第三部 武士達の最後
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急いで寺田屋へ向かう私達は、中岡さんから話を聞いていた。
この会合は、全て新撰組が仕組んだとバレた事。
西郷には無事に伝えられたけど、桂に伝えに行っていた藤堂さんは武田さんに撃たれて瀕死の重体。
寺田屋に倒れこんだ藤堂さんから話を聞いた斎藤さんは武田さんを止める為に動いて、中岡さんは総司さん達に知らせに来たのが今。
「もうすぐ着く!・・・あいつは、もう・・・!」
「いらん事言うな!平助が、そない簡単に死ぬわけないやろ!」
そうだよ、総司さんの言う通りだよ・・!藤堂さんが、死ぬ訳ない!
寺田屋に近付くにつれて、地面に所々大量の血があるのが目に見える。
嘘・・・この血、まさか・・・。
「平助っ!!」
土方さんの声と共に寺田屋前に着いた私達は、血だらけで倒れている藤堂さんを見て唖然とする。
その傍にいたおりょうさんは、私達を見て泣きそうな目で静かに離れた。
・・・そんな・・そんな・・!!
「平助!」
「・・・あ・・・ひじ、かた・・さ・・」
「まだ息はある・・!しっかりせぇ平助!」
「・・・ながくら・・さ・・ん・・。」
「平助・・平助!!」
「おきた、さ・・・あれ・・もしかして・・・シエル、さん・・?」
「藤堂さん・・・藤堂さん・・・!」
私は慌てて藤堂さんの手を握る。
その手は——冷たくなり始めていた。
「ははっ・・・また、女のシエルさん、見れてよかった・・最後に、ちょっと・・・会いたかったから・・。」
「嫌っ・・・藤堂さん・・!!嫌・・嫌ぁ・・!!」
最後って、そんな事言わないで!
これから何度だって、いつでも私には会えるんですよ?私達の家でも、戦いが終わったら街の中でも・・いくらでも会えるのに・・!
「・・土方、さん・・・俺の、遺体は・・油小路に・・。」
「何・・・?」
「伊東さんに・・伝わる、前に・・でなきゃ・・近藤さん、に・・・俺・・・!」
「・・・・分かった。」
「・・・よかっ・・・ゲホッ・・!」
「藤堂さんっ!!藤堂さぁん!!」
どんどん冷たくなってくる。力が弱くなってきている。目が少しずつ閉じ始めている。
この手を放したら、きっと藤堂さんは・・・駄目、そんなの駄目!!
一生懸命手を握りしめる私の肩に、誰かが手を置いてきた。視線を向けると、それは総司さんだった。
総司さんの目は、泣きそうな目だった。その目だけで何が言いたいのか分かる。
”平助は、もうアカン・・・。”
そんな・・・。
「・・ねぇ・・シエルさん・・。」
「グスッ・・は、はい・・!」
「・・・おきた、さんと、仲良くね?・・・隣に・・いて、あげて・・・。」
「!・・うっ・・はいっ・・約束、します・・・しますから、・・藤堂さん、死なないで・・・死なないで藤堂さん!!」
”約束します”という言葉に安堵したのか、優しい笑顔になってすぐに藤堂さんの手は——私の手から滑り落ちた。
静かに目を閉じ——静かに息を止めて、永遠の眠りについた。
「・・・平助・・。」
「あっ・・あぁ・・!うわあぁぁん!!!」
枯れたと思っていた私の涙は溢れ出し、その涙が藤堂さんの頬に落ちていく。
また、いなくなった・・・大切な新撰組の人が・・・また一人、この世を去ってしまった。
——この事件は、後に油小路事件と呼ばれることになる。
この会合は、全て新撰組が仕組んだとバレた事。
西郷には無事に伝えられたけど、桂に伝えに行っていた藤堂さんは武田さんに撃たれて瀕死の重体。
寺田屋に倒れこんだ藤堂さんから話を聞いた斎藤さんは武田さんを止める為に動いて、中岡さんは総司さん達に知らせに来たのが今。
「もうすぐ着く!・・・あいつは、もう・・・!」
「いらん事言うな!平助が、そない簡単に死ぬわけないやろ!」
そうだよ、総司さんの言う通りだよ・・!藤堂さんが、死ぬ訳ない!
寺田屋に近付くにつれて、地面に所々大量の血があるのが目に見える。
嘘・・・この血、まさか・・・。
「平助っ!!」
土方さんの声と共に寺田屋前に着いた私達は、血だらけで倒れている藤堂さんを見て唖然とする。
その傍にいたおりょうさんは、私達を見て泣きそうな目で静かに離れた。
・・・そんな・・そんな・・!!
「平助!」
「・・・あ・・・ひじ、かた・・さ・・」
「まだ息はある・・!しっかりせぇ平助!」
「・・・ながくら・・さ・・ん・・。」
「平助・・平助!!」
「おきた、さ・・・あれ・・もしかして・・・シエル、さん・・?」
「藤堂さん・・・藤堂さん・・・!」
私は慌てて藤堂さんの手を握る。
その手は——冷たくなり始めていた。
「ははっ・・・また、女のシエルさん、見れてよかった・・最後に、ちょっと・・・会いたかったから・・。」
「嫌っ・・・藤堂さん・・!!嫌・・嫌ぁ・・!!」
最後って、そんな事言わないで!
これから何度だって、いつでも私には会えるんですよ?私達の家でも、戦いが終わったら街の中でも・・いくらでも会えるのに・・!
「・・土方、さん・・・俺の、遺体は・・油小路に・・。」
「何・・・?」
「伊東さんに・・伝わる、前に・・でなきゃ・・近藤さん、に・・・俺・・・!」
「・・・・分かった。」
「・・・よかっ・・・ゲホッ・・!」
「藤堂さんっ!!藤堂さぁん!!」
どんどん冷たくなってくる。力が弱くなってきている。目が少しずつ閉じ始めている。
この手を放したら、きっと藤堂さんは・・・駄目、そんなの駄目!!
一生懸命手を握りしめる私の肩に、誰かが手を置いてきた。視線を向けると、それは総司さんだった。
総司さんの目は、泣きそうな目だった。その目だけで何が言いたいのか分かる。
”平助は、もうアカン・・・。”
そんな・・・。
「・・ねぇ・・シエルさん・・。」
「グスッ・・は、はい・・!」
「・・・おきた、さんと、仲良くね?・・・隣に・・いて、あげて・・・。」
「!・・うっ・・はいっ・・約束、します・・・しますから、・・藤堂さん、死なないで・・・死なないで藤堂さん!!」
”約束します”という言葉に安堵したのか、優しい笑顔になってすぐに藤堂さんの手は——私の手から滑り落ちた。
静かに目を閉じ——静かに息を止めて、永遠の眠りについた。
「・・・平助・・。」
「あっ・・あぁ・・!うわあぁぁん!!!」
枯れたと思っていた私の涙は溢れ出し、その涙が藤堂さんの頬に落ちていく。
また、いなくなった・・・大切な新撰組の人が・・・また一人、この世を去ってしまった。
——この事件は、後に油小路事件と呼ばれることになる。