第二部 愛の約束
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局長から渡されたのは、国への要望が書かれた手紙だった。日本の未来の為に、近藤さんが考えた七つの要望。
そこに斎藤隊長は、階級社会を失くす事と付け加えた。それが殺された吉田東洋が、大切な人が目指していたものだと教えてくれた。
斎藤さんは、東洋との約束の為に今も戦っている。
「・・・。」
「どないした、休めんか?」
夜の海を眺めていて中々戻ってこない俺を心配したのか、沖田隊長が隣までやってきた。
どうしましたか?と聞くと、夕方寝てしまったから寝れんって言われた。全く・・・隊長らしい。
「江戸城に侵入するなんて、絶対にあり得ないですよね。」
「そないな事が経験できるなんて、ワシらは運がええの~!ヒヒヒ、今から楽しみでしゃあないわ!」
「沖田隊長は本当に戦うことが好きですね・・・今更ですけど、俺と斎藤隊長の話を盗み聞きして俺のあともつけていたなんて・・本当に趣味悪いですよ?」
「ワシに黙っておもろい話するのがアカンで。」
「それは横暴すぎかと・・・。」
「そもそも。惚れとる女が他の男と話してるの見て落ち着けるわけないやろ。」
その言葉に胸が高まり、思わず目をそらしてしまう。
本当に急に言ってくるんだから・・心臓がもたない・・・!そんな事を考えていると、沖田さんは自然に私の手を握ってきた。
横目で見ると、沖田さんは海を真剣な眼差しで見ていて。
「沖田さん?」
「・・・シエルちゃんは、親父さんを斬れるのか?」
「・・・!」
「勇ちゃんに京の為言うとったが、本当はそうやないんやろ?親父さんの事、まだ悩んどるんやろ?」
・・・この人はどうして、私の不安が分かるんだろう。父上の話は、ここにくるまでしていなかったのに。
・・・京の為は嘘じゃない。その気持ちは本当。でも・・父上の事で悩んでるのは確か。
恨んでないわけじゃない。でも・・私にとって、たった一人の血のつながった家族。
「・・・私の人生は、本当に地獄のようなものでした。女として生きる事を許されず、男として生きてきたのに・・・終いには子供を産めと言われて・・・。確かに父上を殺せば、斎藤さんの言う通り自由になれます。でも、その先が分からないんです。この暗い海の様に・・・どう生きればいいのか、分からないんです。」
幕府が終われば、いずれ新撰組の役目も終わってしまう。沖田さん達の戦う理由がなくなる。新撰組の為、沖田さんの為に戦うと誓った——八神吾朗の役目も終わってしまう。
そうなると、八神シエルとして生きれることになるけど・・・生きる理由がない。自由という言葉に心が響かないのは、いままでシエルとして生きたことがなかったからだ。理由がないと私は生きてけない。
この先の人生が怖い。何もなく生きるなんて・・・私には、とても難しい。
「せやったら、ワシが理由になったろか?」
そこに斎藤隊長は、階級社会を失くす事と付け加えた。それが殺された吉田東洋が、大切な人が目指していたものだと教えてくれた。
斎藤さんは、東洋との約束の為に今も戦っている。
「・・・。」
「どないした、休めんか?」
夜の海を眺めていて中々戻ってこない俺を心配したのか、沖田隊長が隣までやってきた。
どうしましたか?と聞くと、夕方寝てしまったから寝れんって言われた。全く・・・隊長らしい。
「江戸城に侵入するなんて、絶対にあり得ないですよね。」
「そないな事が経験できるなんて、ワシらは運がええの~!ヒヒヒ、今から楽しみでしゃあないわ!」
「沖田隊長は本当に戦うことが好きですね・・・今更ですけど、俺と斎藤隊長の話を盗み聞きして俺のあともつけていたなんて・・本当に趣味悪いですよ?」
「ワシに黙っておもろい話するのがアカンで。」
「それは横暴すぎかと・・・。」
「そもそも。惚れとる女が他の男と話してるの見て落ち着けるわけないやろ。」
その言葉に胸が高まり、思わず目をそらしてしまう。
本当に急に言ってくるんだから・・心臓がもたない・・・!そんな事を考えていると、沖田さんは自然に私の手を握ってきた。
横目で見ると、沖田さんは海を真剣な眼差しで見ていて。
「沖田さん?」
「・・・シエルちゃんは、親父さんを斬れるのか?」
「・・・!」
「勇ちゃんに京の為言うとったが、本当はそうやないんやろ?親父さんの事、まだ悩んどるんやろ?」
・・・この人はどうして、私の不安が分かるんだろう。父上の話は、ここにくるまでしていなかったのに。
・・・京の為は嘘じゃない。その気持ちは本当。でも・・父上の事で悩んでるのは確か。
恨んでないわけじゃない。でも・・私にとって、たった一人の血のつながった家族。
「・・・私の人生は、本当に地獄のようなものでした。女として生きる事を許されず、男として生きてきたのに・・・終いには子供を産めと言われて・・・。確かに父上を殺せば、斎藤さんの言う通り自由になれます。でも、その先が分からないんです。この暗い海の様に・・・どう生きればいいのか、分からないんです。」
幕府が終われば、いずれ新撰組の役目も終わってしまう。沖田さん達の戦う理由がなくなる。新撰組の為、沖田さんの為に戦うと誓った——八神吾朗の役目も終わってしまう。
そうなると、八神シエルとして生きれることになるけど・・・生きる理由がない。自由という言葉に心が響かないのは、いままでシエルとして生きたことがなかったからだ。理由がないと私は生きてけない。
この先の人生が怖い。何もなく生きるなんて・・・私には、とても難しい。
「せやったら、ワシが理由になったろか?」