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神室町の花屋で働く私は、お店の中から外を眺めるのが好き。
どんな人が日々歩いていて、みんな何をしているのかなーって思いながらいつも見てる。仕事に行く人、遊んでいる人、ナンパしている人様々。
(・・あ・・・・。)
そんな中、1人気になる人がいる。
蛇柄ジャケットに黒革手袋を身につけたテクノカットヘア。神室町には確かにいろんな人がいるけど、その人は外見のせいで異様に強く印象に残ってる。
(どんな人なんだろうなぁ・・・。)
そんな興味が日々募っていった。
そんなある日の事、店長は夕方で帰ってクローズまで一人だった。
今日の売上は上々!彼女さんへのサプライズだったりお見舞い用だったり、私が作った花束を受け取った人はどんな顔するんだろ・・・って考えるのも好き。
みんな笑顔になるといいなぁ。
『カランカラン』
・・!お客さん来た!
よーし、今日最後のお客さんだ!気合い入れて頑張ろ!
「いらっしゃいませ!お待たせし——?!」
カウンターへ来ると目の前にいるのは--
「すまんの、もう店終わりやったか?」
(あ・・・あの人だ!)
まさかお店に来るとは思っていなかったから面食らってしまった。
横顔しか見た事無かったから、胸あたりまで刺青が入っているのを初めて知った。この人もしかして・・・ヤクザ、だったのかな・・・?
「・・ネェちゃん、ワシの顔になんかついとるか?」
「へ?!い、いいえ!すみません、まだお店大丈夫ですよ!」
やばっ・・・顔じっと見ちゃった・・・・。
でも・・・。
(・・・かっこいい・・。)
「あー・・ちぃと聞きたいことあるんや。その・・・気になる女にやろう思うとるんやけど、花なんかワシ全然やから何がええのか分からんくてのぉ。」
「プレゼント用ですね?分かりました、お伺いします!」
い、意外・・・!見た目のイメージそんな事しない気がする・・!
「ご予算はどれくらいですか?大きさとか・・どんな花をいれたいとか。」
「花束言うたらバラのイメージあるけどなぁ・・あ〜予算は別に気にせんでええ。大きさかぁ・・。」
整えられた髭に手を添えて考え込んでいる。
「おっ」と声を出し、お客さんは顔を私に急に近づけてくる。
な、なになに?!
「ネェちゃんはどないな感じが好きなんや?」
「えっ・・・。」
わ、私?
私の好みでいいの?
「えっと・・そうですね・・・私の好きな花はこれなんです。」
「何やこれ?白いちっこいのが仰山あるの。」
「はい、かすみ草っていいます。これをバラの周りにたくさん用意するんです。大きさは・・これくらいかな?」
「ほ〜。ほんならこれにするわ。」
「ありがとうございます!」
び・・・びっくりした。急に近づいてきたから・・ドキドキした・・・。
店の向こう側にいる人達は、仕事中の私にとってテレビの向こう側みたいな存在だったから・・そ、そんな中で一番気になる人が目の前にいるなんて・・ちょっと嬉しいなぁ。
「お待たせしました!こちらになります!」
「お、ええ感じやな。」
「ありがとうございます!・・私がこの花束好きなのは、見た目もですけど意味も好きなんです。」
「花束の意味?」
「一輪のバラは"あなたしかいない"。かすみ草は"幸福"。たった一人のあなたを幸せにしますって意味なんです。想いは、きっと伝わりますよ!頑張ってください!」
・・・って、私何言ってるの!!恥ずかしい・・・!た、確かにこんな花束貰うの夢だけど・・!
お客さんは受け取った花束を見つめ優しい笑顔になる。
「・・さよか。ホンマおおきにな。なんか上手くいきそうな気ぃするわ。」
「は・・はい!ありがとうございました!」
お店を出る背中を見つめ、私はクローズ看板を出してお店を閉める。
(どんな人に渡すんだろう・・・気になるなぁ・・・。)
閉め作業を終えて外に出てシャッターを閉める。
お腹減ったし何か食べて帰ろうかな---と思い振り返ると、見覚えのある花束を持つ人物がタバコを吸って立っている。
あれ・・・さっきの・・?
「お客さん?」
「お、ネェちゃん。仕事終わったんか?」
「はい。お客さんはこれから花束渡すんですか?」
「おう。ちょうどこれからや。」
「そうなんですね!待ち合わせですか?」
「勝手に待っとっただけや。」
「え?」
そう言うと——目の前にさっき私が作った花束を差し出してくる。
え・・・なんで、私に・・・・?
「ワシが気になっとる女は、ネェちゃんの事や。」
・・・え・・?
「こない汚れた街でええ顔しながら綺麗な花を仰山売っとるネェちゃんに、ワシは惚れてもうたんや。神室町の中で咲く力強い花・・ちゅうとこか?」
・・え、え・・・?わ、私が・・?
「・・なんや小恥ずかしいのぉ・・・ネェちゃん、この花束好きなんやろ?騙したみたいやけど・・ネェちゃんが好きなん贈りたくての。」
・・・・お客、さん・・。
私は花束を受け取って、笑顔で答える。
「・・凄い、嬉しいです・・!」
「ヒヒッ・・やっぱ、ええ顔やな。ワシ真島吾朗言うねん。名前なんて言うんや?」
「八神シエルと言います。」
「ええ名前や。・・この後飯でも行かんか?シエルちゃん。」
「はい・・!」
花束を贈られる相手が笑顔であってほしい。
まさかそれが自分になるなんて思いもしなかった。
私は真島さんからもらった花束を持ちながら、2人で並んで歩き出す。
この人を見ていた中ではなく、この人のいた外で一緒に。
どんな人が日々歩いていて、みんな何をしているのかなーって思いながらいつも見てる。仕事に行く人、遊んでいる人、ナンパしている人様々。
(・・あ・・・・。)
そんな中、1人気になる人がいる。
蛇柄ジャケットに黒革手袋を身につけたテクノカットヘア。神室町には確かにいろんな人がいるけど、その人は外見のせいで異様に強く印象に残ってる。
(どんな人なんだろうなぁ・・・。)
そんな興味が日々募っていった。
そんなある日の事、店長は夕方で帰ってクローズまで一人だった。
今日の売上は上々!彼女さんへのサプライズだったりお見舞い用だったり、私が作った花束を受け取った人はどんな顔するんだろ・・・って考えるのも好き。
みんな笑顔になるといいなぁ。
『カランカラン』
・・!お客さん来た!
よーし、今日最後のお客さんだ!気合い入れて頑張ろ!
「いらっしゃいませ!お待たせし——?!」
カウンターへ来ると目の前にいるのは--
「すまんの、もう店終わりやったか?」
(あ・・・あの人だ!)
まさかお店に来るとは思っていなかったから面食らってしまった。
横顔しか見た事無かったから、胸あたりまで刺青が入っているのを初めて知った。この人もしかして・・・ヤクザ、だったのかな・・・?
「・・ネェちゃん、ワシの顔になんかついとるか?」
「へ?!い、いいえ!すみません、まだお店大丈夫ですよ!」
やばっ・・・顔じっと見ちゃった・・・・。
でも・・・。
(・・・かっこいい・・。)
「あー・・ちぃと聞きたいことあるんや。その・・・気になる女にやろう思うとるんやけど、花なんかワシ全然やから何がええのか分からんくてのぉ。」
「プレゼント用ですね?分かりました、お伺いします!」
い、意外・・・!見た目のイメージそんな事しない気がする・・!
「ご予算はどれくらいですか?大きさとか・・どんな花をいれたいとか。」
「花束言うたらバラのイメージあるけどなぁ・・あ〜予算は別に気にせんでええ。大きさかぁ・・。」
整えられた髭に手を添えて考え込んでいる。
「おっ」と声を出し、お客さんは顔を私に急に近づけてくる。
な、なになに?!
「ネェちゃんはどないな感じが好きなんや?」
「えっ・・・。」
わ、私?
私の好みでいいの?
「えっと・・そうですね・・・私の好きな花はこれなんです。」
「何やこれ?白いちっこいのが仰山あるの。」
「はい、かすみ草っていいます。これをバラの周りにたくさん用意するんです。大きさは・・これくらいかな?」
「ほ〜。ほんならこれにするわ。」
「ありがとうございます!」
び・・・びっくりした。急に近づいてきたから・・ドキドキした・・・。
店の向こう側にいる人達は、仕事中の私にとってテレビの向こう側みたいな存在だったから・・そ、そんな中で一番気になる人が目の前にいるなんて・・ちょっと嬉しいなぁ。
「お待たせしました!こちらになります!」
「お、ええ感じやな。」
「ありがとうございます!・・私がこの花束好きなのは、見た目もですけど意味も好きなんです。」
「花束の意味?」
「一輪のバラは"あなたしかいない"。かすみ草は"幸福"。たった一人のあなたを幸せにしますって意味なんです。想いは、きっと伝わりますよ!頑張ってください!」
・・・って、私何言ってるの!!恥ずかしい・・・!た、確かにこんな花束貰うの夢だけど・・!
お客さんは受け取った花束を見つめ優しい笑顔になる。
「・・さよか。ホンマおおきにな。なんか上手くいきそうな気ぃするわ。」
「は・・はい!ありがとうございました!」
お店を出る背中を見つめ、私はクローズ看板を出してお店を閉める。
(どんな人に渡すんだろう・・・気になるなぁ・・・。)
閉め作業を終えて外に出てシャッターを閉める。
お腹減ったし何か食べて帰ろうかな---と思い振り返ると、見覚えのある花束を持つ人物がタバコを吸って立っている。
あれ・・・さっきの・・?
「お客さん?」
「お、ネェちゃん。仕事終わったんか?」
「はい。お客さんはこれから花束渡すんですか?」
「おう。ちょうどこれからや。」
「そうなんですね!待ち合わせですか?」
「勝手に待っとっただけや。」
「え?」
そう言うと——目の前にさっき私が作った花束を差し出してくる。
え・・・なんで、私に・・・・?
「ワシが気になっとる女は、ネェちゃんの事や。」
・・・え・・?
「こない汚れた街でええ顔しながら綺麗な花を仰山売っとるネェちゃんに、ワシは惚れてもうたんや。神室町の中で咲く力強い花・・ちゅうとこか?」
・・え、え・・・?わ、私が・・?
「・・なんや小恥ずかしいのぉ・・・ネェちゃん、この花束好きなんやろ?騙したみたいやけど・・ネェちゃんが好きなん贈りたくての。」
・・・・お客、さん・・。
私は花束を受け取って、笑顔で答える。
「・・凄い、嬉しいです・・!」
「ヒヒッ・・やっぱ、ええ顔やな。ワシ真島吾朗言うねん。名前なんて言うんや?」
「八神シエルと言います。」
「ええ名前や。・・この後飯でも行かんか?シエルちゃん。」
「はい・・!」
花束を贈られる相手が笑顔であってほしい。
まさかそれが自分になるなんて思いもしなかった。
私は真島さんからもらった花束を持ちながら、2人で並んで歩き出す。
この人を見ていた中ではなく、この人のいた外で一緒に。