第二部 愛の約束
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「大丈夫か?しんどいか?」
「・・・な、んと・・か・・・。」
「・・・せや、水飲むか?持ってきたる。」
「——!いやっ・・・!おき、たさ・・・!」
思わず羽織を掴んでしまった。
「・・シエル・・?」
「おねがっ・・今、ひと・・り、いやっ・・・。」
一人になると、絶対にまた思い出してしまう。
一人は嫌。ここにいて、沖田さん。
私の気持ちを察してくれたのか、沖田さんは横になり私の手を握ってくれた。
「大丈夫や。ここにおる。・・・もう少し休んだら帰ろな?」
「・・・はい・・・。」
(沖田さんの手・・・・暖かい・・・。)
まともに動けるようになったのは、それから一時間後。それでもまだ足元がおぼつかず、沖田さんの肩を借りながら歩いている。
「無理してへんか?もう少しゆっくり歩こか?」
「・・めだっちゃ・・・だか、ら・・だいじょ・・。」
「せやけど・・・シエル・・・!」
頭が少し冷静になれた。
吾朗に切り替えられない今、変に屯所内で目立つのはまずい。シエルのままで男の仕草なんてできない・・早く屯所を出ないと、このままじゃ・・・。
「おや。これは沖田さんに八神さん。一体どうしたんですかな?」
「・・伊東はん・・っ!」
新撰組参謀、伊東甲子太郎。
次期局長を狙う男・・・沖田さんが敵対視してるから、私もまともに話したことがなかった。
よりによってこんな時に・・・っ・・。
「随分弱っていますなぁ。そんなんで隊長をしているとは・・・いやはや、局長も何を考えているのやら。」
「弱っとる人間に対してそないな事言うとは、参謀としてどうなんかのう。通しとくれ、早う家に送らなアカンのや。」
横を通ろうとする私達を、伊東さんは静止してくる。
「いやはや一番隊隊長がそこまでされるとは・・平隊士にでもやらせればいいでしょうに。よほど親密なのですなぁ。」
「何が言いたいんや。」
「いやなに、やたら君達二人が一緒にいると聞きましてね?中には念友ではないかとも噂になっていてな。隊の中でそういった関係は見逃せないんでねぇ。」
・・・何その話、私達を疑ってる?
「伊東はん、八神は今それどころやないやろ。通してやれ。」
「おや永倉君。君も随分肩をもつな?」
「いい加減にしたらどうなんだ伊東。八神も新撰組の仲間だ。いちいち細かく言ってんじゃねぇよ。」
「斎藤君、君までもか・・いやはや、これはいかがなものか・・。」
・・・吾朗だったら、うまく話せるのに・・・。
どうしよう、このままじゃ・・・。
「念友やったらあかんのか?」
「え・・?わっ・・・!」
そう言いながら沖田さんは私の足に手をかけ抱き上げた。
お、沖田さん、何を・・・?!こんな事したら余計に・・・!
「・・・それは二人の関係を認めるという事ですか?隊長同士でそのような事は、許されるものではないでしょう。」
「せやったら武田はどうやねん。平隊士相手やったら何でもしてええっちゅう事か?」
「ぐっ・・・そ、それは・・・。」
沖田さん・・?
「ワシは八神ちゃんが好きや。それの何がアカンのや。・・・ちなみに局長のお墨付きや。あんたの言う事なんかどうでもええわ。」
「何っ・・・?!」
「・・・分かったら早よどけ。コイツは今苦しんどるんや。・・・おおきにな、新八ちゃん、一ちゃん。」
沖田さんの堂々とした態度に何とも言えなくなったのか、伊東さんは何も言えず立ち往生していた。
永倉さんと斎藤さんに少し目を向けると、口角を少し上げていた。
(・・・絶対ざまあみろって思ってる。)
私を抱き上げたまま屯所を後にした沖田さんは、石段を下りている途中に私を見る。
「ヒヒッ見たかあの伊東はんの顔!おかげでスッキリしたわ!」
「・・・おきたさ・・どうして、あんな事・・?」
どうして念友なんて言ったの?
そんなこと言ったら、沖田さんが変な目で見られてしまう。
「周りの奴の言う事なんかどうでもええわ。ワシは惚れた女を守りたいだけや。・・・ヒヒッ、おかげで屯所でも遠慮なく一緒にいれるわ!」
「おきた、さん・・・。」
「・・・シエルちゃんはなんも気にする事あらへん。ワシが守るいうたやろ?」
沖田さんの言葉に心が躍る。
そうだ・・・守るって言ってくれていた・・。嬉しい・・。
無事に家に着き、沖田さんは私を布団に寝かせて落ち着くまで手を握ってくれていた。事情を話してくれるまで待っててくれた。
・・・本当はもう話せるけど、二人のこの時間が嬉しくて話さなかったのは内緒の話。
「・・・な、んと・・か・・・。」
「・・・せや、水飲むか?持ってきたる。」
「——!いやっ・・・!おき、たさ・・・!」
思わず羽織を掴んでしまった。
「・・シエル・・?」
「おねがっ・・今、ひと・・り、いやっ・・・。」
一人になると、絶対にまた思い出してしまう。
一人は嫌。ここにいて、沖田さん。
私の気持ちを察してくれたのか、沖田さんは横になり私の手を握ってくれた。
「大丈夫や。ここにおる。・・・もう少し休んだら帰ろな?」
「・・・はい・・・。」
(沖田さんの手・・・・暖かい・・・。)
まともに動けるようになったのは、それから一時間後。それでもまだ足元がおぼつかず、沖田さんの肩を借りながら歩いている。
「無理してへんか?もう少しゆっくり歩こか?」
「・・めだっちゃ・・・だか、ら・・だいじょ・・。」
「せやけど・・・シエル・・・!」
頭が少し冷静になれた。
吾朗に切り替えられない今、変に屯所内で目立つのはまずい。シエルのままで男の仕草なんてできない・・早く屯所を出ないと、このままじゃ・・・。
「おや。これは沖田さんに八神さん。一体どうしたんですかな?」
「・・伊東はん・・っ!」
新撰組参謀、伊東甲子太郎。
次期局長を狙う男・・・沖田さんが敵対視してるから、私もまともに話したことがなかった。
よりによってこんな時に・・・っ・・。
「随分弱っていますなぁ。そんなんで隊長をしているとは・・・いやはや、局長も何を考えているのやら。」
「弱っとる人間に対してそないな事言うとは、参謀としてどうなんかのう。通しとくれ、早う家に送らなアカンのや。」
横を通ろうとする私達を、伊東さんは静止してくる。
「いやはや一番隊隊長がそこまでされるとは・・平隊士にでもやらせればいいでしょうに。よほど親密なのですなぁ。」
「何が言いたいんや。」
「いやなに、やたら君達二人が一緒にいると聞きましてね?中には念友ではないかとも噂になっていてな。隊の中でそういった関係は見逃せないんでねぇ。」
・・・何その話、私達を疑ってる?
「伊東はん、八神は今それどころやないやろ。通してやれ。」
「おや永倉君。君も随分肩をもつな?」
「いい加減にしたらどうなんだ伊東。八神も新撰組の仲間だ。いちいち細かく言ってんじゃねぇよ。」
「斎藤君、君までもか・・いやはや、これはいかがなものか・・。」
・・・吾朗だったら、うまく話せるのに・・・。
どうしよう、このままじゃ・・・。
「念友やったらあかんのか?」
「え・・?わっ・・・!」
そう言いながら沖田さんは私の足に手をかけ抱き上げた。
お、沖田さん、何を・・・?!こんな事したら余計に・・・!
「・・・それは二人の関係を認めるという事ですか?隊長同士でそのような事は、許されるものではないでしょう。」
「せやったら武田はどうやねん。平隊士相手やったら何でもしてええっちゅう事か?」
「ぐっ・・・そ、それは・・・。」
沖田さん・・?
「ワシは八神ちゃんが好きや。それの何がアカンのや。・・・ちなみに局長のお墨付きや。あんたの言う事なんかどうでもええわ。」
「何っ・・・?!」
「・・・分かったら早よどけ。コイツは今苦しんどるんや。・・・おおきにな、新八ちゃん、一ちゃん。」
沖田さんの堂々とした態度に何とも言えなくなったのか、伊東さんは何も言えず立ち往生していた。
永倉さんと斎藤さんに少し目を向けると、口角を少し上げていた。
(・・・絶対ざまあみろって思ってる。)
私を抱き上げたまま屯所を後にした沖田さんは、石段を下りている途中に私を見る。
「ヒヒッ見たかあの伊東はんの顔!おかげでスッキリしたわ!」
「・・・おきたさ・・どうして、あんな事・・?」
どうして念友なんて言ったの?
そんなこと言ったら、沖田さんが変な目で見られてしまう。
「周りの奴の言う事なんかどうでもええわ。ワシは惚れた女を守りたいだけや。・・・ヒヒッ、おかげで屯所でも遠慮なく一緒にいれるわ!」
「おきた、さん・・・。」
「・・・シエルちゃんはなんも気にする事あらへん。ワシが守るいうたやろ?」
沖田さんの言葉に心が躍る。
そうだ・・・守るって言ってくれていた・・。嬉しい・・。
無事に家に着き、沖田さんは私を布団に寝かせて落ち着くまで手を握ってくれていた。事情を話してくれるまで待っててくれた。
・・・本当はもう話せるけど、二人のこの時間が嬉しくて話さなかったのは内緒の話。