第三部 武士達の最後
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翌朝——近江屋
「駄目に決まっているだろう。」
「ほら、言うと思うたわ。」
「総司お前、反対せんかったんか?」
「ワシが言うても無駄やったわ。歳ちゃん言うても無駄やがな。シエルは本気やからな。」
「沖田もシエルも何考えてるんだか・・・。」
開口一番、土方さんに怒られた・・・そりゃそうだけど。
「土方さん、お願いします!私だって新撰組の一人です!出来る事ならなんでもやります!」
土方さん物凄く眉間に皺が寄ってる・・・これが本当の鬼の副長・・。
少し黙った後、土方さんは口を開いた。
「わかった。だが条件がある。」
「はい!」
「君は———。」
「いやぁびっくりしましたわ。急に用意して言われて驚きましたけど、シエルさんが一緒なら心強いわ!」
「ほな、男連中は隣の部屋で待っといておくれやす。」
・・・・なんでこんな事になったんだろう・・・。
中岡さんに言伝をお願いして、おりょうさんとお登勢さんにとある物を用意してもらった。
それを見て困惑する私と、もの凄く不機嫌な顔をする総司さん。
「・・・なぁ歳ちゃん。ホンマに遊郭の女として潜入させるんか?いくらなんでもそらアカンやろ。」
「その方が怪しくないだろう。」
いや・・・充分怪しいと思います・・・。
「単にお前が見せたないだけやろ?」
「当たり前やろが!シエルの芸者姿を晒すやなんて・・・!」
「諦めろ沖田。おりょう、お登勢、頼んだぞ。」
駄々こねる総司さんを三人は引きずって隣の部屋に移動して行った。
・・・まさか芸者として潜入するなんて・・女としてほとんど生きてないのに、大丈夫なのかな・・・。
「さっ始めますよシエルさん!」
「せや!やりますよー!」
「よ、よろしくお願いします・・!」
な、何かおりょうさんとお登勢さんやる気凄いんだけど・・・!
二人は私をお人形さんの様に着替え始めさせていた。
肌着を脱いだ時、一瞬おりょうさんの手が止まった。不思議に思っていると、その視線が胸の古傷だと気付く。
「・・・もう、痛くないんですか?」
「えぇ・・ほとんどが子供の頃だから。」
「そうですか・・・沖田さんも、知っとるんやろ?」
「はい。」
「あの人なら・・何でも受け止めてくれそうやね。」
「・・はい・・・本当に・・。」
総司さんは、本当に何でも受け止めてくれた。
過去を知っても、目の前で父上を殺しても、総司さんは私の傍にいてくれた。支えてくれた。
私だって、総司さんを支えたい。
・・・・そう言えば・・・。
「おりょうさんは、何で女中として協力するんですか?危険なのに・・。」
「・・・一さんへの、少しの罪滅ぼしや。うちにはこれくらいしか出来ひんから。それに・・・。」
「・・・それに?」
「・・・好きな人の為に何かしたいっていうのが、一番やな。」
頬を赤らめながらそう言うおりょうさん。
そうだよね、好きな人の為に頑張りたいよね。
「・・・私も、同じですよ。」
「・・えへへ・・。」
「さっお二人さん!ちゃっちゃとやりますよ!」
「「はいっ!」」
最後の戦いの準備を進める。
好きな人の為に、愛する人の為に——
第三部 武士達の最後 —完—
「駄目に決まっているだろう。」
「ほら、言うと思うたわ。」
「総司お前、反対せんかったんか?」
「ワシが言うても無駄やったわ。歳ちゃん言うても無駄やがな。シエルは本気やからな。」
「沖田もシエルも何考えてるんだか・・・。」
開口一番、土方さんに怒られた・・・そりゃそうだけど。
「土方さん、お願いします!私だって新撰組の一人です!出来る事ならなんでもやります!」
土方さん物凄く眉間に皺が寄ってる・・・これが本当の鬼の副長・・。
少し黙った後、土方さんは口を開いた。
「わかった。だが条件がある。」
「はい!」
「君は———。」
「いやぁびっくりしましたわ。急に用意して言われて驚きましたけど、シエルさんが一緒なら心強いわ!」
「ほな、男連中は隣の部屋で待っといておくれやす。」
・・・・なんでこんな事になったんだろう・・・。
中岡さんに言伝をお願いして、おりょうさんとお登勢さんにとある物を用意してもらった。
それを見て困惑する私と、もの凄く不機嫌な顔をする総司さん。
「・・・なぁ歳ちゃん。ホンマに遊郭の女として潜入させるんか?いくらなんでもそらアカンやろ。」
「その方が怪しくないだろう。」
いや・・・充分怪しいと思います・・・。
「単にお前が見せたないだけやろ?」
「当たり前やろが!シエルの芸者姿を晒すやなんて・・・!」
「諦めろ沖田。おりょう、お登勢、頼んだぞ。」
駄々こねる総司さんを三人は引きずって隣の部屋に移動して行った。
・・・まさか芸者として潜入するなんて・・女としてほとんど生きてないのに、大丈夫なのかな・・・。
「さっ始めますよシエルさん!」
「せや!やりますよー!」
「よ、よろしくお願いします・・!」
な、何かおりょうさんとお登勢さんやる気凄いんだけど・・・!
二人は私をお人形さんの様に着替え始めさせていた。
肌着を脱いだ時、一瞬おりょうさんの手が止まった。不思議に思っていると、その視線が胸の古傷だと気付く。
「・・・もう、痛くないんですか?」
「えぇ・・ほとんどが子供の頃だから。」
「そうですか・・・沖田さんも、知っとるんやろ?」
「はい。」
「あの人なら・・何でも受け止めてくれそうやね。」
「・・はい・・・本当に・・。」
総司さんは、本当に何でも受け止めてくれた。
過去を知っても、目の前で父上を殺しても、総司さんは私の傍にいてくれた。支えてくれた。
私だって、総司さんを支えたい。
・・・・そう言えば・・・。
「おりょうさんは、何で女中として協力するんですか?危険なのに・・。」
「・・・一さんへの、少しの罪滅ぼしや。うちにはこれくらいしか出来ひんから。それに・・・。」
「・・・それに?」
「・・・好きな人の為に何かしたいっていうのが、一番やな。」
頬を赤らめながらそう言うおりょうさん。
そうだよね、好きな人の為に頑張りたいよね。
「・・・私も、同じですよ。」
「・・えへへ・・。」
「さっお二人さん!ちゃっちゃとやりますよ!」
「「はいっ!」」
最後の戦いの準備を進める。
好きな人の為に、愛する人の為に——
第三部 武士達の最後 —完—