After Episode
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「んじゃワシはちぃと出てくるで。終わったら事務所戻ってくるから、ここで待っとれ。」
「うん、分かった。気をつけてね?」
「おう。」
吾朗さんは私の頬に優しくキスをして、いつもの蛇柄ジャケットじゃなくてスーツ姿で外へ出て行った。なんだか商談の話があるんだとか・・・西田さんが一緒に行くみたいだけど、吾朗さん商談とかできるのかな・・?
「姐さん!そろそろ俺ら始めますね!」
「あ、うん!お願いします!」
真島建設も順調だ。知識がない中よくここまで進んでるなぁ・・・ここの人達、本当に何者なんだろ。
この窓からみんなの頑張っている姿を見ると、ますますやる気が出る・・!よし、私も書類頑張ろ!
そう思いパソコンに向かうと、真島組の1人が部屋に入ってきた。
「姐さん、冴島の叔父貴がお見えです!」
「え?」
冴島の叔父貴・・って、この間本部で会ったあの人だよね?
「入ってもらってください!お茶は私が用意します!」
「へい!叔父貴、こちらへ!」
入ってきたのは、コートに身を包んだ大男。吾朗さんとはまるで対照的な人だった。前に出会った時はスーツだったから一瞬分からなかったけど、あの人だ!
「邪魔するで。・・兄弟はおらんのか?」
「今仕事で出てるんです。えっと・・お正月以来ですね。」
「せやな。あん時は桐生が面倒かけたの。」
「いいえ、こっちも勘違いしてたし・・・あ、今お茶出しますね!」
そう告げ茶葉を急須に入れると、いつの間にか隣に冴島さんがやってきた。茶葉を入れた急須を手に取り、沸かしてあるお湯を入れてくれる。
「まだ目が不憫やろ。俺がやるからあんたは座って待っとき。」
「え・・でもそんな・・・。」
「火傷でもさせたら兄弟に殺されてまうわ。ええから座っとれ。」
う・・・それは確かに・・・。
「分かりました・・すみません。」
せめてと思ってお茶菓子だけ手に持って席に座る。
冴島さんって・・見た目以上に優しい人なのかも。
「ほれ。」
「すみません、ありがとうございます。」
冴島さんは正面に座り、お茶をゆっくり飲み始める。
・・・・・。・・・・。・・・・・・・。
どうしよう・・何を話せばいいのかな・・・・話してみたいって思ってたけど、いきなりだとどうすれば・・。
「・・あんた、確かシエル言うたな。」
「へ?あ、はい!そうです!」
「あの兄弟の女やからな。名前覚えとかんと殴り殺されてまうわ。」
名前覚えないだけで?!
「そ、そうなりますかね?」
「なる。絶対。」
え〜・・・なるんだ・・・。
「あの、何か吾朗さんと約束してましたか?暫く戻って来ないと思うんですが・・。」
「かまへん。今日はアンタに話があるんや。」
「私・・?」
冴島さんはお茶を置き、両手を膝につけて頭を下げてくる。
え・・・何で・・?!
「さ、冴島さん?!」
「———おおきにや。」
「え?」
「兄弟の事を好いてくれて・・ありがとな。」
・・え・・・・?
「アイツは誰かに素を見せる事なかったんや。誰にも本音を見せず、一人で生きてきとった。俺がおらん間も・・そうだったはずや。」
・・・その話は少しだけ聞いた事がある。冴島さんが25年間刑務所にいた事。でもそれは長い濡れ衣だった。18人殺しと言われた彼は、誰一人殺していない。
『あいつが一人でぶち込まれたんは・・俺のせいなんや。』
吾朗さんが・・そう悲しそうに言っていた。
「そんなアイツが、今はアンタと一緒に暮らしとる聞いて驚いたわ。・・それと同時に安心した。アイツは俺以外にも本音を言える相手がおるってわかって・・俺からしたら、感謝しかあらへんわ。」
「・・冴島さん・・・。」
「・・・おおきにな。これからも、一緒にいてやってくれ。」
「・・もちろんです・・!」
「兄弟には・・。」
「分かってます。秘密、ですよね?」
「フッ・・話の早い女や。」
「シエル〜、帰ったで〜・・・って、兄弟やんか。どないした?」
「シエルと話したい思うてな。」
「・・・手ぇ出してへんやろな。」
「んなアホな事するか。」
「おかえりなさい、吾朗さん。冴島さんと話してて焼肉行こうかってなったんだけど・・。」
「おぅええで、行こうや!」
そこから私達は焼肉『韓来』に向かって一緒に夕飯を食べた。
お正月と同じで、冴島さんはホルモンしか食べなかった・・・ホルモン、お好きなんですね。
「たまには違うのも食えや兄弟。」
「俺にはこれだけで充分や。」
2人のやりとりを見てると、その姿はまるで本当の『兄弟』みたいだった。
(・・なんか、いいな。)
そんな事を思いながら2人を見ていると、吾朗さんが私の視線に気づいてこっちを見る。
「なんやシエル、ワシの顔に米粒でもついとるか?」
「ううん、何でもない!」
「ほぉ〜・・んで、兄弟となんの話してたんや?」
「内緒!ね、冴島さん!」
「フッ。分かっとるやないかシエル。」
「何やねん2人して・・。」
「うん、分かった。気をつけてね?」
「おう。」
吾朗さんは私の頬に優しくキスをして、いつもの蛇柄ジャケットじゃなくてスーツ姿で外へ出て行った。なんだか商談の話があるんだとか・・・西田さんが一緒に行くみたいだけど、吾朗さん商談とかできるのかな・・?
「姐さん!そろそろ俺ら始めますね!」
「あ、うん!お願いします!」
真島建設も順調だ。知識がない中よくここまで進んでるなぁ・・・ここの人達、本当に何者なんだろ。
この窓からみんなの頑張っている姿を見ると、ますますやる気が出る・・!よし、私も書類頑張ろ!
そう思いパソコンに向かうと、真島組の1人が部屋に入ってきた。
「姐さん、冴島の叔父貴がお見えです!」
「え?」
冴島の叔父貴・・って、この間本部で会ったあの人だよね?
「入ってもらってください!お茶は私が用意します!」
「へい!叔父貴、こちらへ!」
入ってきたのは、コートに身を包んだ大男。吾朗さんとはまるで対照的な人だった。前に出会った時はスーツだったから一瞬分からなかったけど、あの人だ!
「邪魔するで。・・兄弟はおらんのか?」
「今仕事で出てるんです。えっと・・お正月以来ですね。」
「せやな。あん時は桐生が面倒かけたの。」
「いいえ、こっちも勘違いしてたし・・・あ、今お茶出しますね!」
そう告げ茶葉を急須に入れると、いつの間にか隣に冴島さんがやってきた。茶葉を入れた急須を手に取り、沸かしてあるお湯を入れてくれる。
「まだ目が不憫やろ。俺がやるからあんたは座って待っとき。」
「え・・でもそんな・・・。」
「火傷でもさせたら兄弟に殺されてまうわ。ええから座っとれ。」
う・・・それは確かに・・・。
「分かりました・・すみません。」
せめてと思ってお茶菓子だけ手に持って席に座る。
冴島さんって・・見た目以上に優しい人なのかも。
「ほれ。」
「すみません、ありがとうございます。」
冴島さんは正面に座り、お茶をゆっくり飲み始める。
・・・・・。・・・・。・・・・・・・。
どうしよう・・何を話せばいいのかな・・・・話してみたいって思ってたけど、いきなりだとどうすれば・・。
「・・あんた、確かシエル言うたな。」
「へ?あ、はい!そうです!」
「あの兄弟の女やからな。名前覚えとかんと殴り殺されてまうわ。」
名前覚えないだけで?!
「そ、そうなりますかね?」
「なる。絶対。」
え〜・・・なるんだ・・・。
「あの、何か吾朗さんと約束してましたか?暫く戻って来ないと思うんですが・・。」
「かまへん。今日はアンタに話があるんや。」
「私・・?」
冴島さんはお茶を置き、両手を膝につけて頭を下げてくる。
え・・・何で・・?!
「さ、冴島さん?!」
「———おおきにや。」
「え?」
「兄弟の事を好いてくれて・・ありがとな。」
・・え・・・・?
「アイツは誰かに素を見せる事なかったんや。誰にも本音を見せず、一人で生きてきとった。俺がおらん間も・・そうだったはずや。」
・・・その話は少しだけ聞いた事がある。冴島さんが25年間刑務所にいた事。でもそれは長い濡れ衣だった。18人殺しと言われた彼は、誰一人殺していない。
『あいつが一人でぶち込まれたんは・・俺のせいなんや。』
吾朗さんが・・そう悲しそうに言っていた。
「そんなアイツが、今はアンタと一緒に暮らしとる聞いて驚いたわ。・・それと同時に安心した。アイツは俺以外にも本音を言える相手がおるってわかって・・俺からしたら、感謝しかあらへんわ。」
「・・冴島さん・・・。」
「・・・おおきにな。これからも、一緒にいてやってくれ。」
「・・もちろんです・・!」
「兄弟には・・。」
「分かってます。秘密、ですよね?」
「フッ・・話の早い女や。」
「シエル〜、帰ったで〜・・・って、兄弟やんか。どないした?」
「シエルと話したい思うてな。」
「・・・手ぇ出してへんやろな。」
「んなアホな事するか。」
「おかえりなさい、吾朗さん。冴島さんと話してて焼肉行こうかってなったんだけど・・。」
「おぅええで、行こうや!」
そこから私達は焼肉『韓来』に向かって一緒に夕飯を食べた。
お正月と同じで、冴島さんはホルモンしか食べなかった・・・ホルモン、お好きなんですね。
「たまには違うのも食えや兄弟。」
「俺にはこれだけで充分や。」
2人のやりとりを見てると、その姿はまるで本当の『兄弟』みたいだった。
(・・なんか、いいな。)
そんな事を思いながら2人を見ていると、吾朗さんが私の視線に気づいてこっちを見る。
「なんやシエル、ワシの顔に米粒でもついとるか?」
「ううん、何でもない!」
「ほぉ〜・・んで、兄弟となんの話してたんや?」
「内緒!ね、冴島さん!」
「フッ。分かっとるやないかシエル。」
「何やねん2人して・・。」