第三部 武士達の最後
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「・・・父上が・・お母さんを・・?」
「ちょい待ちや。今”美鈴”言うたな。シエルちゃんのお袋さんの名前、美鈴言うんか?」
「美鈴って確か・・・。」
「・・・全ては、お嬢様が産まれる前です。」
—当時の奥様は、勤王派の一人と恋に落ちていた。
でもお父様が、つまりお嬢様の御爺様が見合いをさせたんです。
その相手が、旦那様です。
それでも二人は逢う事をやめなかった。旦那様にバレない様に。
それから暫くして、相手の男は江戸から発つと話したのです。
全ては勤王の為、力を得ると。
想いを止められない二人は、これが最後だと結ばれたのです。
”いつか必ず迎えに来る。”
その言葉を信じて、奥様はずっと待っていたのです。
お腹に宿した小さな命と一緒に・・・。ー
「・・・お腹に・・?」
「おい・・・それってまさか・・・。」
「・・・シエルちゃん?」
椿は静かに首を頷かせる。
・・・私は、父上の子供じゃなかった・・・?私はその勤王派の人とお母さんの・・・子供・・・?
「でも、せやったら何でお袋さんは殺されたんや?ほかに男がいたってバレてへんのやろ?」
「奥様は時々、男と手紙のやり取りをしていたのです。その手紙が見つかって、当時産まれたばかりのお嬢様が自分の子ではないと知って・・・・あの嵐の日に、殺したのです。」
—その時私は、当時旦那様に拾われたばかりでした。
先代から引き継いだ店を安定させるために、商いの学があった私は
ひたすら経営を学んでいました。
それが、拾ってくれた旦那様への恩返しだったからです。
そんなある日、二人の口論は聞こえたんです。
私はその部屋に近づき、そっと聞いていました。
『この子は私が育てます!あなたの道具に何かさせない!』
『美鈴よ・・これが最後の忠告だ。そいつを渡せ。
そいつは八神家の跡継ぎとして育てるのだ。』
『何が跡継ぎよ!自分の名を広めたいだけのくせに!
そんなあなたに渡すわけない!
だってこの子は・・・あの人との・・!』
『この私を裏切りやがって・・・邪魔をするな!』
『私との結婚も、地位の為でしょ?!
愛していないんでしょ?!そんな人と一緒にいるなんて
もう耐えられない!私はこの子と一緒に行きます!』
『愛していない・・だと・・・?
ふ・・・・ふざけるなぁぁ!!!!』
その後、雷と共に聞こえる奥様の悲鳴。赤ん坊の泣き声。
旦那様は血に染まった赤ん坊を抱きかかえ、狂ったように笑っていました。
『お前は・・私と、美鈴の子だ・・・ははっ・・・
八神家の、跡継ぎ・・男なのだ・・・。』
愛する人間の拒絶。そんな人間を殺めた自分。
そして目の前には——赤の他人との子供。
旦那様はあの日から、壊れてしまったんです。
そして、お嬢様の名前を”シエル”から”吾朗”という
"自分の名前"に変えたのです。
”自分の名前”を広める為にー
「ちょい待ちや。今”美鈴”言うたな。シエルちゃんのお袋さんの名前、美鈴言うんか?」
「美鈴って確か・・・。」
「・・・全ては、お嬢様が産まれる前です。」
—当時の奥様は、勤王派の一人と恋に落ちていた。
でもお父様が、つまりお嬢様の御爺様が見合いをさせたんです。
その相手が、旦那様です。
それでも二人は逢う事をやめなかった。旦那様にバレない様に。
それから暫くして、相手の男は江戸から発つと話したのです。
全ては勤王の為、力を得ると。
想いを止められない二人は、これが最後だと結ばれたのです。
”いつか必ず迎えに来る。”
その言葉を信じて、奥様はずっと待っていたのです。
お腹に宿した小さな命と一緒に・・・。ー
「・・・お腹に・・?」
「おい・・・それってまさか・・・。」
「・・・シエルちゃん?」
椿は静かに首を頷かせる。
・・・私は、父上の子供じゃなかった・・・?私はその勤王派の人とお母さんの・・・子供・・・?
「でも、せやったら何でお袋さんは殺されたんや?ほかに男がいたってバレてへんのやろ?」
「奥様は時々、男と手紙のやり取りをしていたのです。その手紙が見つかって、当時産まれたばかりのお嬢様が自分の子ではないと知って・・・・あの嵐の日に、殺したのです。」
—その時私は、当時旦那様に拾われたばかりでした。
先代から引き継いだ店を安定させるために、商いの学があった私は
ひたすら経営を学んでいました。
それが、拾ってくれた旦那様への恩返しだったからです。
そんなある日、二人の口論は聞こえたんです。
私はその部屋に近づき、そっと聞いていました。
『この子は私が育てます!あなたの道具に何かさせない!』
『美鈴よ・・これが最後の忠告だ。そいつを渡せ。
そいつは八神家の跡継ぎとして育てるのだ。』
『何が跡継ぎよ!自分の名を広めたいだけのくせに!
そんなあなたに渡すわけない!
だってこの子は・・・あの人との・・!』
『この私を裏切りやがって・・・邪魔をするな!』
『私との結婚も、地位の為でしょ?!
愛していないんでしょ?!そんな人と一緒にいるなんて
もう耐えられない!私はこの子と一緒に行きます!』
『愛していない・・だと・・・?
ふ・・・・ふざけるなぁぁ!!!!』
その後、雷と共に聞こえる奥様の悲鳴。赤ん坊の泣き声。
旦那様は血に染まった赤ん坊を抱きかかえ、狂ったように笑っていました。
『お前は・・私と、美鈴の子だ・・・ははっ・・・
八神家の、跡継ぎ・・男なのだ・・・。』
愛する人間の拒絶。そんな人間を殺めた自分。
そして目の前には——赤の他人との子供。
旦那様はあの日から、壊れてしまったんです。
そして、お嬢様の名前を”シエル”から”吾朗”という
"自分の名前"に変えたのです。
”自分の名前”を広める為にー