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クリスマスの神室町は、いつものネオンがもっと煌びやかになっていた。
浮かれてる人々で街がごった返している。カップル、家族、仕事仲間、様々だ。
そんな中私は、劇場前広場で恋人を待つ。
彼は忙しい人だ。もしかしたら会えないかもしれないって言われている。
それでもいい、ただ待っていたいという私のわがままで、彼にメールを送っていた。
『劇場前広場で待ってるね。』
一度やってみたかった、恋人との待ち合わせ。
遅れてごめんと彼が謝って、怒るフリをしつつも笑顔でいいよっていうシチュエーションに憧れている。
今まで私は、恋人がいたことがない。
そんな私が、恋人・・しかも元極道の人と付き合っている。自分の会社を持ち、社長として日々仕事をしている。
そんな彼とデートできた日はほとんどない。仕事もあって、ヤクザ関係での急用もあって、会えるのも私の仕事帰りに時々迎えに来てくれて一緒に歩いて帰るくらい。
贅沢を言えないのは分かってる。でも今日くらい・・・今日くらいは、一緒にいたい。
「・・・寒い・・。」
メールを送って待ち続けること数時間。
いろんな店が閉め始める時間になった。人々の足並みも少なくなってきた。
周りから見たら変な女だろうなぁ・・・恋人もいなくて、ただ立ってるだけの女。
でも、この待ってる時間が幸せでもある。こんな体験、初めてなんだから。
「・・・ふぅ・・。」
でも、そろそろ限界・・・メールの返事もない。
・・・きっとまだ仕事なんだ。見てる余裕ないよね。
(・・会いたかったなぁ・・・。)
ちゃんと約束した訳でもないし・・帰ろう・・・後でわがまま言ってごめんなさいって連絡しなきゃ。
そう思い歩き始めたその時——
「・・・?!」
後ろから、勢いよく抱きしめられた。
抱きしめている腕が着ているのは蛇柄ジャケット。手には黒い革手袋をしている。
横をチラリと見ると、テクノカットの間から蛇模様の黒い眼帯が見える。
「・・・すまん・・遅くなったな・・・。」
・・・真島吾朗。私の、恋人。
来てくれた。本当に来てくれた。
「メール返す時間もなくて・・急いで来たんやが、まだ居てくれてよかったわ・・・えらい体冷えたやろ?大丈夫か?」
確かに寒かった。凍えるほど寒かった。
でも・・・。
「・・大丈夫・・・今、真島さんが暖めてくれてるから・・。」
恋人の到着と共に降り始めた雪。
このシチュエーションを望んでいた私にとって、これ以上ない感動だった。
「・・・この後どないする?店もう閉まっとるし・・。」
「あの・・神室町を歩きませんか?2人でゆっくり歩いたことないから、歩いてみたくて。」
「かまへんで。・・・寒いやろ?手、握ろうや。」
真島さんはそう言って、革手袋を外して手を差し出してくる。
握ったその手は、とても暖かい。凍えた指先が、あっという間に温もりを取り戻していく。
「・・あの、真島さんこれ・・プレゼント・・・。」
「おぉ、何やろ・・・マフラーか!ええチョイスしとるの!」
「だって、真島さん冬でもその格好なんでしょ?風邪ひいちゃうよ?」
「そんなヤワな男やないでワシは。・・せや、これ一緒に巻こうや。ちぃと長めやし、な?」
「うん!」
「っと・・その前に、ほれ。」
「えっ・・・あ、ありがとう・・!・・あ、手袋だ!可愛い!」
「そっちの手、とりあえず着けとき。こっちは・・ワシの手で充分やろ?」
「・・・うん!えへへっ・・。」
「素直なやっちゃのう。行くで、2人で神室町ツアーや!」
雪降る神室町を歩く私達。
笑い合いながら2人で歩く道は、ネオンの反射で雪道が輝いていた。
浮かれてる人々で街がごった返している。カップル、家族、仕事仲間、様々だ。
そんな中私は、劇場前広場で恋人を待つ。
彼は忙しい人だ。もしかしたら会えないかもしれないって言われている。
それでもいい、ただ待っていたいという私のわがままで、彼にメールを送っていた。
『劇場前広場で待ってるね。』
一度やってみたかった、恋人との待ち合わせ。
遅れてごめんと彼が謝って、怒るフリをしつつも笑顔でいいよっていうシチュエーションに憧れている。
今まで私は、恋人がいたことがない。
そんな私が、恋人・・しかも元極道の人と付き合っている。自分の会社を持ち、社長として日々仕事をしている。
そんな彼とデートできた日はほとんどない。仕事もあって、ヤクザ関係での急用もあって、会えるのも私の仕事帰りに時々迎えに来てくれて一緒に歩いて帰るくらい。
贅沢を言えないのは分かってる。でも今日くらい・・・今日くらいは、一緒にいたい。
「・・・寒い・・。」
メールを送って待ち続けること数時間。
いろんな店が閉め始める時間になった。人々の足並みも少なくなってきた。
周りから見たら変な女だろうなぁ・・・恋人もいなくて、ただ立ってるだけの女。
でも、この待ってる時間が幸せでもある。こんな体験、初めてなんだから。
「・・・ふぅ・・。」
でも、そろそろ限界・・・メールの返事もない。
・・・きっとまだ仕事なんだ。見てる余裕ないよね。
(・・会いたかったなぁ・・・。)
ちゃんと約束した訳でもないし・・帰ろう・・・後でわがまま言ってごめんなさいって連絡しなきゃ。
そう思い歩き始めたその時——
「・・・?!」
後ろから、勢いよく抱きしめられた。
抱きしめている腕が着ているのは蛇柄ジャケット。手には黒い革手袋をしている。
横をチラリと見ると、テクノカットの間から蛇模様の黒い眼帯が見える。
「・・・すまん・・遅くなったな・・・。」
・・・真島吾朗。私の、恋人。
来てくれた。本当に来てくれた。
「メール返す時間もなくて・・急いで来たんやが、まだ居てくれてよかったわ・・・えらい体冷えたやろ?大丈夫か?」
確かに寒かった。凍えるほど寒かった。
でも・・・。
「・・大丈夫・・・今、真島さんが暖めてくれてるから・・。」
恋人の到着と共に降り始めた雪。
このシチュエーションを望んでいた私にとって、これ以上ない感動だった。
「・・・この後どないする?店もう閉まっとるし・・。」
「あの・・神室町を歩きませんか?2人でゆっくり歩いたことないから、歩いてみたくて。」
「かまへんで。・・・寒いやろ?手、握ろうや。」
真島さんはそう言って、革手袋を外して手を差し出してくる。
握ったその手は、とても暖かい。凍えた指先が、あっという間に温もりを取り戻していく。
「・・あの、真島さんこれ・・プレゼント・・・。」
「おぉ、何やろ・・・マフラーか!ええチョイスしとるの!」
「だって、真島さん冬でもその格好なんでしょ?風邪ひいちゃうよ?」
「そんなヤワな男やないでワシは。・・せや、これ一緒に巻こうや。ちぃと長めやし、な?」
「うん!」
「っと・・その前に、ほれ。」
「えっ・・・あ、ありがとう・・!・・あ、手袋だ!可愛い!」
「そっちの手、とりあえず着けとき。こっちは・・ワシの手で充分やろ?」
「・・・うん!えへへっ・・。」
「素直なやっちゃのう。行くで、2人で神室町ツアーや!」
雪降る神室町を歩く私達。
笑い合いながら2人で歩く道は、ネオンの反射で雪道が輝いていた。