第二部 愛の約束
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家に帰り私は隊服を着替え湯を張る。
いつ帰ってきてもいいようにしなきゃ。・・・そういえば、シエルとして沖田さんの帰りを待つの、ろくになかったな。
今までお互い忙しくて待つなんて———
「・・ううん、違う。沖田さんは待っててくれてた。」
自分だって疲れてるのに湯を沸かしてくれたり、昨日みたいに気をつかって何かを買ってきてくれていたり。
それなのに私は、吾朗として隊長の仕事をするのが精一杯で、家でのあの人をちゃんと見ていなかった。女として・・あの人を待っていなかった。
「・・・ふぅ・・・。」
それにしても・・・眠い・・・夜勤明けで昨日もあんまり寝れなかったからなぁ・・・。
でも今日は起きてなきゃ。沖田さんをちゃんと待たなきゃ。
沖田さんを待つこと一時間。
うとうとしながら待っていると、玄関の戸が開く音が聞こえた。急いで立ち上がって向かうと、疲労した沖田さんがいる。
その目は、旭屋を出る時と同じどこか辛くて寂しそうな目。
「何やシエルちゃん、起きとったんか?寝ててよかったんやで?」
「いえ、起きていたかったんです。・・・おかえりなさい、沖田さん。」
「おう、ただいま。・・・何や照れるのぅ。」
「・・・ふふっ確かに。」
まともにおかえりなさいって言ったの、初めてだもんね。
「お風呂入りますか?温度良い具合だと思いますよ。」
「ん。おおきに。」
沖田さんは草鞋を脱ぎ、風呂場へ向か——おうとしたら、振り返って私を見た。
「・・・一緒にはいらんか?」
————はい?
「え、い、一緒に?」
「今日は寒いからのぅ。シエルちゃんもあったまろうや。」
沖田さんがそんな事言うなんて珍しい・・・。
でも、元気のない沖田さんを放っておくのも嫌。
「わ、分かりました。」
「ん。ほな行くか。」
そう言われ差し伸べられた握ると、沖田さんの手は確かに冷たかった。
冷たかったけど・・・。
(今日、そんなに寒かったかな・・・。)
着物を脱ぎ五右衛門風呂に入ると、沖田さんは私を包むように後ろから抱きしめてきた。
・・・一緒に入るなんて初めてだから、緊張する・・・。
横目で沖田さんを見ると、その目はどこか遠くを見ているような目だった。
・・・そんなに襲撃で疲れたのかな・・。
「・・沖田さん、大丈夫ですか?」
「・・ん・・大丈夫や。」
「坂本龍馬はどうなりました?」
「・・・そういう話は家でしない約束やで。」
「でも——。」
「疲れただけや、何でもあらへん。・・・今は吾朗やなくてシエルちゃんやろ。このままにさせてくれ。」
頑なに話そうとしない。
確かに家では新撰組の話はしないって約束だけど・・・沖田さんがこんなに覇気がないの、初めてなんだもん。
心配になっちゃうよ・・・。
私は、大好きな人を元気にしたいのに・・・。
いつ帰ってきてもいいようにしなきゃ。・・・そういえば、シエルとして沖田さんの帰りを待つの、ろくになかったな。
今までお互い忙しくて待つなんて———
「・・ううん、違う。沖田さんは待っててくれてた。」
自分だって疲れてるのに湯を沸かしてくれたり、昨日みたいに気をつかって何かを買ってきてくれていたり。
それなのに私は、吾朗として隊長の仕事をするのが精一杯で、家でのあの人をちゃんと見ていなかった。女として・・あの人を待っていなかった。
「・・・ふぅ・・・。」
それにしても・・・眠い・・・夜勤明けで昨日もあんまり寝れなかったからなぁ・・・。
でも今日は起きてなきゃ。沖田さんをちゃんと待たなきゃ。
沖田さんを待つこと一時間。
うとうとしながら待っていると、玄関の戸が開く音が聞こえた。急いで立ち上がって向かうと、疲労した沖田さんがいる。
その目は、旭屋を出る時と同じどこか辛くて寂しそうな目。
「何やシエルちゃん、起きとったんか?寝ててよかったんやで?」
「いえ、起きていたかったんです。・・・おかえりなさい、沖田さん。」
「おう、ただいま。・・・何や照れるのぅ。」
「・・・ふふっ確かに。」
まともにおかえりなさいって言ったの、初めてだもんね。
「お風呂入りますか?温度良い具合だと思いますよ。」
「ん。おおきに。」
沖田さんは草鞋を脱ぎ、風呂場へ向か——おうとしたら、振り返って私を見た。
「・・・一緒にはいらんか?」
————はい?
「え、い、一緒に?」
「今日は寒いからのぅ。シエルちゃんもあったまろうや。」
沖田さんがそんな事言うなんて珍しい・・・。
でも、元気のない沖田さんを放っておくのも嫌。
「わ、分かりました。」
「ん。ほな行くか。」
そう言われ差し伸べられた握ると、沖田さんの手は確かに冷たかった。
冷たかったけど・・・。
(今日、そんなに寒かったかな・・・。)
着物を脱ぎ五右衛門風呂に入ると、沖田さんは私を包むように後ろから抱きしめてきた。
・・・一緒に入るなんて初めてだから、緊張する・・・。
横目で沖田さんを見ると、その目はどこか遠くを見ているような目だった。
・・・そんなに襲撃で疲れたのかな・・。
「・・沖田さん、大丈夫ですか?」
「・・ん・・大丈夫や。」
「坂本龍馬はどうなりました?」
「・・・そういう話は家でしない約束やで。」
「でも——。」
「疲れただけや、何でもあらへん。・・・今は吾朗やなくてシエルちゃんやろ。このままにさせてくれ。」
頑なに話そうとしない。
確かに家では新撰組の話はしないって約束だけど・・・沖田さんがこんなに覇気がないの、初めてなんだもん。
心配になっちゃうよ・・・。
私は、大好きな人を元気にしたいのに・・・。
