外伝ー隻眼物語ー
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シエルちゃんを先に寝かせて一人で酒を飲む。
・・ワシは何をしとるんやろな。シエルちゃんはワシを心配しとったのに、冷たくあしらってしもうた。
自分の内面を見られたくないだけで・・・。
(・・寒いのう・・・。)
今日はいつも以上に寒い・・・凍えそうや・・・。
「・・・沖田さん。」
ワシが戻らんのを心配したのか、寝室からシエルちゃんが心配そうな目でこっちを見とる。
「・・・まだ起きとったんか?明日は休みやからって夜更かしはあかんで?」
「なんだか、寝れなくて・・・。」
「・・・そうか。」
こう冷たく言えば諦めるやろ。今はワシを一人にしてくれ。
「・・・熱燗、作りましょうか?」
・・・何でや?何で人一人にしてくれないんや。
せやけど、そう思うんとは別に、傍にいてほしいと思ってまう。
「・・・せやな。体が冷えてしゃあないわ。」
それからシエルちゃんはワシに布団をかけて隣に座ってくれた。
でこぴん食らわせたあとの顔が可愛くて笑ってまう。せやけど・・笑っとるのに、こないくっついとるのに・・・まだ暖まらん。
そん時、シエルちゃんに見られているのに気付き、視線を逸らす。
(アカン・・このままじゃ・・・。)
「・・・さっそろそろ寝ようや。ええ頃合いやろ。」
これ以上見られたら、情けないワシを見せてまう。
それはアカンのや。ワシは・・・沖田総司は、そんな男とちゃう。惚れた女の前で泣いたらあかんのや。
潤んだ目を見られんようにしとったが、シエルちゃんにそれを止められる。
「シエルちゃん?」
「逃げないでください、沖田さん。」
「逃げるって・・・何がやねん。ワシは本当に寝ようと・・・。」
「沖田さん、私を見てください。」
駄目や。やめてくれ。
「沖田さん!」
シエルちゃんに——顔を持たれ無理矢理向けられる。
情けない顔を、見せてしもうた。
「っ・・・見んといてくれや・・こない情けない顔。」
「・・・沖田さんは、私だけの沖田さんでいてくれていますか?」
「・・・?」
「新撰組の一番隊隊長でなく、元水戸藩の平山五郎でもない。私の・・・私だけの沖田総司でいてくれていますか?」
「・・・!」
シエルちゃんだけの、ワシ?
「・・・この家では、泣いてもいいんです。私の前では、弱音を吐いてしまっていいんです。そんなの・・・情けなくなんかないんですよ?」
・・・ええんか?
シエルちゃんに、ワシの弱いところを見せてええんか・・?
「一人で抱え込まないでください。・・・私じゃ、その相手は務まらないですか?私じゃ・・・駄目ですか?」
「——!」
その切ないシエルちゃんの顔が、ワシの感情の蓋を開けさせる。
抱きしめながら、ワシの気持ちが溢れ出る。
「そんなことあらへん!シエルちゃんがおらんかったら、ワシは今どないなっとるか分からん!・・・弱いところを見せたないんはワシのわがままや・・・それだけなんや・・・。」
そうや。それだけや。
ただ惚れた女の前で、かっこつけたいだけや。それだけの・・・ワシのわがままなんや。
「・・・ワシは弱い男や。源さんの死をすぐ受け入れず街で暴れ、終いには一ちゃんを疑った。ろくに源さんを見送りもせんで、偽の坂本龍馬も取り逃した・・・どうしようもない男なんや・・・!」
「そんなことないです。沖田さんは、源さんの為に戦っただけです。」
「そんなんちゃう!!源さん思うなら、ちゃんと見送らなアカンかったんや!!せやのに・・・ワシは・・・っ・・・。」
『思ったことを素直に言ったらどうだ。』
・・・ホンマやな源さん。素直に言うたら楽んなった。
弱音を吐いてええんやな・・・大事な女の前で。源さんだって・・・鴨さんだってそうやったもんな。
ふと思い出す遠い記憶。鴨さんが一緒におった、たった一人の女。・・・そん時の鴨さん、ええ顔してたもんな。
(ワシにも・・そんな女が見つかったで。)
「シエルはワシの命に代えても守る。そんで、ワシの傍にいさせたる。ワシは・・・シエルまで失いとうない。」
「・・・私も、沖田さんをお守りします。ずっと傍にいられるように。・・・約束ですよ?」
そう言うシエルちゃんの顔は、今まで見てきた中で一番愛おしく見えた。
「あぁ・・・約束や。」
ワシは——この女と一緒におりたい。
心の底から愛おしく思う女を守りたい。
ずっと・・・一緒やで。
・・ワシは何をしとるんやろな。シエルちゃんはワシを心配しとったのに、冷たくあしらってしもうた。
自分の内面を見られたくないだけで・・・。
(・・寒いのう・・・。)
今日はいつも以上に寒い・・・凍えそうや・・・。
「・・・沖田さん。」
ワシが戻らんのを心配したのか、寝室からシエルちゃんが心配そうな目でこっちを見とる。
「・・・まだ起きとったんか?明日は休みやからって夜更かしはあかんで?」
「なんだか、寝れなくて・・・。」
「・・・そうか。」
こう冷たく言えば諦めるやろ。今はワシを一人にしてくれ。
「・・・熱燗、作りましょうか?」
・・・何でや?何で人一人にしてくれないんや。
せやけど、そう思うんとは別に、傍にいてほしいと思ってまう。
「・・・せやな。体が冷えてしゃあないわ。」
それからシエルちゃんはワシに布団をかけて隣に座ってくれた。
でこぴん食らわせたあとの顔が可愛くて笑ってまう。せやけど・・笑っとるのに、こないくっついとるのに・・・まだ暖まらん。
そん時、シエルちゃんに見られているのに気付き、視線を逸らす。
(アカン・・このままじゃ・・・。)
「・・・さっそろそろ寝ようや。ええ頃合いやろ。」
これ以上見られたら、情けないワシを見せてまう。
それはアカンのや。ワシは・・・沖田総司は、そんな男とちゃう。惚れた女の前で泣いたらあかんのや。
潤んだ目を見られんようにしとったが、シエルちゃんにそれを止められる。
「シエルちゃん?」
「逃げないでください、沖田さん。」
「逃げるって・・・何がやねん。ワシは本当に寝ようと・・・。」
「沖田さん、私を見てください。」
駄目や。やめてくれ。
「沖田さん!」
シエルちゃんに——顔を持たれ無理矢理向けられる。
情けない顔を、見せてしもうた。
「っ・・・見んといてくれや・・こない情けない顔。」
「・・・沖田さんは、私だけの沖田さんでいてくれていますか?」
「・・・?」
「新撰組の一番隊隊長でなく、元水戸藩の平山五郎でもない。私の・・・私だけの沖田総司でいてくれていますか?」
「・・・!」
シエルちゃんだけの、ワシ?
「・・・この家では、泣いてもいいんです。私の前では、弱音を吐いてしまっていいんです。そんなの・・・情けなくなんかないんですよ?」
・・・ええんか?
シエルちゃんに、ワシの弱いところを見せてええんか・・?
「一人で抱え込まないでください。・・・私じゃ、その相手は務まらないですか?私じゃ・・・駄目ですか?」
「——!」
その切ないシエルちゃんの顔が、ワシの感情の蓋を開けさせる。
抱きしめながら、ワシの気持ちが溢れ出る。
「そんなことあらへん!シエルちゃんがおらんかったら、ワシは今どないなっとるか分からん!・・・弱いところを見せたないんはワシのわがままや・・・それだけなんや・・・。」
そうや。それだけや。
ただ惚れた女の前で、かっこつけたいだけや。それだけの・・・ワシのわがままなんや。
「・・・ワシは弱い男や。源さんの死をすぐ受け入れず街で暴れ、終いには一ちゃんを疑った。ろくに源さんを見送りもせんで、偽の坂本龍馬も取り逃した・・・どうしようもない男なんや・・・!」
「そんなことないです。沖田さんは、源さんの為に戦っただけです。」
「そんなんちゃう!!源さん思うなら、ちゃんと見送らなアカンかったんや!!せやのに・・・ワシは・・・っ・・・。」
『思ったことを素直に言ったらどうだ。』
・・・ホンマやな源さん。素直に言うたら楽んなった。
弱音を吐いてええんやな・・・大事な女の前で。源さんだって・・・鴨さんだってそうやったもんな。
ふと思い出す遠い記憶。鴨さんが一緒におった、たった一人の女。・・・そん時の鴨さん、ええ顔してたもんな。
(ワシにも・・そんな女が見つかったで。)
「シエルはワシの命に代えても守る。そんで、ワシの傍にいさせたる。ワシは・・・シエルまで失いとうない。」
「・・・私も、沖田さんをお守りします。ずっと傍にいられるように。・・・約束ですよ?」
そう言うシエルちゃんの顔は、今まで見てきた中で一番愛おしく見えた。
「あぁ・・・約束や。」
ワシは——この女と一緒におりたい。
心の底から愛おしく思う女を守りたい。
ずっと・・・一緒やで。