第三部 武士達の最後
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「・・・新八、歳ちゃん。ワシ等もすぐに行く。」
「・・分かった。」
二人は何も言わずに屯所を出て行き、火を消しに向かった。
総司さんは私をずっと見つめ、少しずつ私に近付いてくる。
幻滅しましたか?父を殺した事に。だって総司さんを殺そうとしたんですよ?当然じゃないですか。
・・・・あれ、何で話せないんだろう。おかしいな。
「・・・シエル。」
私の頬に、総司さんの手が触れる。
「・・・泣いてええんやで。」
——泣く?どうして?
その言葉に、目頭が一気に熱くなった。
「・・あ、あれ・・?どうして・・。」
自分の頬に涙が流れるのを感じる。
「あ、あは・・あれ?・・え?」
愛する人を守ったんだよ?だって、殺されそうだったんだよ?
斬って当然でしょ?何で泣くの?
混乱する私を、総司さんは優しく抱きしめてくれる。
「・・辛かったな。よう頑張った。」
「総司・・さん・・?」
「どないな事があったとしても、この男はシエルの親父さんや。・・・ホンマに頑張った。だから・・泣いてええんや。」
『父上・・あの、勝てました!』
思い出したのは、幼い頃の記憶。
あれは・・道場に通ってしばらくたった頃、道場内で一番強いと言われていた男の子と試合に勝った時のこと。
何度も何度も挑んで、初めて勝てた。何度も負けて、何度も父上に怒鳴られた。
勝てた時・・・あの人は何て言ってたんだけ・・・。
『よくやったな、吾朗。』
そうだ——あの時、父上は喜んでくれていた。
道具が頑張っているとしか思っていなかったかもしれない。でも、あの頃の私には父上の笑顔はとても嬉しかった。
その笑顔が見たくて、私は頑張っている時があったんだ。
・・・でも。
もうその笑顔は、二度と見る事が出来ない。
——私が、殺した。
「あ・・あぁ・・・。」
——殺した。
私が殺した。たった一人の、私を育てた父を殺した。
もう話せない。もう会えない。もう笑顔を見れない。
本当に——私が殺したんだ。
「わああぁぁぁ!!!!」
私の絶叫が屯所内に響く。
「・・・頑張った・・・頑張ったな・・・シエルっ・・・!」
子供をあやすように、総司さんは私を抱きしめてくれる。
・・・ごめんなさい、総司さん。私は父を斬る理由にあなたを使ってしまった。
こんな私を許してくれますか?
それでもずっと傍にいてくれますか?
私が泣き止んだのは、京の火が収まったころだった。
「・・分かった。」
二人は何も言わずに屯所を出て行き、火を消しに向かった。
総司さんは私をずっと見つめ、少しずつ私に近付いてくる。
幻滅しましたか?父を殺した事に。だって総司さんを殺そうとしたんですよ?当然じゃないですか。
・・・・あれ、何で話せないんだろう。おかしいな。
「・・・シエル。」
私の頬に、総司さんの手が触れる。
「・・・泣いてええんやで。」
——泣く?どうして?
その言葉に、目頭が一気に熱くなった。
「・・あ、あれ・・?どうして・・。」
自分の頬に涙が流れるのを感じる。
「あ、あは・・あれ?・・え?」
愛する人を守ったんだよ?だって、殺されそうだったんだよ?
斬って当然でしょ?何で泣くの?
混乱する私を、総司さんは優しく抱きしめてくれる。
「・・辛かったな。よう頑張った。」
「総司・・さん・・?」
「どないな事があったとしても、この男はシエルの親父さんや。・・・ホンマに頑張った。だから・・泣いてええんや。」
『父上・・あの、勝てました!』
思い出したのは、幼い頃の記憶。
あれは・・道場に通ってしばらくたった頃、道場内で一番強いと言われていた男の子と試合に勝った時のこと。
何度も何度も挑んで、初めて勝てた。何度も負けて、何度も父上に怒鳴られた。
勝てた時・・・あの人は何て言ってたんだけ・・・。
『よくやったな、吾朗。』
そうだ——あの時、父上は喜んでくれていた。
道具が頑張っているとしか思っていなかったかもしれない。でも、あの頃の私には父上の笑顔はとても嬉しかった。
その笑顔が見たくて、私は頑張っている時があったんだ。
・・・でも。
もうその笑顔は、二度と見る事が出来ない。
——私が、殺した。
「あ・・あぁ・・・。」
——殺した。
私が殺した。たった一人の、私を育てた父を殺した。
もう話せない。もう会えない。もう笑顔を見れない。
本当に——私が殺したんだ。
「わああぁぁぁ!!!!」
私の絶叫が屯所内に響く。
「・・・頑張った・・・頑張ったな・・・シエルっ・・・!」
子供をあやすように、総司さんは私を抱きしめてくれる。
・・・ごめんなさい、総司さん。私は父を斬る理由にあなたを使ってしまった。
こんな私を許してくれますか?
それでもずっと傍にいてくれますか?
私が泣き止んだのは、京の火が収まったころだった。