第四部 私と俺とあの人の未来
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「・・・何でここにいるんだ。お前さんは桂達の所に向かったはずだろう。」
「いやなに、新撰組隊士が女に化けるとアンタが言ってたからねぇ。どんな奴かと思いましてね・・・やっぱり貴女でしたか。八神君・・・いや、八神さん?」
「伊東・・!」
御陵衛士の隊服を身に纏った伊東は、ニヤリと気味の悪い顔で私を見てくる。
やっぱりいた・・・新撰組の裏切り者・・京に火をつけた張本人・・!
「近藤局長は亡くなられましたなぁ。新撰組も終わりでしょう?いやはや・・悲しいものですなぁ。火を放ったという汚名を着せられて死ぬなんて・・・ねぇ・・?」
「っ・・・貴様ぁ!」
怒りが込みあがり殴りかかろうとして立ち上がったその時、武市に制止された。
「よせ、ここで戦う必要はない。・・・個人的にも、君にはあまり怪我をしてほしくない。」
「・・っ・・五月蠅い!コイツのせいで、京の人がどれだけ苦しんだと思っているの?!あんなに、あんなに懸命に生きているのに・・あなた達の事には、関係ないのに!」
寺田屋の人達も、うどん屋の店主や従業員達も・・子供が生まれるはずだった夫婦の未来も崩された。
この男に・・この男達に・・!
「どいて!!」
武市の制止を振り解き、伊東に殴りかかる。
でも、刀を持てない女の私に腕は軽くあしらわれる。そのまま両腕を締め上げられ、身動きがとれなくなる。
「痛っ・・!」
「いけませんなぁ女が暴力をしようとするなんて・・・さて、アンタにはこのまま来てもらおうか?」
「な、何を・・?!」
「そろそろ沖田達が来るんだろう?あんたを人質にすれば少しは時間稼ぎでもできるだろう。いいだろ?坂本さんよぉ。」
「・・・好きにしろ。行くぞ。」
そんなっ・・・このままじゃ、みんなが・・!
その思いと裏腹に、私を引き連れて薩長の二人がいた客間に辿り着く。
戸が開かれていて、その部屋には斬り殺されている男と他にもう二人の男がいた。
「斎藤さんっ・・・に・・見廻り組の・・?」
「シエル!・・・っ・・・!」
「・・・久しぶりだな、龍馬。・・どうした?言いたいことがたくさんあるんじゃないのか?・・知りたいんだろう?龍馬・・。」
「・・その前に一つ教えてくれ。」
「何だ?」
「本当によぉ・・今俺の目の前にいるのは、武市半平太なのかよ。鏡で自分の顔見てるか・・一体何があったんだよ・・どうしたらそんなになっちまうんだよ兄弟!!」
そういう斎藤さんの目は・・・泣いていた。
自分の兄弟分が・・どれだけの苦労を重ねてしまったのか分かってしまったんだ・・。
やっぱり・・斎藤さんには・・・この人を斬れない・・・。
「俺はあんたが憎いんだ・・憎いまま斬らせてくれよ兄弟!」
泣きながら刀を握りしめ、斎藤さんは武市に向かって走り出す。
そんな斎藤さんに向かって——伊東は私を差し出してくる。
「なっ・・!」
「斬っちまっていいのかい?コイツは・・あんたのお仲間なんだろう?」
「斎藤さん駄目!武市を斬って、早く!!」
「だがっ・・!」
「・・今日ここ近江屋で、”坂本龍馬”という男は死んだ。坂本龍馬の伝説は幕を閉じたんだ。」
「何言ってんだおまえ・・!」
「残念だが、今お前に殺されるわけにはいかない。お前には、最後の仕事をしてもらう必要があるからな。」
「何訳のわかんねぇこと言ってんだおい!!」
駄目・・斎藤さん、早く!!
「一ちゃん!!」
「斎藤!!」
「斎藤君っ!」
その時、戸の向こう側から総司さん達の声が聞こえてくる。
みんな・・早く・・!!
「ちっ・・そろそろ行くで。」
「その方がいいみたいですねぇ。さて・・この女はどうしますかい?いっその事連れて行きますか?」
「俺にそんな趣味はねぇよ。放してやれ。」
「・・・分かりました。」
伊東は渋々私の腕を放し、すぐその後ろに武市が近づくのが分かった。
「君のお父さんは———」
「えっ・・・——?!」
武市に告げられた後、私は意識を失った。
「いやなに、新撰組隊士が女に化けるとアンタが言ってたからねぇ。どんな奴かと思いましてね・・・やっぱり貴女でしたか。八神君・・・いや、八神さん?」
「伊東・・!」
御陵衛士の隊服を身に纏った伊東は、ニヤリと気味の悪い顔で私を見てくる。
やっぱりいた・・・新撰組の裏切り者・・京に火をつけた張本人・・!
「近藤局長は亡くなられましたなぁ。新撰組も終わりでしょう?いやはや・・悲しいものですなぁ。火を放ったという汚名を着せられて死ぬなんて・・・ねぇ・・?」
「っ・・・貴様ぁ!」
怒りが込みあがり殴りかかろうとして立ち上がったその時、武市に制止された。
「よせ、ここで戦う必要はない。・・・個人的にも、君にはあまり怪我をしてほしくない。」
「・・っ・・五月蠅い!コイツのせいで、京の人がどれだけ苦しんだと思っているの?!あんなに、あんなに懸命に生きているのに・・あなた達の事には、関係ないのに!」
寺田屋の人達も、うどん屋の店主や従業員達も・・子供が生まれるはずだった夫婦の未来も崩された。
この男に・・この男達に・・!
「どいて!!」
武市の制止を振り解き、伊東に殴りかかる。
でも、刀を持てない女の私に腕は軽くあしらわれる。そのまま両腕を締め上げられ、身動きがとれなくなる。
「痛っ・・!」
「いけませんなぁ女が暴力をしようとするなんて・・・さて、アンタにはこのまま来てもらおうか?」
「な、何を・・?!」
「そろそろ沖田達が来るんだろう?あんたを人質にすれば少しは時間稼ぎでもできるだろう。いいだろ?坂本さんよぉ。」
「・・・好きにしろ。行くぞ。」
そんなっ・・・このままじゃ、みんなが・・!
その思いと裏腹に、私を引き連れて薩長の二人がいた客間に辿り着く。
戸が開かれていて、その部屋には斬り殺されている男と他にもう二人の男がいた。
「斎藤さんっ・・・に・・見廻り組の・・?」
「シエル!・・・っ・・・!」
「・・・久しぶりだな、龍馬。・・どうした?言いたいことがたくさんあるんじゃないのか?・・知りたいんだろう?龍馬・・。」
「・・その前に一つ教えてくれ。」
「何だ?」
「本当によぉ・・今俺の目の前にいるのは、武市半平太なのかよ。鏡で自分の顔見てるか・・一体何があったんだよ・・どうしたらそんなになっちまうんだよ兄弟!!」
そういう斎藤さんの目は・・・泣いていた。
自分の兄弟分が・・どれだけの苦労を重ねてしまったのか分かってしまったんだ・・。
やっぱり・・斎藤さんには・・・この人を斬れない・・・。
「俺はあんたが憎いんだ・・憎いまま斬らせてくれよ兄弟!」
泣きながら刀を握りしめ、斎藤さんは武市に向かって走り出す。
そんな斎藤さんに向かって——伊東は私を差し出してくる。
「なっ・・!」
「斬っちまっていいのかい?コイツは・・あんたのお仲間なんだろう?」
「斎藤さん駄目!武市を斬って、早く!!」
「だがっ・・!」
「・・今日ここ近江屋で、”坂本龍馬”という男は死んだ。坂本龍馬の伝説は幕を閉じたんだ。」
「何言ってんだおまえ・・!」
「残念だが、今お前に殺されるわけにはいかない。お前には、最後の仕事をしてもらう必要があるからな。」
「何訳のわかんねぇこと言ってんだおい!!」
駄目・・斎藤さん、早く!!
「一ちゃん!!」
「斎藤!!」
「斎藤君っ!」
その時、戸の向こう側から総司さん達の声が聞こえてくる。
みんな・・早く・・!!
「ちっ・・そろそろ行くで。」
「その方がいいみたいですねぇ。さて・・この女はどうしますかい?いっその事連れて行きますか?」
「俺にそんな趣味はねぇよ。放してやれ。」
「・・・分かりました。」
伊東は渋々私の腕を放し、すぐその後ろに武市が近づくのが分かった。
「君のお父さんは———」
「えっ・・・——?!」
武市に告げられた後、私は意識を失った。