外伝ー隻眼物語ー
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源さんに言われた通り、しばらく八神ちゃんに近づかんように様子を見とった。
鍛錬、稽古、任務・・・色々こなしとるが、アイツいつ休んどるんや?何やフラフラしとるし・・・大丈夫か?
近づいて声をかけようとしたその時———
「——あれ・・・。」
「?!——八神ちゃん!」
目の前で、八神ちゃんが倒れた。
体を持ち上げると、ぐったりとして体も熱い。まさか・・・熱があるんか?こないな体で動いとったんか?
「おいどうし・・・八神?沖田、どうしたんだ?」
「一ちゃん、八神ちゃん部屋に寝かしてくる!一番隊の指示頼んだで!」
「あ、おい沖田!」
ワシの部屋に連れていき寝かせた後、救護班にありったけの水を用意させ顔周りを拭き、手拭いを乗せる。
えらい苦しそうや・・・自分で体調気付かんかったんか?
それから何人かワシは運ぶのを見たのか、隊士達が様子を見に来た。
そいつらにも話を聞いたが、八神ちゃんは本当に休む間もなく毎日屯所にきて体を動かしとったらしい。
手が空いたと思うたら稽古を申し込んだり、他の隊士の鍛錬に付き合うたりしとった。
なんでそこまで無理するんや・・・。
「・・・と、そろそろ手拭い変えなあかんな。」
そう思い手拭いを持った時、八神ちゃんが何か言うとる事に気がつく。
「・・ちち、うえ・・やめ・・・も、痛い・・嫌ぁ・・。」
(父上・・・?)
そう言う八神ちゃんは、泣いとった。
『父が望む、八神吾朗にならなきゃいけないのに・・・。』
あれは・・・ほんまにこいつの本心なのか?
泣く程嫌な夢に出る親父さんの為に、今新撰組におるんか?
あんな無理しとるんは・・・そんな親父さんの為なんか?
その後暫くして起きた八神ちゃんに、ワシは思わず聞いてしもうた。
「前に言うてたな。父上の望む八神吾朗になるって。それは・・・お前も本当になりたいんか?お前が望んどる自分なんか?」
もしそうなら、ワシはもう何も言わん。いや、何も言えん。
どうなんや八神ちゃん。ワシは・・・お前を放っておけん。
八神ちゃんは、以前見たのと同じ顔で答える。
「・・嫌に・・・決まってます・・・!」
その表情は、あん時と同じ・・・いや、それ以上に大粒の涙を流しとった。
ワシは八神ちゃんの言葉を聞きながら、どこかで見たことのあるその顔を思い出していく。
「嫌、なのに・・・駄目なんです・・・!ずっと、ずっとそうだったから!」
『ワシは・・これからずっと五郎を名乗れん。』
「俺は逆らえない!俺・・・わ、私は・・・!あの人の八神吾朗になりたくないっ!!」
『ここにおったら、ワシは甘えてまう。沖田総司になれんのや。』
「そんな人生嫌だ!!自分の人生を生きたい!!」
『いつか・・・戻れるのかのぅ・・鴨さん・・・・。』
あぁ・・・前に源さんに「まるでお前だな?」言われた意味が分かった気がする。
この表情は———平山五郎の顔や。
沖田総司として生きる事になったあの日から、何かに我慢しよるワシの表情そっくりなんや。
(そうか・・・ずっと我慢してきたんやな。)
愛おしという感情を抑えられずに、ワシは八神ちゃんを抱きしめる。
相手が男やからとか、何も考えんかった。
ただ自分の感情に従って抱きしめとった。
「・・・せやったら、ワシの八神吾朗になればええやろ。お前は、新撰組一番隊隊士の八神吾朗や。ワシの大事な隊士や。ワシの為にその腕を振るえばええ。」
そうや。ワシのもんになればええ。
そうすれば、怖い親父さんの言いなりにならんくてええんや。
「・・・それじゃアカンか?」
「・・・いえ・・・この命・・あなたの為に・・・。」
せや、それでええ。それでええんや。
お前は———ワシのもんや。
鍛錬、稽古、任務・・・色々こなしとるが、アイツいつ休んどるんや?何やフラフラしとるし・・・大丈夫か?
近づいて声をかけようとしたその時———
「——あれ・・・。」
「?!——八神ちゃん!」
目の前で、八神ちゃんが倒れた。
体を持ち上げると、ぐったりとして体も熱い。まさか・・・熱があるんか?こないな体で動いとったんか?
「おいどうし・・・八神?沖田、どうしたんだ?」
「一ちゃん、八神ちゃん部屋に寝かしてくる!一番隊の指示頼んだで!」
「あ、おい沖田!」
ワシの部屋に連れていき寝かせた後、救護班にありったけの水を用意させ顔周りを拭き、手拭いを乗せる。
えらい苦しそうや・・・自分で体調気付かんかったんか?
それから何人かワシは運ぶのを見たのか、隊士達が様子を見に来た。
そいつらにも話を聞いたが、八神ちゃんは本当に休む間もなく毎日屯所にきて体を動かしとったらしい。
手が空いたと思うたら稽古を申し込んだり、他の隊士の鍛錬に付き合うたりしとった。
なんでそこまで無理するんや・・・。
「・・・と、そろそろ手拭い変えなあかんな。」
そう思い手拭いを持った時、八神ちゃんが何か言うとる事に気がつく。
「・・ちち、うえ・・やめ・・・も、痛い・・嫌ぁ・・。」
(父上・・・?)
そう言う八神ちゃんは、泣いとった。
『父が望む、八神吾朗にならなきゃいけないのに・・・。』
あれは・・・ほんまにこいつの本心なのか?
泣く程嫌な夢に出る親父さんの為に、今新撰組におるんか?
あんな無理しとるんは・・・そんな親父さんの為なんか?
その後暫くして起きた八神ちゃんに、ワシは思わず聞いてしもうた。
「前に言うてたな。父上の望む八神吾朗になるって。それは・・・お前も本当になりたいんか?お前が望んどる自分なんか?」
もしそうなら、ワシはもう何も言わん。いや、何も言えん。
どうなんや八神ちゃん。ワシは・・・お前を放っておけん。
八神ちゃんは、以前見たのと同じ顔で答える。
「・・嫌に・・・決まってます・・・!」
その表情は、あん時と同じ・・・いや、それ以上に大粒の涙を流しとった。
ワシは八神ちゃんの言葉を聞きながら、どこかで見たことのあるその顔を思い出していく。
「嫌、なのに・・・駄目なんです・・・!ずっと、ずっとそうだったから!」
『ワシは・・これからずっと五郎を名乗れん。』
「俺は逆らえない!俺・・・わ、私は・・・!あの人の八神吾朗になりたくないっ!!」
『ここにおったら、ワシは甘えてまう。沖田総司になれんのや。』
「そんな人生嫌だ!!自分の人生を生きたい!!」
『いつか・・・戻れるのかのぅ・・鴨さん・・・・。』
あぁ・・・前に源さんに「まるでお前だな?」言われた意味が分かった気がする。
この表情は———平山五郎の顔や。
沖田総司として生きる事になったあの日から、何かに我慢しよるワシの表情そっくりなんや。
(そうか・・・ずっと我慢してきたんやな。)
愛おしという感情を抑えられずに、ワシは八神ちゃんを抱きしめる。
相手が男やからとか、何も考えんかった。
ただ自分の感情に従って抱きしめとった。
「・・・せやったら、ワシの八神吾朗になればええやろ。お前は、新撰組一番隊隊士の八神吾朗や。ワシの大事な隊士や。ワシの為にその腕を振るえばええ。」
そうや。ワシのもんになればええ。
そうすれば、怖い親父さんの言いなりにならんくてええんや。
「・・・それじゃアカンか?」
「・・・いえ・・・この命・・あなたの為に・・・。」
せや、それでええ。それでええんや。
お前は———ワシのもんや。