第三部 武士達の最後
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「お嬢様・・・グスッ・・・うぅ・・・!」
「椿、今は吾朗だ。お前は相変わらずお嬢様と呼んでくれるんだな。」
「私にとって・・・お嬢様は、たった一人のお嬢様です・・!それは、昔から変わらないです・・!」
「・・・ありがとう。連れがいるんだ。茶を用意してもらっていいか?」
「あっ・・・し、失礼いたしました!ただいま!」
椿は慌てて台所へ向かっていった。
本当に・・・相変わらずだな。
「八神ちゃん、今のは?」
「椿と言います。子供の頃から俺の世話をしてくれた父上の付き人です。」
「父上のって・・・大丈夫なのか?」
「椿はそんなんじゃありません。俺にとって、たった一人の友人です。」
そう。父上の生活を耐えられたのは、椿の存在があったからだ。
京に行くまで、店の手伝いをしながらずっと傍にいてくれていた。友人・・・ううん、家族だ。心を許せる、たった一人の・・・。
「お待たせいたしました。お二方もこちらを・・先程は失礼いたしました。改めまして、椿と申します。」
「おおきに。ワシ等は——」
「新撰組一番隊隊長、沖田総司様。同じく三番隊隊長、斎藤一様ですね。」
「なっ・・?!」
「椿は父上の付き人として、あらゆる情報を収集しているんです。」
「こりゃ新撰組の監察も敵わねぇな。」
椿の情報はどれも正確だ。
元々椿の産まれは暗躍一家だった。幕府に一家を成敗され、一人になったところを父上に拾われた。
——だから、椿は幕府の人間が嫌いだ。俺が新撰組に入るのも父上に大反対していたくらいだ。
新撰組相手に茶を出すなんて、本当は嫌なはずだ。
「お嬢様。今はもうシエル様で問題ありません。」
「・・?どうしてだ?」
「旦那様は、今江戸におりません。」
「え?!」
父上が、江戸にいない・・・?!
「そんな、江戸で戦争の準備をしていたんじゃ・・!」
「それは嘘です。そう仕向けるように私が噂を流したのです。あの方は今でも京にいます。」
「何やて?!」
「・・近藤さんも俺達も、まんまと嵌められたってのか。」
「でも椿、なんでそんな私達を騙すこと・・!」
「・・・・全ては、私のわがままです。」
椿はそれだけ言うと、改めて私に向き直った。
その表情は、真剣な目そのもの・・付き人としての椿の顔だった。
「・・・お嬢様。これからお話するのは私が調べた全てでございます。」
「椿・・・?」
「旦那様の奥様・・お嬢様のお母様のお話でございます。」
私の、お母さんの話・・・?どうして椿がそれを調べたの?
「せやけどシエルちゃんのお袋さんて、確か置いて出て行ったんやなかったか?どこかで生きとるんか?」
「・・・違います。」
「なんだと?」
「・・・奥様の名前は、八神美鈴。」
——え?美鈴?
美鈴って・・父上が私に新しくつけようとした名前じゃ・・・?
「美鈴様は——旦那様に殺されたのです。」
「椿、今は吾朗だ。お前は相変わらずお嬢様と呼んでくれるんだな。」
「私にとって・・・お嬢様は、たった一人のお嬢様です・・!それは、昔から変わらないです・・!」
「・・・ありがとう。連れがいるんだ。茶を用意してもらっていいか?」
「あっ・・・し、失礼いたしました!ただいま!」
椿は慌てて台所へ向かっていった。
本当に・・・相変わらずだな。
「八神ちゃん、今のは?」
「椿と言います。子供の頃から俺の世話をしてくれた父上の付き人です。」
「父上のって・・・大丈夫なのか?」
「椿はそんなんじゃありません。俺にとって、たった一人の友人です。」
そう。父上の生活を耐えられたのは、椿の存在があったからだ。
京に行くまで、店の手伝いをしながらずっと傍にいてくれていた。友人・・・ううん、家族だ。心を許せる、たった一人の・・・。
「お待たせいたしました。お二方もこちらを・・先程は失礼いたしました。改めまして、椿と申します。」
「おおきに。ワシ等は——」
「新撰組一番隊隊長、沖田総司様。同じく三番隊隊長、斎藤一様ですね。」
「なっ・・?!」
「椿は父上の付き人として、あらゆる情報を収集しているんです。」
「こりゃ新撰組の監察も敵わねぇな。」
椿の情報はどれも正確だ。
元々椿の産まれは暗躍一家だった。幕府に一家を成敗され、一人になったところを父上に拾われた。
——だから、椿は幕府の人間が嫌いだ。俺が新撰組に入るのも父上に大反対していたくらいだ。
新撰組相手に茶を出すなんて、本当は嫌なはずだ。
「お嬢様。今はもうシエル様で問題ありません。」
「・・?どうしてだ?」
「旦那様は、今江戸におりません。」
「え?!」
父上が、江戸にいない・・・?!
「そんな、江戸で戦争の準備をしていたんじゃ・・!」
「それは嘘です。そう仕向けるように私が噂を流したのです。あの方は今でも京にいます。」
「何やて?!」
「・・近藤さんも俺達も、まんまと嵌められたってのか。」
「でも椿、なんでそんな私達を騙すこと・・!」
「・・・・全ては、私のわがままです。」
椿はそれだけ言うと、改めて私に向き直った。
その表情は、真剣な目そのもの・・付き人としての椿の顔だった。
「・・・お嬢様。これからお話するのは私が調べた全てでございます。」
「椿・・・?」
「旦那様の奥様・・お嬢様のお母様のお話でございます。」
私の、お母さんの話・・・?どうして椿がそれを調べたの?
「せやけどシエルちゃんのお袋さんて、確か置いて出て行ったんやなかったか?どこかで生きとるんか?」
「・・・違います。」
「なんだと?」
「・・・奥様の名前は、八神美鈴。」
——え?美鈴?
美鈴って・・父上が私に新しくつけようとした名前じゃ・・・?
「美鈴様は——旦那様に殺されたのです。」