外伝ー隻眼物語ー
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「一ちゃん、頼みがあるんやが。」
「ん?どうした沖田?」
「シエルちゃんの事や。・・・寺田屋のおりょうちゃんおるやろ?あの子に合わせてやってほしんや。」
「それはいいが・・・この前事情も話してあるしな。自分で行かないのか?」
「できるだけ自然とがええんや。・・あ!ワシが言うたんは秘密やで!」
「だから自分で言えばいいだろう?」
「・・うっうっさいわ!惚れた女の為や!協力せぇ!」
「ったく・・・分かったよ。」
ちっ・・・一ちゃんにしか頼めんが大丈夫かのぉ・・。
ホンマはワシも一緒におりたいが、今日は夜勤やし・・・あんまし手を貸すと遠慮がちになってまうし・・・。
「総司。」
「あ?・・・歳ちゃんやないか。どないした?」
「今日の夜空いているか?」
・・・・?
「いや、夜勤やけど。」
「他の者に任せる。この後椿楼に来い。」
「・・・何や珍しいの。」
「たまにはな。遅れるなよ。」
それだけ言うと歳ちゃんは自室へ戻って行きおった。
・・・もしかして説教とか言わんよな。ま、夜勤が無くなって良かったがの。
椿楼———
店に着くと、歳ちゃんは普段用の着物姿で先に飲んどった。
・・・歳ちゃんの隊服以外の格好見るの、えらい久しぶりな気がするな。
いつやったかのぉ・・・。
『鴨さんっ!』
『やめるんだ!五郎!!』
(・・・せや、あの雨の日や。)
ワシが沖田総司を殺した日。——ワシがまだ平山五郎やった日。
沖田総司達を殺して第二の人生が始まったあの夜、勇ちゃん達と今後の事を話す為に飲んだ夜以来や。
あの時の酒が不味かったんが・・・よう覚えとる。
「お前と飲むもの久しぶりだな。」
「せやな。んで、どないしたんや?説教やったら帰るで?」
「ふっ・・・思ったより元気そうだな。」
「あ?」
「お前の事だから、もう少し沈んでるもんだと思っていたがな。」
沈んでるって・・・。
・・・もしかして歳ちゃん・・。
(源さんの事気にして・・・?)
「・・・ヒヒ、似合わん事するのぉ。」
「なら帰るか?」
「いや飲むで。折角の酒や。」
「・・・では、献杯。」
「献杯。」
それから静かに酒を飲み始めた。
・・・にしても歳ちゃん、そない早く飲む方だったかのぉ。一年以上飲んどらんかったから飲み方も変わるやろうけど・・。
「総司。」
「何や歳ちゃん。」
「・・・シエルはどうしている。」
「シエルちゃんなら今日は一ちゃんと飲んどるで。」
「斎藤君と?・・・ほぅ・・。」
・・・何か飲む早さが上がった気ぃする。
「彼女がいるから、お前はそうして元気でいられるんだろうな。」
「まぁ否定はせぇへんけど・・・どないしたんや歳ちゃん。何か変やで?」
「・・・。」
もしかして飲みすぎて酔っ払ったんか?
せやけど歳ちゃんは酒強いはずやったけどなぁ。何酔っ払っとるねん。目も泳いどるし・・・大丈夫かいな?
「歳ちゃん?」
「・・・彼女を幸せにしろよ。」
「はぁ?な、何や急に。」
「お前にしかできないんだ。彼女が好いているのはお前なんだからな。・・・源さんの遺体の前で泣いていた時、私は何もできなかった。彼女がお前を好きだから・・・私は・・・・。」
源さんの遺体の前で泣いていた時?
私は何もできなかった?
お前を好きだからって・・・。
「歳ちゃん、その言い方もしかして・・・。」
「・・・・。」
「・・・?おい、何目瞑っとるねん。」
「・・・・・・・・・・・。」
・・・ま、まさか・・・。
歳ちゃんの肩を軽く揺らす——が、反応がない。
こ・・・こいつ、目瞑ったまま座って寝とる?!え、酔い過ぎたんか?!てか座ったまま寝るなんてどんだけ器用やねん!
「・・・ホンマ、似合わん事するなぁ。」
ワシは店の奴に布団を用意してもろうて、歳ちゃんを寝かせた。
歳ちゃんの寝顔みるん初めてやな。
「・・嫉妬やなんて、案外可愛ええところあるやんか・・・歳ちゃん。・・・ごっそさん。酒美味かったで。」
翌日早朝。寺田屋にシエルちゃんを迎えに向かう。
宿に着くと、もう外にはシエルちゃんが一ちゃんと待っとった。ワシに気付いたシエルちゃんは笑顔で近づいてくる。
「おはようございます、沖田さん。」
「おはようさん。楽しかったか?」
「はい!・・・あ、沖田さん。耳貸してください。」
「あ?おぉ・・こうか?」
シエルちゃんの背丈に合わせて縮むと、耳元に近付いてくる。
僅かに吐息が耳にかかり、胸が躍る。
・・・何や、興奮してまうの。一晩会ってないだけでこない些細な事で・・・。
「ありがとうございました。」
「・・・あ?」
「・・惚れた女の為、何ですよね?」
「・・・・・・!」
・・・・は・・・・一ちゃん・・・!!!!
「一ちゃん言うたな!」
「ちょっ!!お、おいシエル!!言うなよって言ったろ!!」
「ぷっ・・あははっ!」
「ん?どうした沖田?」
「シエルちゃんの事や。・・・寺田屋のおりょうちゃんおるやろ?あの子に合わせてやってほしんや。」
「それはいいが・・・この前事情も話してあるしな。自分で行かないのか?」
「できるだけ自然とがええんや。・・あ!ワシが言うたんは秘密やで!」
「だから自分で言えばいいだろう?」
「・・うっうっさいわ!惚れた女の為や!協力せぇ!」
「ったく・・・分かったよ。」
ちっ・・・一ちゃんにしか頼めんが大丈夫かのぉ・・。
ホンマはワシも一緒におりたいが、今日は夜勤やし・・・あんまし手を貸すと遠慮がちになってまうし・・・。
「総司。」
「あ?・・・歳ちゃんやないか。どないした?」
「今日の夜空いているか?」
・・・・?
「いや、夜勤やけど。」
「他の者に任せる。この後椿楼に来い。」
「・・・何や珍しいの。」
「たまにはな。遅れるなよ。」
それだけ言うと歳ちゃんは自室へ戻って行きおった。
・・・もしかして説教とか言わんよな。ま、夜勤が無くなって良かったがの。
椿楼———
店に着くと、歳ちゃんは普段用の着物姿で先に飲んどった。
・・・歳ちゃんの隊服以外の格好見るの、えらい久しぶりな気がするな。
いつやったかのぉ・・・。
『鴨さんっ!』
『やめるんだ!五郎!!』
(・・・せや、あの雨の日や。)
ワシが沖田総司を殺した日。——ワシがまだ平山五郎やった日。
沖田総司達を殺して第二の人生が始まったあの夜、勇ちゃん達と今後の事を話す為に飲んだ夜以来や。
あの時の酒が不味かったんが・・・よう覚えとる。
「お前と飲むもの久しぶりだな。」
「せやな。んで、どないしたんや?説教やったら帰るで?」
「ふっ・・・思ったより元気そうだな。」
「あ?」
「お前の事だから、もう少し沈んでるもんだと思っていたがな。」
沈んでるって・・・。
・・・もしかして歳ちゃん・・。
(源さんの事気にして・・・?)
「・・・ヒヒ、似合わん事するのぉ。」
「なら帰るか?」
「いや飲むで。折角の酒や。」
「・・・では、献杯。」
「献杯。」
それから静かに酒を飲み始めた。
・・・にしても歳ちゃん、そない早く飲む方だったかのぉ。一年以上飲んどらんかったから飲み方も変わるやろうけど・・。
「総司。」
「何や歳ちゃん。」
「・・・シエルはどうしている。」
「シエルちゃんなら今日は一ちゃんと飲んどるで。」
「斎藤君と?・・・ほぅ・・。」
・・・何か飲む早さが上がった気ぃする。
「彼女がいるから、お前はそうして元気でいられるんだろうな。」
「まぁ否定はせぇへんけど・・・どないしたんや歳ちゃん。何か変やで?」
「・・・。」
もしかして飲みすぎて酔っ払ったんか?
せやけど歳ちゃんは酒強いはずやったけどなぁ。何酔っ払っとるねん。目も泳いどるし・・・大丈夫かいな?
「歳ちゃん?」
「・・・彼女を幸せにしろよ。」
「はぁ?な、何や急に。」
「お前にしかできないんだ。彼女が好いているのはお前なんだからな。・・・源さんの遺体の前で泣いていた時、私は何もできなかった。彼女がお前を好きだから・・・私は・・・・。」
源さんの遺体の前で泣いていた時?
私は何もできなかった?
お前を好きだからって・・・。
「歳ちゃん、その言い方もしかして・・・。」
「・・・・。」
「・・・?おい、何目瞑っとるねん。」
「・・・・・・・・・・・。」
・・・ま、まさか・・・。
歳ちゃんの肩を軽く揺らす——が、反応がない。
こ・・・こいつ、目瞑ったまま座って寝とる?!え、酔い過ぎたんか?!てか座ったまま寝るなんてどんだけ器用やねん!
「・・・ホンマ、似合わん事するなぁ。」
ワシは店の奴に布団を用意してもろうて、歳ちゃんを寝かせた。
歳ちゃんの寝顔みるん初めてやな。
「・・嫉妬やなんて、案外可愛ええところあるやんか・・・歳ちゃん。・・・ごっそさん。酒美味かったで。」
翌日早朝。寺田屋にシエルちゃんを迎えに向かう。
宿に着くと、もう外にはシエルちゃんが一ちゃんと待っとった。ワシに気付いたシエルちゃんは笑顔で近づいてくる。
「おはようございます、沖田さん。」
「おはようさん。楽しかったか?」
「はい!・・・あ、沖田さん。耳貸してください。」
「あ?おぉ・・こうか?」
シエルちゃんの背丈に合わせて縮むと、耳元に近付いてくる。
僅かに吐息が耳にかかり、胸が躍る。
・・・何や、興奮してまうの。一晩会ってないだけでこない些細な事で・・・。
「ありがとうございました。」
「・・・あ?」
「・・惚れた女の為、何ですよね?」
「・・・・・・!」
・・・・は・・・・一ちゃん・・・!!!!
「一ちゃん言うたな!」
「ちょっ!!お、おいシエル!!言うなよって言ったろ!!」
「ぷっ・・あははっ!」