第三部 武士達の最後
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「・・・シエルちゃん歩けるか?少し街の様子を見に行こう思うんやが、家で休むか?」
「・・・いいえ、大丈夫です。私も、まだ隊長としていなきゃ・・。」
「・・・そうか。ほな行くで?」
「はい。」
街に出ると、そこら中炭の臭いがした。
立派な木造の屋根は焦げ落ち、店中火を消した水だらけだった。初めて寄ったうどん屋も、仕事中に寄っていた店も、どれも全部・・・。
私の・・俺の大切な場所が・・・。
「行くで八神ちゃん、歳ちゃん達探さなあかん。」
「・・・はい。」
こういう時も、沖田隊長は冷静でいられる。
俺もしっかりしなければ・・・まだ、やる事がある・・・いつまでも沈んでいられない。
暫く歩くと、消火活動をしている隊士達に指示を出している土方副長と永倉隊長がいた。
二人はこちらに気付き、近づいてくる。
「総司、斎藤君は?」
「一ちゃんなら勇ちゃん探してるはずや。祇園の方やろか?」
「ほんなら向かうか。・・・八神、大丈夫か?」
「・・・はい。」
「行くぞ。」
焼けた街を歩いていると、所々で泣き声が聞こえてくる。
この人達は、この火で住む場所を失くした。商売する店も、稽古をする道場も、全て・・・。
(これが、本当に局長の指示だったら・・・いや、まだ分からない・・・けど・・・。)
「貴様らぁ!!」
その時、突然一人の男が駆け寄ってきて俺の胸倉を掴んできた。
「八神ちゃん?!」
「貴様らが火をつけたんだろう?!一体何様なんだ?!治安維持と言っておいて、こんな事しやがって・・・!!絶対許さないぞ!!」
狂気の目。復讐の目。
まだ、局長の指示だと決まったわけじゃないけど・・でも、これが本当だったら・・・新撰組は・・なんてことを・・。
「・・・あ・・・。」
「何とか言えよ!!この火のせいで・・!!妻が・・!!妻が死んだんだ!!どうしてくれるんだ!!妻の腹には、子供もいたのに・・!!」
「やめや。ワシ等も確認中なんや。いくで八神ちゃん。」
沖田隊長は俺から男を引き離し、手を引いてみんな歩き出す。
後ろからはさっきの男の泣き声が聞こえてくる。
『この火のせいで・・・!!妻が・・!!妻が死んだんだ!!』
あの人は・・・大切な人を失った。子供と一緒に・・。
本当に新撰組だったら・・・殺したのは・・・新撰組が・・俺が・・・?
「・・・?おい、あそこにおるの、左之助ちゃんやないか?」
俺達の目線の先には——傷だらけの原田隊長がいた。
「・・・いいえ、大丈夫です。私も、まだ隊長としていなきゃ・・。」
「・・・そうか。ほな行くで?」
「はい。」
街に出ると、そこら中炭の臭いがした。
立派な木造の屋根は焦げ落ち、店中火を消した水だらけだった。初めて寄ったうどん屋も、仕事中に寄っていた店も、どれも全部・・・。
私の・・俺の大切な場所が・・・。
「行くで八神ちゃん、歳ちゃん達探さなあかん。」
「・・・はい。」
こういう時も、沖田隊長は冷静でいられる。
俺もしっかりしなければ・・・まだ、やる事がある・・・いつまでも沈んでいられない。
暫く歩くと、消火活動をしている隊士達に指示を出している土方副長と永倉隊長がいた。
二人はこちらに気付き、近づいてくる。
「総司、斎藤君は?」
「一ちゃんなら勇ちゃん探してるはずや。祇園の方やろか?」
「ほんなら向かうか。・・・八神、大丈夫か?」
「・・・はい。」
「行くぞ。」
焼けた街を歩いていると、所々で泣き声が聞こえてくる。
この人達は、この火で住む場所を失くした。商売する店も、稽古をする道場も、全て・・・。
(これが、本当に局長の指示だったら・・・いや、まだ分からない・・・けど・・・。)
「貴様らぁ!!」
その時、突然一人の男が駆け寄ってきて俺の胸倉を掴んできた。
「八神ちゃん?!」
「貴様らが火をつけたんだろう?!一体何様なんだ?!治安維持と言っておいて、こんな事しやがって・・・!!絶対許さないぞ!!」
狂気の目。復讐の目。
まだ、局長の指示だと決まったわけじゃないけど・・でも、これが本当だったら・・・新撰組は・・なんてことを・・。
「・・・あ・・・。」
「何とか言えよ!!この火のせいで・・!!妻が・・!!妻が死んだんだ!!どうしてくれるんだ!!妻の腹には、子供もいたのに・・!!」
「やめや。ワシ等も確認中なんや。いくで八神ちゃん。」
沖田隊長は俺から男を引き離し、手を引いてみんな歩き出す。
後ろからはさっきの男の泣き声が聞こえてくる。
『この火のせいで・・・!!妻が・・!!妻が死んだんだ!!』
あの人は・・・大切な人を失った。子供と一緒に・・。
本当に新撰組だったら・・・殺したのは・・・新撰組が・・俺が・・・?
「・・・?おい、あそこにおるの、左之助ちゃんやないか?」
俺達の目線の先には——傷だらけの原田隊長がいた。