第四部 私と俺とあの人の未来
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「シエル~!歳ちゃんと新八ちゃんが来たで!」
「あ、はーい!えっとお茶・・・。」
「あぁワシがやるから座っとき!」
「すまない、邪魔するぞシエル。」
「何や総司、お前茶入れられるんか?」
「そんくらいできるわ!ど阿保!」
総司さん達が帰ってきたあの日から半年以上がたった。
お腹がだんだん大きくなって、動くのも辛くなってきた私は寺田屋での仕事を辞めた。少し寂しいけど、お登勢さんも体が一番大事やって言ってくれた。
新撰組のみんなは、それぞれ新しい生活を始めている。
「指導の方はどうですか?」
「ガキ共は覚えが早くて助かるわ。教えがいがあるで。・・・土方はんは未だに慣れんようやがな。」
「・・・子供は苦手だ。」
「ぷっあはは!やっぱり!」
土方さんと永倉さんは、旧屯所で子供達の道場を営んでいる。元々子供達と交友のあった永倉さんのおかげで、繁盛しているみたい。
・・・土方さんは想像通り苦戦してる。目に浮かぶなぁ。
「もうすぐ産まれるんやろ?体はどないや?」
「毎日お腹蹴られて大変ですよ~。それがまた可愛らしくていいんですけどね。」
「お~新八ちゃん!ちぃと手伝ってくれ!」
「・・・客に茶の手伝い頼むってどないやねん。」
・・・とか言いつつ、いつも永倉さんは手伝ってくれるんだよね。かつて新撰組の隊長だった二人でお茶を入れるなんて何か面白い。
そんな二人を見ていると、土方さんが何かが入った風呂敷を渡してくれた。
「子供用の着物だ。使ってくれ。」
「土方さん・・この前だって色々頂いたのに、これ以上は・・。」
「我々が土佐にいる間、君は屯所を守ってくれていた。それに比べれば大したことではない・・むしろ足りないくらいだ。」
「そんな、もう充分で——」
「シエル。」
「・・・すみません、いただきます。」
こうして土方さんは、子供用関連だったり生活に必要なものを度々渡してくれる。屯所の土地代を払っていたのは私の勝手だったのに・・・何か、申し訳ない。
「・・・もう一年以上前か。君が新撰組に入隊したあの日から。初めて会ったのは、総司の個室だったな。」
「懐かしいですね。不逞浪士に襲われたのを助けてもらって・・・あの時は、吾朗を演じるのは緊張しましたよ。」
「ふっ。・・・君の小太刀は、今でも飾らせてもらっている。」
「そうですか・・吾朗も、きっと喜びます。」
刀を握れなくなったあの日から、私の吾朗としての役割は終わった。・・・ううん、演じれなくなったから終わるしかなかった。
吾朗と共に戦った小太刀も、もう必要ない。処分しようとしていた時、総司さんにそれを止められる。
『京でちゃんと生きとった八神ちゃんの証を失くしてしもうたらアカン。せやろ?これは、大事な・・新撰組の沖田総司と一緒におった証やで』
その言葉が、嬉しかった。
それに賛同してくれた土方さんと永倉さんが、旧屯所の広間に納めてくれた。
新撰組として生きた八神吾朗は、今でもあの場所で生きている。
「あの頃より表情が柔らかくなったな。それが本来の君なんだろう。」
「あはは・・それ総司さんにも言われましたよ。」
「・・・心外だ。」
「ふふっ。」
「お?何や。歳ちゃんと何話してたんや?・・何やその風呂敷。」
「ちょっと昔話ですよ。これ、また土方さんがくださったんです!」
「ホンマか!さすがやのう歳ちゃん!」
「お前の為じゃない、シエルと子供の為だ。」
「へいへい。」
その日語ったのは、新撰組での話。
新撰組は無くなった。でも・・・新撰組を知る私達は生きている。新撰組の歴史や真実は、私達が語り継いでいく。
近藤さん達の望んだ未来を生きながら。
「あ、はーい!えっとお茶・・・。」
「あぁワシがやるから座っとき!」
「すまない、邪魔するぞシエル。」
「何や総司、お前茶入れられるんか?」
「そんくらいできるわ!ど阿保!」
総司さん達が帰ってきたあの日から半年以上がたった。
お腹がだんだん大きくなって、動くのも辛くなってきた私は寺田屋での仕事を辞めた。少し寂しいけど、お登勢さんも体が一番大事やって言ってくれた。
新撰組のみんなは、それぞれ新しい生活を始めている。
「指導の方はどうですか?」
「ガキ共は覚えが早くて助かるわ。教えがいがあるで。・・・土方はんは未だに慣れんようやがな。」
「・・・子供は苦手だ。」
「ぷっあはは!やっぱり!」
土方さんと永倉さんは、旧屯所で子供達の道場を営んでいる。元々子供達と交友のあった永倉さんのおかげで、繁盛しているみたい。
・・・土方さんは想像通り苦戦してる。目に浮かぶなぁ。
「もうすぐ産まれるんやろ?体はどないや?」
「毎日お腹蹴られて大変ですよ~。それがまた可愛らしくていいんですけどね。」
「お~新八ちゃん!ちぃと手伝ってくれ!」
「・・・客に茶の手伝い頼むってどないやねん。」
・・・とか言いつつ、いつも永倉さんは手伝ってくれるんだよね。かつて新撰組の隊長だった二人でお茶を入れるなんて何か面白い。
そんな二人を見ていると、土方さんが何かが入った風呂敷を渡してくれた。
「子供用の着物だ。使ってくれ。」
「土方さん・・この前だって色々頂いたのに、これ以上は・・。」
「我々が土佐にいる間、君は屯所を守ってくれていた。それに比べれば大したことではない・・むしろ足りないくらいだ。」
「そんな、もう充分で——」
「シエル。」
「・・・すみません、いただきます。」
こうして土方さんは、子供用関連だったり生活に必要なものを度々渡してくれる。屯所の土地代を払っていたのは私の勝手だったのに・・・何か、申し訳ない。
「・・・もう一年以上前か。君が新撰組に入隊したあの日から。初めて会ったのは、総司の個室だったな。」
「懐かしいですね。不逞浪士に襲われたのを助けてもらって・・・あの時は、吾朗を演じるのは緊張しましたよ。」
「ふっ。・・・君の小太刀は、今でも飾らせてもらっている。」
「そうですか・・吾朗も、きっと喜びます。」
刀を握れなくなったあの日から、私の吾朗としての役割は終わった。・・・ううん、演じれなくなったから終わるしかなかった。
吾朗と共に戦った小太刀も、もう必要ない。処分しようとしていた時、総司さんにそれを止められる。
『京でちゃんと生きとった八神ちゃんの証を失くしてしもうたらアカン。せやろ?これは、大事な・・新撰組の沖田総司と一緒におった証やで』
その言葉が、嬉しかった。
それに賛同してくれた土方さんと永倉さんが、旧屯所の広間に納めてくれた。
新撰組として生きた八神吾朗は、今でもあの場所で生きている。
「あの頃より表情が柔らかくなったな。それが本来の君なんだろう。」
「あはは・・それ総司さんにも言われましたよ。」
「・・・心外だ。」
「ふふっ。」
「お?何や。歳ちゃんと何話してたんや?・・何やその風呂敷。」
「ちょっと昔話ですよ。これ、また土方さんがくださったんです!」
「ホンマか!さすがやのう歳ちゃん!」
「お前の為じゃない、シエルと子供の為だ。」
「へいへい。」
その日語ったのは、新撰組での話。
新撰組は無くなった。でも・・・新撰組を知る私達は生きている。新撰組の歴史や真実は、私達が語り継いでいく。
近藤さん達の望んだ未来を生きながら。