第三部 武士達の最後
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「左之助、そこで何をしている。」
「あぁ・・・?お、お前等・・・。」
「何やお前、何持っとるんや?」
原田隊長の手には、炭で汚れた風呂敷を持っていた。
それって・・・?
「へっ・・・あんた等も斎藤と一緒で、火事泥棒の俺に説教か?」
「火事泥棒だと?・・・まさか、この火は・・。」
「あぁそうさ、俺だよ!局長の指示だと伊東さんから聞いてなぁ。全部燃やし尽くせってなぁ!!」
「何やと・・?!」
『・・約束してやるさ。だから、生きて帰ってこい。』
やっぱり・・・局長なのか?
戻るまで待つって・・燃やさないって約束してくれたのに・・・守ってくれなかったのか・・?
「そんでついでに火事泥棒かい。落ちたな左之助ちゃん。」
「うるせぇ!!もうどうだっていい!!ここでお前らを殺せば、誰も見てねぇんだ!!斎藤だって殺してやる!!」
原田隊長の目は冷静じゃなかった。
隠し持っていた銃を取り出し、乱れ撃ってきた。そしてそのまま隙を狙って槍を振り回してくる。
応戦するのが精一杯で、止められない・・・!
「死ねえぇぇ八神!!」
「なっ・・八神ちゃん!」
長い槍の先端が俺にめがけて向かってくる。
「くっ・・!」
何とか小太刀で受け止め、反撃の一手を繰り出そうともう片方の小太刀を原田隊長めがけて斬りかかろうとした——その時。
『————』
「——?!」
「シエル!!」
槍に刺されそうになった直前に、沖田隊長が槍を弾きそのまま原田隊長を斬り払い、命を奪った。
「シエル、大丈夫か?!どっかやられたんか?!」
「落ち着け総司。槍を受け止めた時に腕を痛めたのか?」
「そない風に見えんかったが・・大丈夫か?」
「・・あ・・・っ・・・!」
「シエル?」
斬りかかろうとしたその時・・・俺の手から、小太刀が離れた。いや、小太刀を持っていた手の力が一気に抜けた。
それと同時に、頭の中に響いた声。
『・・・み・・みす、ず・・・。』
——父上の、最後の声。
その声が頭から離れない。父上の首を斬った感触を思い出す。
俺の・・私の手は、親を殺した・・・人殺しの手・・・。
「・・そう、じ、さ・・・私・・・。」
「・・・・シエル・・?」
その後、小太刀を握ろうとしても力が入らない。
吾朗に切り替えようとしても切り替えられない。
・・・どうしよう・・・私・・・。
「私・・・人を、斬るのが・・・怖い・・・怖くなった・・・このままじゃ・・吾朗に、なれない・・・新撰組に、いられない・・!」
父上を殺した事によって、人間を殺す恐怖を改めて実感した私は、八神吾朗になれなくなっていた。
もう・・・刀を握れない・・・。
「あぁ・・・?お、お前等・・・。」
「何やお前、何持っとるんや?」
原田隊長の手には、炭で汚れた風呂敷を持っていた。
それって・・・?
「へっ・・・あんた等も斎藤と一緒で、火事泥棒の俺に説教か?」
「火事泥棒だと?・・・まさか、この火は・・。」
「あぁそうさ、俺だよ!局長の指示だと伊東さんから聞いてなぁ。全部燃やし尽くせってなぁ!!」
「何やと・・?!」
『・・約束してやるさ。だから、生きて帰ってこい。』
やっぱり・・・局長なのか?
戻るまで待つって・・燃やさないって約束してくれたのに・・・守ってくれなかったのか・・?
「そんでついでに火事泥棒かい。落ちたな左之助ちゃん。」
「うるせぇ!!もうどうだっていい!!ここでお前らを殺せば、誰も見てねぇんだ!!斎藤だって殺してやる!!」
原田隊長の目は冷静じゃなかった。
隠し持っていた銃を取り出し、乱れ撃ってきた。そしてそのまま隙を狙って槍を振り回してくる。
応戦するのが精一杯で、止められない・・・!
「死ねえぇぇ八神!!」
「なっ・・八神ちゃん!」
長い槍の先端が俺にめがけて向かってくる。
「くっ・・!」
何とか小太刀で受け止め、反撃の一手を繰り出そうともう片方の小太刀を原田隊長めがけて斬りかかろうとした——その時。
『————』
「——?!」
「シエル!!」
槍に刺されそうになった直前に、沖田隊長が槍を弾きそのまま原田隊長を斬り払い、命を奪った。
「シエル、大丈夫か?!どっかやられたんか?!」
「落ち着け総司。槍を受け止めた時に腕を痛めたのか?」
「そない風に見えんかったが・・大丈夫か?」
「・・あ・・・っ・・・!」
「シエル?」
斬りかかろうとしたその時・・・俺の手から、小太刀が離れた。いや、小太刀を持っていた手の力が一気に抜けた。
それと同時に、頭の中に響いた声。
『・・・み・・みす、ず・・・。』
——父上の、最後の声。
その声が頭から離れない。父上の首を斬った感触を思い出す。
俺の・・私の手は、親を殺した・・・人殺しの手・・・。
「・・そう、じ、さ・・・私・・・。」
「・・・・シエル・・?」
その後、小太刀を握ろうとしても力が入らない。
吾朗に切り替えようとしても切り替えられない。
・・・どうしよう・・・私・・・。
「私・・・人を、斬るのが・・・怖い・・・怖くなった・・・このままじゃ・・吾朗に、なれない・・・新撰組に、いられない・・!」
父上を殺した事によって、人間を殺す恐怖を改めて実感した私は、八神吾朗になれなくなっていた。
もう・・・刀を握れない・・・。