After Episode
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仕事が休みの日、私は吾朗さんに外を連れられとあるビルの地下に入っていく。
そこにいたのは、甚平服をきている老人だった。
「あの、吾朗さん・・この人は・・・?」
「彫り師や。桐生ちゃんが教えてくれたんや。」
「アンタが真島だな?・・んで、何の刺青彫るんだ?」
「この子の肩に何か彫ってやってくれ。」
え?・・・吾朗さんが彫るんじゃないの?
それに・・・。
「私の肩?」
「・・・右肩、見たないやろ?」
「!」
そう指摘された右肩には、当時吾朗さんを殺さなかったとしてボスから付けられた火傷の痕。
まさか吾朗さん・・・肩の傷気にして・・?
「これは・・・私の罰なの。このままにしないと・・。」
「何でや。もうボスも組織もおらんやろ。」
「そうじゃない!私は・・吾朗さんへの罪を忘れちゃいけないの。こうして一緒に居れるのは、本当に私にとって奇跡なの。私がした事は、償っても償いきれない・・まだ何もできてない・・・忘れちゃいけないの・・。」
そう。私にとって吾朗さんと暮らしてからの日々は本当に奇跡の連続。
殺し屋だった私にとって・・吾朗さんを殺そうとしていた私にとって、こんな事は本当にあり得ない。
前にここにいちゃいけないなんて、考えないでくれって言ってくれたけど・・やっぱり私は・・・。
「このド阿呆!!まだそないな事考えとるんか?!」
「?!」
吾朗・・・さん?
私に叫ぶ吾朗さんの顔は、怒りと悲しみが混ざった顔だった。
「お前は・・そないな気持ちでまだ俺とおるんか?俺が好きで一緒におるんやないんか?」
「違っ・・!それは本当だよ!吾朗さんが好きだから・・・好き、だけど・・・でもっ・・!」
「俺への罪滅ぼしなんて考えるんやない。そんなんされても俺は全然嬉しゅうないで・・!そないな気持ちでいるシエルを見るのは、もう嫌なんや!!・・・もう自分を責めんでくれ・・もう・・自分を許したれよ。頼むから・・。」
「・・・吾朗、さん・・。」
自分を許す・・・。
許しちゃダメなの・・私は、罪人なんだから・・。
私達の様子を見ていた歌彫さんは、吸っていた煙草の火を消して私を見る。
「・・・・なぁ嬢さん。まだ刺青決めてなかったな。」
「え?・・・えっと・・。」
「サービスしてやる。その代わり、俺が刺青を決める。真島もいいな?」
「・・おう。それで頼む。」
「よし。ここでうつ伏せになれ。」
「は・・・はい・・。」
数時間後———
「よし、これでいいだろ。傷痕も上手く隠せられたな。」
出来上がった刺青を鏡を借りて見る。
歪な傷痕はなく、鮮やかな刺青が彫られていた。
凄い・・・綺麗・・・・。
「おおきにな。・・・なんやこの刺青。クローバーと月?」
「刺青には意味がある。これはさっきのアンタらを見て決めたんだ。」
クローバーと月?さっきの私達?
「"幸運"と"希望"・・アンタにとってコイツと一緒にいるのが奇跡なら、これからのアンタにとっての幸運を月の光で照らしてくれるのはコイツだ。真っ暗だった道を照らした男と一緒にいるのは、アンタにとっての幸せだ。」
「・・!」
「・・・ずっと照らしてもらえ。アンタが生きるべき道をな。」
「・・っ・・・うっ・・ぐすっ・・!」
私の道を照らしてくれる吾朗さん。
・・・本当にそうだね。そうだったね・・。
「・・いい、んでしょうか・・・私、もう・・もう、いいんでしょうか・・?」
「本人がいいって言ってるんだ。惚れてる男の言う事、信じてやったらどうだ?」
静かな笑顔で諭してくれる歌彫さん。
泣き顔で振り返ると、吾朗さんは優しい笑顔で私の頭を撫でてくれる。
「・・俺が気にしとるように見えたんか?俺はホンマにシエルが好きやから一緒におるんや。どうしても知りたいんやったら教えたる。・・・シエルを恨んだことなんて、一度もないで。」
「——!吾朗さん・・っ・・・!」
本当にいいの・・・?
好きの気持ちだけで、これからも一緒にいていいの・・?
私の道を照らしてくれた愛しい人が、私に手を差し伸べる。私はその手に泣きながら添えて握りしめる。
いいんだ・・・本当にいいんだ・・・。
「・・・ほれ、帰るで。俺らの家に。」
「ぐすっ・・うんっ・・・!」
「世話んなったな。」
「おう。桐生によろしくな。」
「・・・今夜はえらい激しかったのぉ。シエル。」
「・・うん・・・。」
「・・そない嬉しかったんか・・・?」
「・・・うん・・。」
「ヒヒ・・・素直やのぉ・・。」
「・・吾朗さん・・・。」
「ん・・?」
「・・・ありがとう・・大好き・・・。」
「・・俺もや・・シエル・・・。」
ベッドの上で抱きしめ合う私達は、窓からの月の光に照らされる。
そこにいたのは、甚平服をきている老人だった。
「あの、吾朗さん・・この人は・・・?」
「彫り師や。桐生ちゃんが教えてくれたんや。」
「アンタが真島だな?・・んで、何の刺青彫るんだ?」
「この子の肩に何か彫ってやってくれ。」
え?・・・吾朗さんが彫るんじゃないの?
それに・・・。
「私の肩?」
「・・・右肩、見たないやろ?」
「!」
そう指摘された右肩には、当時吾朗さんを殺さなかったとしてボスから付けられた火傷の痕。
まさか吾朗さん・・・肩の傷気にして・・?
「これは・・・私の罰なの。このままにしないと・・。」
「何でや。もうボスも組織もおらんやろ。」
「そうじゃない!私は・・吾朗さんへの罪を忘れちゃいけないの。こうして一緒に居れるのは、本当に私にとって奇跡なの。私がした事は、償っても償いきれない・・まだ何もできてない・・・忘れちゃいけないの・・。」
そう。私にとって吾朗さんと暮らしてからの日々は本当に奇跡の連続。
殺し屋だった私にとって・・吾朗さんを殺そうとしていた私にとって、こんな事は本当にあり得ない。
前にここにいちゃいけないなんて、考えないでくれって言ってくれたけど・・やっぱり私は・・・。
「このド阿呆!!まだそないな事考えとるんか?!」
「?!」
吾朗・・・さん?
私に叫ぶ吾朗さんの顔は、怒りと悲しみが混ざった顔だった。
「お前は・・そないな気持ちでまだ俺とおるんか?俺が好きで一緒におるんやないんか?」
「違っ・・!それは本当だよ!吾朗さんが好きだから・・・好き、だけど・・・でもっ・・!」
「俺への罪滅ぼしなんて考えるんやない。そんなんされても俺は全然嬉しゅうないで・・!そないな気持ちでいるシエルを見るのは、もう嫌なんや!!・・・もう自分を責めんでくれ・・もう・・自分を許したれよ。頼むから・・。」
「・・・吾朗、さん・・。」
自分を許す・・・。
許しちゃダメなの・・私は、罪人なんだから・・。
私達の様子を見ていた歌彫さんは、吸っていた煙草の火を消して私を見る。
「・・・・なぁ嬢さん。まだ刺青決めてなかったな。」
「え?・・・えっと・・。」
「サービスしてやる。その代わり、俺が刺青を決める。真島もいいな?」
「・・おう。それで頼む。」
「よし。ここでうつ伏せになれ。」
「は・・・はい・・。」
数時間後———
「よし、これでいいだろ。傷痕も上手く隠せられたな。」
出来上がった刺青を鏡を借りて見る。
歪な傷痕はなく、鮮やかな刺青が彫られていた。
凄い・・・綺麗・・・・。
「おおきにな。・・・なんやこの刺青。クローバーと月?」
「刺青には意味がある。これはさっきのアンタらを見て決めたんだ。」
クローバーと月?さっきの私達?
「"幸運"と"希望"・・アンタにとってコイツと一緒にいるのが奇跡なら、これからのアンタにとっての幸運を月の光で照らしてくれるのはコイツだ。真っ暗だった道を照らした男と一緒にいるのは、アンタにとっての幸せだ。」
「・・!」
「・・・ずっと照らしてもらえ。アンタが生きるべき道をな。」
「・・っ・・・うっ・・ぐすっ・・!」
私の道を照らしてくれる吾朗さん。
・・・本当にそうだね。そうだったね・・。
「・・いい、んでしょうか・・・私、もう・・もう、いいんでしょうか・・?」
「本人がいいって言ってるんだ。惚れてる男の言う事、信じてやったらどうだ?」
静かな笑顔で諭してくれる歌彫さん。
泣き顔で振り返ると、吾朗さんは優しい笑顔で私の頭を撫でてくれる。
「・・俺が気にしとるように見えたんか?俺はホンマにシエルが好きやから一緒におるんや。どうしても知りたいんやったら教えたる。・・・シエルを恨んだことなんて、一度もないで。」
「——!吾朗さん・・っ・・・!」
本当にいいの・・・?
好きの気持ちだけで、これからも一緒にいていいの・・?
私の道を照らしてくれた愛しい人が、私に手を差し伸べる。私はその手に泣きながら添えて握りしめる。
いいんだ・・・本当にいいんだ・・・。
「・・・ほれ、帰るで。俺らの家に。」
「ぐすっ・・うんっ・・・!」
「世話んなったな。」
「おう。桐生によろしくな。」
「・・・今夜はえらい激しかったのぉ。シエル。」
「・・うん・・・。」
「・・そない嬉しかったんか・・・?」
「・・・うん・・。」
「ヒヒ・・・素直やのぉ・・。」
「・・吾朗さん・・・。」
「ん・・?」
「・・・ありがとう・・大好き・・・。」
「・・俺もや・・シエル・・・。」
ベッドの上で抱きしめ合う私達は、窓からの月の光に照らされる。