第四部 私と俺とあの人の未来
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
私達は一度家に帰ってから、普段用の着物に着替えて街に出た。
ただの八神シエルと沖田総司として歩く為に。
「ほな行こか。どっからにするんや?」
「そうですね・・何か食べませんか?少しお腹が減りました。」
「ほんなら飯屋でも行こか。何がええ?」
「お寿司食べたいです!」
「おし、行くで!」
私達は洛内にある「すしざんまい」に向かう事にした。
会話をしながら歩いていると、総司さんの表情が少し晴れたように見えた。
よかった・・・少し元気になったかな?
「どないしたシエル?ワシの顔に何かついとるか?」
「ふふっいいえ!あ、着きましたよ!」
店内に入って注文して料理が届くと、私達は食べながら懐かしい話をしていた。
「そういえば、シエルと初めて会うた時襲われとったなぁ。」
「そうですね。あの時助けてくれて本当に良かったです。・・さすがに大人数相手にきつかったですから。」
「頭殴られとったもんなぁ。せやけどよう戦っとったな、思わず見惚れとったで?」
「み、見てたなら早く助けてくださいよ!」
「ヒッヒ!すまんすまん。」
「総司さんって、いつも会議聞いてなかったですけど大丈夫なんですか?」
「あ~・・何や難しい話聞くと眠なってしもうてな。面倒やし。」
「えぇ~・・・。」
「そういやいつかしら、夜勤中に小道で口吸いしたなぁ。あん時一生懸命やったシエル、かわえかったなぁ。」
「なっ何言ってるんですか?!恥ずかしいから言わないでくださいよ!」
「そういう所もかわええで?」
「もっ・・もう!」
どれも私達にとって、大切な想い出。どんなに話しても話足りない。
話しながら美味しいねと相槌を打つ私達は、普通の恋人同士のようだった。
こんな時間ができるなんて、想像もしなかった。
きっとこれが、”普通”なんだろうな。
「ごっそさん!いや~腹一杯やで。」
「そうですね!ご馳走様でした!」
支払いをしてくれた総司さんにお礼をして、私達は次の目的地に向かった。
向かった先は”どん・きほーて”。一度も行った事がなかったから気になってたんだよなぁ。
「あそこは何でもあるからのう。何か欲しいもんでもあるんか?」
「特にはないんですけど、ちょっと見てみたくて!」
どん・きほーてに着いて中に入ると、驚きの連続だった。
食べ物から着物から武器の素材まで・・本当に何でもある・・!
色々見ていると、ふとあるものに目が止まる。
(あ・・・綺麗・・。)
それは、白銀に光る髪紐だった。
思わず見惚れていると、別の場所を見ていた総司さんが近づいてくる。
「ほぉ、ええもん見つけたな。きっとシエルに似合うで。」
「そ、そうですか?」
「おう。買うたるで。」
「え、さっきも出してもらったのに・・。」
「惚れとる女への贈りモンやで?かまへんやろ。」
何食わぬ顔で髪紐を持って支払いに向かう総司さん。
き、急にそんな事言わないでよ・・・恥ずかしい・・!
「なぁシエル。清水寺でも行かんか?もうすぐ夕暮れや。あそこから見える京の街はええもんやで。」
「はい!」
大きな竹の通り道を歩き、清水に舞台に向かう。
す、凄い坂道・・・これ、登りきれるかな・・・。
「大丈夫か?」
「は、はいぃ・・・。」
「四番隊隊長とは思えん体力やな・・・ほれ、手ぇ貸しや。」
「すみません・・・。」
総司さんに手を引かれて、なんとか舞台まで辿り着く。
・・・そう言えば、ここに来るのも初めてかも。
夕暮れの光に照らされた京の街は、総司さんの言った通り綺麗だった。
紅葉の木々がより一層綺麗に見える。
「わあぁ・・!凄い・・!」
「なかなかのもんやろ?今の時期にちょうどええわ。・・どや?気に入ってもらえたか?」
「はい!とっても!」
本当に綺麗・・・江戸で景色を見る余裕なんて無かったし、きっとこんな場所なんてないよね。もっと早く来ればよかったなぁ。
感動していると総司さんは私の手を握ってきた。
総司さんはそのまま、さっき買ってくれた髪紐を取り出す。
「シエル。これ・・ワシがしばらく持っててええやろか?」
「え?どうしてですか?」
「御守りにしたいんや。・・土佐から必ず戻る為にな。」
「・・!」
そう言う総司さんの目は、真剣だった。
『・・・頼みがあるんだ、シエル。アイツが土佐に行くと言ったら・・見送ってやってくれ。ここに残したいのは私の勝手だ。辛いと思うが・・頼む。』
・・・そっか・・やっぱり、そうですよね。
行きたいですよね、総司さん。
でも——どうしてまだ、迷っている目をしているんですか?
ただの八神シエルと沖田総司として歩く為に。
「ほな行こか。どっからにするんや?」
「そうですね・・何か食べませんか?少しお腹が減りました。」
「ほんなら飯屋でも行こか。何がええ?」
「お寿司食べたいです!」
「おし、行くで!」
私達は洛内にある「すしざんまい」に向かう事にした。
会話をしながら歩いていると、総司さんの表情が少し晴れたように見えた。
よかった・・・少し元気になったかな?
「どないしたシエル?ワシの顔に何かついとるか?」
「ふふっいいえ!あ、着きましたよ!」
店内に入って注文して料理が届くと、私達は食べながら懐かしい話をしていた。
「そういえば、シエルと初めて会うた時襲われとったなぁ。」
「そうですね。あの時助けてくれて本当に良かったです。・・さすがに大人数相手にきつかったですから。」
「頭殴られとったもんなぁ。せやけどよう戦っとったな、思わず見惚れとったで?」
「み、見てたなら早く助けてくださいよ!」
「ヒッヒ!すまんすまん。」
「総司さんって、いつも会議聞いてなかったですけど大丈夫なんですか?」
「あ~・・何や難しい話聞くと眠なってしもうてな。面倒やし。」
「えぇ~・・・。」
「そういやいつかしら、夜勤中に小道で口吸いしたなぁ。あん時一生懸命やったシエル、かわえかったなぁ。」
「なっ何言ってるんですか?!恥ずかしいから言わないでくださいよ!」
「そういう所もかわええで?」
「もっ・・もう!」
どれも私達にとって、大切な想い出。どんなに話しても話足りない。
話しながら美味しいねと相槌を打つ私達は、普通の恋人同士のようだった。
こんな時間ができるなんて、想像もしなかった。
きっとこれが、”普通”なんだろうな。
「ごっそさん!いや~腹一杯やで。」
「そうですね!ご馳走様でした!」
支払いをしてくれた総司さんにお礼をして、私達は次の目的地に向かった。
向かった先は”どん・きほーて”。一度も行った事がなかったから気になってたんだよなぁ。
「あそこは何でもあるからのう。何か欲しいもんでもあるんか?」
「特にはないんですけど、ちょっと見てみたくて!」
どん・きほーてに着いて中に入ると、驚きの連続だった。
食べ物から着物から武器の素材まで・・本当に何でもある・・!
色々見ていると、ふとあるものに目が止まる。
(あ・・・綺麗・・。)
それは、白銀に光る髪紐だった。
思わず見惚れていると、別の場所を見ていた総司さんが近づいてくる。
「ほぉ、ええもん見つけたな。きっとシエルに似合うで。」
「そ、そうですか?」
「おう。買うたるで。」
「え、さっきも出してもらったのに・・。」
「惚れとる女への贈りモンやで?かまへんやろ。」
何食わぬ顔で髪紐を持って支払いに向かう総司さん。
き、急にそんな事言わないでよ・・・恥ずかしい・・!
「なぁシエル。清水寺でも行かんか?もうすぐ夕暮れや。あそこから見える京の街はええもんやで。」
「はい!」
大きな竹の通り道を歩き、清水に舞台に向かう。
す、凄い坂道・・・これ、登りきれるかな・・・。
「大丈夫か?」
「は、はいぃ・・・。」
「四番隊隊長とは思えん体力やな・・・ほれ、手ぇ貸しや。」
「すみません・・・。」
総司さんに手を引かれて、なんとか舞台まで辿り着く。
・・・そう言えば、ここに来るのも初めてかも。
夕暮れの光に照らされた京の街は、総司さんの言った通り綺麗だった。
紅葉の木々がより一層綺麗に見える。
「わあぁ・・!凄い・・!」
「なかなかのもんやろ?今の時期にちょうどええわ。・・どや?気に入ってもらえたか?」
「はい!とっても!」
本当に綺麗・・・江戸で景色を見る余裕なんて無かったし、きっとこんな場所なんてないよね。もっと早く来ればよかったなぁ。
感動していると総司さんは私の手を握ってきた。
総司さんはそのまま、さっき買ってくれた髪紐を取り出す。
「シエル。これ・・ワシがしばらく持っててええやろか?」
「え?どうしてですか?」
「御守りにしたいんや。・・土佐から必ず戻る為にな。」
「・・!」
そう言う総司さんの目は、真剣だった。
『・・・頼みがあるんだ、シエル。アイツが土佐に行くと言ったら・・見送ってやってくれ。ここに残したいのは私の勝手だ。辛いと思うが・・頼む。』
・・・そっか・・やっぱり、そうですよね。
行きたいですよね、総司さん。
でも——どうしてまだ、迷っている目をしているんですか?