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体が痛い。寒気がする。ぴくりとも動かない。
(あぁ・・私はここで死ぬのかな。)
嫌だ。そんなの嫌。助けて。誰か助けて。
「——!——、———。」
・・・・・?誰かの声が聞こえる・・・。
「——!?——・・・・。」
男の声・・・2人・・いや、3人・・・?
「——いのぉ・・ら・・・やで。」
「・・・ってる・・?」
「俺も・・・ろ?」
(誰・・・この声、どこかで・・・・。)
少しずつ意識が戻ってきた私は、重い瞼を開く。
感覚が戻ってきて、額には何か冷たいものが置かれている事に気付く。
(これ・・濡れタオル?タオルにしては薄いような・・。)
視界が広がり、ここがどこかの部屋なんだと分かった。
見慣れない天井。いい畳の香り。そして敷かれている布団は太陽の光を浴びた直後のような心地よい寝心地がする。
「・・・・・・・・・・。」
(ここどこ・・・?)
私、確か襲われて・・・そもそもこんな和室テイストな場所神室町にはないはず・・・。
・・・部屋の明かりに蝋燭使ってる・・。雰囲気は旅館に似てるけど・・違う、よね・・?
ゆっくり起き上がると、激しい倦怠感に襲われる。体も少し熱っぽい・・・あ、だから濡れタオル乗ってたのかな・・・。
(そういえば私、お腹刺されて・・・。)
でも・・痛みを感じない。
服の上から触ってみたけど、刺された後も破れた形跡もない。
(どういう事・・?)
あの時確かに刺された。痛みもあった。血も吐いてた。
なのに何ともない。何がどうなってるの?視界も妙に広いし。
(・・・え?”視界が広い”?)
どうしてそう思ったの?だって私の右目には眼帯が・・・。
恐る恐る右目部分に手を伸ばす——が、そこにあるはずの眼帯が無かった。
「?!」
嘘っ・・・何で?!疑う様に瞬きをすると、確かに右瞼が動く感覚がある。
ありえない。だって私の右目はあの時ボスに潰されたんだから。それがどうして見えてるの?これは夢?
そう思って頬っぺたを軽くつねると・・痛い。
「夢じゃ・・・ない・・?」
え・・何、何で・・・?
頭が混乱する・・どうして・・・・?
訳が分からない・・・!!
『ガラッ』
「ん?起きたのか?」
「・・・え?」
突然開かれた引き戸。引き戸を開けた人物は、灰色の着物と薄黒い袴を着ていて、目立つ浅葱色の羽織を身に纏っていた。
何より驚いたのは・・・・その顔。
「・・・桐生・・さん・・・・?」
その顔は——間違いなく桐生一馬だった。
渋い顔にいつも皺のよっている眉間。髪はいつもより全然長いけど間違いない・・・!
私は慌てて立ち上がって、フラフラの体でその人物の羽織に両手で掴みかかる。
「あのっここはどこなんですか?!何があったんです?!それに、桐生さんは何でそんな恰好を——」
「———何言ってんだ?」
「え?」
掴みかかった両手を無理矢理離して、不機嫌そうな顔を浮かべる。
その人物は——
「”きりゅう”って・・・誰だ?」
私にそんな絶望の言葉を言ってくる。
「・・はい・・・?」
「いやだから・・俺はその”きりゅう”とかいう名前じゃない。斎藤一だ。ここは俺が所属している”新撰組”の屯所だ。」
(・・・新撰組・・?)
新撰組って確か・・昔組織で勉強の為に読んでいた本に書いてあったような・・・江戸幕府公認の京都にいる集団だって。
(・・・嘘・・。)
でも・・・この人は嘘を言っているような目をしていない。
ここはその”新撰組”の屯所って場所で・・この人は”新撰組”の斎藤一・・斎藤一の名前も書いてあったような・・・。
じゃあ・・・まさか・・・ここって・・・・。
(江戸時代末期———)
じゃあこの人が桐生さんそっくりなのも・・たまたま?桐生さんがコスプレしてるわけじゃなくて、桐生さんと同じ顔をした斎藤一という人物って事?
「屯所前の石段下で、アンタが倒れているのを見つけてな。・・見た事のない布だな、どこから来たんだ?南蛮か?亞国か?」
(ちょっと待って・・頭がついてかない・・え、私・・・江戸時代にきてるの?)
混乱していると引き戸の奥から足音が聞こえてくる。
大きな音を鳴らしながら、もう1人ガタイの大きい人物がやってきた。
「・・お?女は起きたんか斎藤。」
「あぁ永倉。起きたは起きたが・・・。」
「ん?・・何や俺の顔見よって。」
・・・そりゃ、見ますよ・・・だって・・だってその顔・・。
「冴島さん・・?!」
「あ?・・・誰や”さえじま”って。」
「・・どうやら俺達は、この女の知り合いに似ているようだな。」
「・・・どういう事や?」
2人は不思議そうな顔で私を見る。
駄目だ・・・この2人は桐生さんでも冴島さんでもない・・永倉って名前も本で読んだ事ある・・・。
じゃあここは本当に江戸時代なの?どうしてこんな事に?
(もぉ・・分からない・・・。)
あまりに突然の出来事で、私は足から崩れ落ちてしまう。
そんな私を見て2人は慌てて支えようとする。
「お、おい。どうした?」
「まだ寝とったほうがええんやないか?」
(その優しさ・・それも、あの2人と同じ・・・。)
何もかも一緒なのに、全くの別人。
奇想天外な出来事で混乱している私は、ある大事なことをすっかり忘れていた。
(あぁ・・私はここで死ぬのかな。)
嫌だ。そんなの嫌。助けて。誰か助けて。
「——!——、———。」
・・・・・?誰かの声が聞こえる・・・。
「——!?——・・・・。」
男の声・・・2人・・いや、3人・・・?
「——いのぉ・・ら・・・やで。」
「・・・ってる・・?」
「俺も・・・ろ?」
(誰・・・この声、どこかで・・・・。)
少しずつ意識が戻ってきた私は、重い瞼を開く。
感覚が戻ってきて、額には何か冷たいものが置かれている事に気付く。
(これ・・濡れタオル?タオルにしては薄いような・・。)
視界が広がり、ここがどこかの部屋なんだと分かった。
見慣れない天井。いい畳の香り。そして敷かれている布団は太陽の光を浴びた直後のような心地よい寝心地がする。
「・・・・・・・・・・。」
(ここどこ・・・?)
私、確か襲われて・・・そもそもこんな和室テイストな場所神室町にはないはず・・・。
・・・部屋の明かりに蝋燭使ってる・・。雰囲気は旅館に似てるけど・・違う、よね・・?
ゆっくり起き上がると、激しい倦怠感に襲われる。体も少し熱っぽい・・・あ、だから濡れタオル乗ってたのかな・・・。
(そういえば私、お腹刺されて・・・。)
でも・・痛みを感じない。
服の上から触ってみたけど、刺された後も破れた形跡もない。
(どういう事・・?)
あの時確かに刺された。痛みもあった。血も吐いてた。
なのに何ともない。何がどうなってるの?視界も妙に広いし。
(・・・え?”視界が広い”?)
どうしてそう思ったの?だって私の右目には眼帯が・・・。
恐る恐る右目部分に手を伸ばす——が、そこにあるはずの眼帯が無かった。
「?!」
嘘っ・・・何で?!疑う様に瞬きをすると、確かに右瞼が動く感覚がある。
ありえない。だって私の右目はあの時ボスに潰されたんだから。それがどうして見えてるの?これは夢?
そう思って頬っぺたを軽くつねると・・痛い。
「夢じゃ・・・ない・・?」
え・・何、何で・・・?
頭が混乱する・・どうして・・・・?
訳が分からない・・・!!
『ガラッ』
「ん?起きたのか?」
「・・・え?」
突然開かれた引き戸。引き戸を開けた人物は、灰色の着物と薄黒い袴を着ていて、目立つ浅葱色の羽織を身に纏っていた。
何より驚いたのは・・・・その顔。
「・・・桐生・・さん・・・・?」
その顔は——間違いなく桐生一馬だった。
渋い顔にいつも皺のよっている眉間。髪はいつもより全然長いけど間違いない・・・!
私は慌てて立ち上がって、フラフラの体でその人物の羽織に両手で掴みかかる。
「あのっここはどこなんですか?!何があったんです?!それに、桐生さんは何でそんな恰好を——」
「———何言ってんだ?」
「え?」
掴みかかった両手を無理矢理離して、不機嫌そうな顔を浮かべる。
その人物は——
「”きりゅう”って・・・誰だ?」
私にそんな絶望の言葉を言ってくる。
「・・はい・・・?」
「いやだから・・俺はその”きりゅう”とかいう名前じゃない。斎藤一だ。ここは俺が所属している”新撰組”の屯所だ。」
(・・・新撰組・・?)
新撰組って確か・・昔組織で勉強の為に読んでいた本に書いてあったような・・・江戸幕府公認の京都にいる集団だって。
(・・・嘘・・。)
でも・・・この人は嘘を言っているような目をしていない。
ここはその”新撰組”の屯所って場所で・・この人は”新撰組”の斎藤一・・斎藤一の名前も書いてあったような・・・。
じゃあ・・・まさか・・・ここって・・・・。
(江戸時代末期———)
じゃあこの人が桐生さんそっくりなのも・・たまたま?桐生さんがコスプレしてるわけじゃなくて、桐生さんと同じ顔をした斎藤一という人物って事?
「屯所前の石段下で、アンタが倒れているのを見つけてな。・・見た事のない布だな、どこから来たんだ?南蛮か?亞国か?」
(ちょっと待って・・頭がついてかない・・え、私・・・江戸時代にきてるの?)
混乱していると引き戸の奥から足音が聞こえてくる。
大きな音を鳴らしながら、もう1人ガタイの大きい人物がやってきた。
「・・お?女は起きたんか斎藤。」
「あぁ永倉。起きたは起きたが・・・。」
「ん?・・何や俺の顔見よって。」
・・・そりゃ、見ますよ・・・だって・・だってその顔・・。
「冴島さん・・?!」
「あ?・・・誰や”さえじま”って。」
「・・どうやら俺達は、この女の知り合いに似ているようだな。」
「・・・どういう事や?」
2人は不思議そうな顔で私を見る。
駄目だ・・・この2人は桐生さんでも冴島さんでもない・・永倉って名前も本で読んだ事ある・・・。
じゃあここは本当に江戸時代なの?どうしてこんな事に?
(もぉ・・分からない・・・。)
あまりに突然の出来事で、私は足から崩れ落ちてしまう。
そんな私を見て2人は慌てて支えようとする。
「お、おい。どうした?」
「まだ寝とったほうがええんやないか?」
(その優しさ・・それも、あの2人と同じ・・・。)
何もかも一緒なのに、全くの別人。
奇想天外な出来事で混乱している私は、ある大事なことをすっかり忘れていた。