私達は・・・!
「・・私が刺されたあの夜、覚えてますか?この時代に来ることになったきっかけの・・あの夜を・・・!」
「・・・・シエル、ちゃんが・・刺された・・?」
「黒い布を被った人に刺されたあの夜です・・!!」
私がお腹を刺されたあの日。あの時一緒にいたのはあの人だけ。
(その記憶が残っているのなら・・・)
僅かな望みにかけて、私は混乱している沖田さんに問い詰める。
「・・・手を・・繋いで、逃げとった・・せやけど・・目の前に、布の奴がおって・・・・・。」
沖田さんはポツリポツリと言葉を漏らし続ける。
あの時の出来事を。あの時の恐怖を。あの時の・・あの人の、感情を。
「・・血の海の中に、シエルちゃんがおったんや・・抱き寄せて、どんなに叫んどっても・・何も答えて、くれへんかった・・シエルちゃんの体温は・・どんどん下がって・・ワシは・・。」
そう言う沖田さんの目は・・・明らかに変わっていった。
両手を私の頬にそえて、私の目を真っ直ぐ見てくる。・・見た事のある、大好きなその目で・・・。
「・・・俺、は・・・・。」
「・・・!」
(沖田さん・・今・・・”俺”って・・・。)
「・・・シエル・・?」
沖田さんは・・・何度も何度も私の存在を確認するように指で撫でてくる。
大好きなその目で・・大好きなその優しい笑顔で・・・。
「・・はっ・・・阿保やな俺は・・目の前におったんに、何も覚えてへんかったとはな・・。」
「・・沖田、さん・・・?」
「・・・ちゃうでシエル。俺の名前・・思い出せるか?」
「・・なま、え・・・?」
「初めて俺の名前を呼んでくれたんは、東城会本部やった。あん時恥ずかしそうに言うとったシエル・・ごっつかわえかったで。」
東城会・・・本部・・・・初めて名前を呼んだ日・・。
私は記憶を精一杯掘り起こす。あの日の記憶を。初めて名前を呼んだ日を。
『そういえばシエルは何で兄さんを名前で呼ばないんだ?』
『・・・それは俺も気になっとった。』
『え・・えっと・・・・。』
『兄さんは呼んでほしいみたいだぞ?この前飲んだ時言ってたしな。』
『なっ?!桐生ちゃん余計な事言うなや!!』
・・・桐生さんに・・冴島さん・・・・それに・・大吾さん・・。
そして・・・・・・。
(・・おも、い・・・だした・・・。)
『?シエル、どないした?』
『・・・・・さん・・・。』
『・・?何やて?』
「————・・・。」
私は・・今、目の前にいる・・愛している人の頬に手をそえる。
この人は・・・私の、大切な・・・大切な人・・・。
「・・・ご、ろう・・さん・・・?」
「・・シエル・・・。」
「・・・・吾朗、さんっ・・吾朗さんっ・・!」
「シエルっ・・!」
お互い記憶を思い出した私達はその場で抱きしめ合う。
そうだ・・・この人の名前は・・・・。
(真島吾朗。)
どうしてここにいるのか分からない。何で吾朗さんまでこっちに来ているのか分からない。
でも・・・でも今は・・そんなのどうでもいい。
「ごめっなさっ・・わ、私・・・!吾朗さっ・・!!」
「・・俺もや・・・辛い思いさせてすまんかった・・しんどい事させて・・すまんかった・・・。」
「うっ・・吾朗、さぁん・・!うわあぁぁん!!」
「良かった・・生きとって、良かった・・・!」
ようやく思い出せた愛している人の名前。
(やっと・・・やっと、会えた・・・。)
再会を喜ぶ私達は強く強く抱きしめ合う。
抱きしめ合った私達は・・お互いを求めるように深いキスをする。どんなにしても足りない。どれだけ求めても足りなすぎる。
全てを思い出した私達は・・もう誰にも、止められない。