第四部 私と俺とあの人の未来
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新撰組屯所跡———
実質壊滅してしまった新撰組。土佐へ行ったみんなが帰ってくるまでどうしても失いたくなくて、地主の方にお願いしてなんとか土地代を払えている。
帰ってくる場所を失いたくないのもあるけど、もう一つ失いたくなかったものがあった。私の日々の日課でもある。
「遅くなってごめんなさい。——近藤さん、藤堂さん、源さん。」
大切な仲間達の、お墓参り。
土地代と生活で精一杯で、まだちゃんとした墓石の用意ができないけど、いつかちゃんと用意しなきゃ。
「もう桜の時期ですよ。枝を折るのは可哀そうなので落ちてたのでごめんなさい・・・でもほら、綺麗でしょ?」
動乱の時代、この京で懸命に生きていたみんなには今をどう思ってるかな。
大政奉還後いくつか戦があったけど、次第に刀を持つ人々が少なくなってきた。きっと刀のいらない時代がやってくる。大きな戦のない時代がやってくる。
それが・・近藤さんが、近藤さんが作った新撰組のみんなが見たい時代だったのかな。
「・・・もっと一緒に、みなさんと未来を見てみたかったです。・・みなさんが作ってくれたこの時代を・・未来を少しでも長く見られるように頑張りますね。」
・・・でも、それを一人で見たくない。
「・・みんな・・・いつ帰ってくるかな・・。」
近藤さん達に言ってもしょうがないのに、心の声が漏れる。
・・・会いたい・・みんなに、総司さんに会いたい・・・みんなで一緒に、ずっと・・・。
『シエル。』
「——え?」
誰かの声が聞こえた。聞き覚えのある優しい声。
顔を上げると、目の前に三人の男が立っている。
浅葱色の羽織を身に纏った、近藤さんに藤堂さんに源さん。三人が笑顔で私を見つめている。
(・・これは、夢?それとも、幻覚・・?)
『後は頼んだぜ。あいつらと・・アイツと一緒に生きろよ。』
近藤さんが指を指した方向を、源さんと藤堂さんも見る。
その先に何があるのか気になって、立ち上がって後ろを見る。それは屯所前の門。
(誰もいない・・・?)
そう思っていると、何か話し声が聞こえてくる。
聞き覚えのある声がどんどん近づいてくる。
(——まさ、か・・・)
石段を登ってきたその人達は、私に気付いて足を止める。
「——!・・あっ・・・。」
目の前にいるのは、浅葱色の羽織を纏った四人の男達。
刀を腰に差し、堂々と京の街を歩いていた。
「シエル・・・?」
「土方さんっ・・!」
鬼の副長と呼ばれた男。
鉄の掟を作り恐れられた存在だけど、何より近藤さんを、仲間を想ってくれている。
「シエル!」
「永倉さん・・!」
二番隊隊長を任されていた男。
寡黙な表情の下は、水戸藩を脱藩した壮絶な過去があるけど今の時代を生きている。
「・・・シエル。」
「斎藤さん・・っ・・・。」
三番隊隊長を任されていた男。
本当の名前を隠して一人京で戦い、親友との決着をつける為に土佐で戦った。
「・・あっ・・み、みんな・・!」
そして——最後の一人は、新撰組最凶の一番隊隊長。
私が心から愛している大切な人。ゆっくり近づいてきた後、駆け足になり私を強く抱きしめてくれる。
ずっと・・ずっと望んでた。帰ってくるのを。また会えるのを。こうして抱きしめられるのを。
「・・・ただいまやで、シエル。」
「——総司さぁん・・・!!」
桜が咲き、暖かい風が吹く京の街。
——最後の戦いを終えた男達が帰ってきた。
実質壊滅してしまった新撰組。土佐へ行ったみんなが帰ってくるまでどうしても失いたくなくて、地主の方にお願いしてなんとか土地代を払えている。
帰ってくる場所を失いたくないのもあるけど、もう一つ失いたくなかったものがあった。私の日々の日課でもある。
「遅くなってごめんなさい。——近藤さん、藤堂さん、源さん。」
大切な仲間達の、お墓参り。
土地代と生活で精一杯で、まだちゃんとした墓石の用意ができないけど、いつかちゃんと用意しなきゃ。
「もう桜の時期ですよ。枝を折るのは可哀そうなので落ちてたのでごめんなさい・・・でもほら、綺麗でしょ?」
動乱の時代、この京で懸命に生きていたみんなには今をどう思ってるかな。
大政奉還後いくつか戦があったけど、次第に刀を持つ人々が少なくなってきた。きっと刀のいらない時代がやってくる。大きな戦のない時代がやってくる。
それが・・近藤さんが、近藤さんが作った新撰組のみんなが見たい時代だったのかな。
「・・・もっと一緒に、みなさんと未来を見てみたかったです。・・みなさんが作ってくれたこの時代を・・未来を少しでも長く見られるように頑張りますね。」
・・・でも、それを一人で見たくない。
「・・みんな・・・いつ帰ってくるかな・・。」
近藤さん達に言ってもしょうがないのに、心の声が漏れる。
・・・会いたい・・みんなに、総司さんに会いたい・・・みんなで一緒に、ずっと・・・。
『シエル。』
「——え?」
誰かの声が聞こえた。聞き覚えのある優しい声。
顔を上げると、目の前に三人の男が立っている。
浅葱色の羽織を身に纏った、近藤さんに藤堂さんに源さん。三人が笑顔で私を見つめている。
(・・これは、夢?それとも、幻覚・・?)
『後は頼んだぜ。あいつらと・・アイツと一緒に生きろよ。』
近藤さんが指を指した方向を、源さんと藤堂さんも見る。
その先に何があるのか気になって、立ち上がって後ろを見る。それは屯所前の門。
(誰もいない・・・?)
そう思っていると、何か話し声が聞こえてくる。
聞き覚えのある声がどんどん近づいてくる。
(——まさ、か・・・)
石段を登ってきたその人達は、私に気付いて足を止める。
「——!・・あっ・・・。」
目の前にいるのは、浅葱色の羽織を纏った四人の男達。
刀を腰に差し、堂々と京の街を歩いていた。
「シエル・・・?」
「土方さんっ・・!」
鬼の副長と呼ばれた男。
鉄の掟を作り恐れられた存在だけど、何より近藤さんを、仲間を想ってくれている。
「シエル!」
「永倉さん・・!」
二番隊隊長を任されていた男。
寡黙な表情の下は、水戸藩を脱藩した壮絶な過去があるけど今の時代を生きている。
「・・・シエル。」
「斎藤さん・・っ・・・。」
三番隊隊長を任されていた男。
本当の名前を隠して一人京で戦い、親友との決着をつける為に土佐で戦った。
「・・あっ・・み、みんな・・!」
そして——最後の一人は、新撰組最凶の一番隊隊長。
私が心から愛している大切な人。ゆっくり近づいてきた後、駆け足になり私を強く抱きしめてくれる。
ずっと・・ずっと望んでた。帰ってくるのを。また会えるのを。こうして抱きしめられるのを。
「・・・ただいまやで、シエル。」
「——総司さぁん・・・!!」
桜が咲き、暖かい風が吹く京の街。
——最後の戦いを終えた男達が帰ってきた。