第二部 愛の約束
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「くそっ・・・何なんだありゃ?!」
その後原田隊長も街へ向かった。
暴走を止める為に藤堂隊長は原田隊長を、斎藤隊長は沖田隊長を止めに向かった。
沖田隊長・・・今まで見たことがない怒りだった。確かに井上隊長と親しかったけど、あそこまで・・・。
「八神君。源さんを一緒に弔ってくれ。」
「・・・分かりました・・・。」
隊士達に手伝ってもらい、屯所内の大きな銀杏の木の下に穴を掘った。
この場所は、いつも井上隊長が立っていた場所。ここで何度も話を聞いてくれて、隊士達の指導も自分から積極的だった。新撰組にとって、かけがえのない存在だった。
そんな井上隊長が———いないなんて。
副長に目を向けると、少し寂し気な雰囲気を纏いつつもいつもと変わらぬ表情で源さんを埋めている。
「・・・副長は・・・大丈夫なのですか・・・?」
「・・・何度も見てきたからな。立ち止まっていられない。新撰組を存続させるためにはな。」
「・・・。」
そうだ・・この人は、ここの人達は何人もの死を見てきたんだ。
日の浅い俺には・・切り替えなんてすぐできない・・・。
「・・・副長。」
「何だ?」
「・・・俺は、偽善者なのでしょうか・・・ここにいて、大丈夫なのでしょうか・・・。」
俺の考えは・・まだ甘い。
歴戦を潜り抜けてきたみんなにとって、苛立たせるのも当然なのかもしれない。だから沖田隊長と・・ぶつかってしまうのかもな。
「・・・確かに君の考えはまだまだ甘い。時々羨ましいと思うくらいな。その甘い考えが、いつか新撰組の枷になってしまう可能性は充分にある。」
「・・・ではなぜ俺を隊長にしたのですか?そんな考えの人間が隊長なんて・・・。」
「必要だと思ったからだ。」
「——え?」
俺の考えが必要?
「何も考えず突っ走る人間程、自分が危機になる事に気付かない。冷静に判断できる人間が必要なのだ。だから隊長に任命しただけだ。源さんの強い推薦があってな。・・・あの狂犬を抑えらえるのは、君だけだとな。」
「井上隊長が・・・?俺・・だけ・・?」
「・・・総司にとって、君はそういう存在なんだろう。源さんはそう思っていたから君の事を見ていたはずだ。——八神君の事も、シエルの事もな。」
「——ッ・・・!」
井上隊長・・・あなたは、そこまで考えてくれていたのですか・・?
俺と・・私と沖田さんの事を、そこまで・・・。
「うっ・・うぅっ・・・!」
涙が止まらなかった。こんなに思われていたなんて知らなかった。
誰かにこんなに思われるのが、こんなに嬉しいなんて知らなかった・・・。
「・・・シエル・・。」
「・・・グスッ・・・ごめん、なさっ・・・。」
「構わない。・・だがここは屯所だ。」
そう言うと土方さんは私の後ろに周りから見えないように立っていた。
「少しだけだ。」
「っ・・ひじ、かたさ・・・!」
それは土方さんの優しさだった。
その不器用な優しさに甘えて、私は静かに泣きながら源さんに誓った。
『総司の傍にいてやってくれ。』
———源さん。源さんと最後に交わした約束、必ず果たします。
シエルとしても、吾朗としても。
だから・・・ここで見守っていてください。
「・・・ありがとうございます副長。俺も・・沖田隊長を探しに行きます。」
「分かった。頼むぞ。」
「はいっ!」
俺は屯所を後にし街へ向かった。
最後の約束を守る為に。
その後原田隊長も街へ向かった。
暴走を止める為に藤堂隊長は原田隊長を、斎藤隊長は沖田隊長を止めに向かった。
沖田隊長・・・今まで見たことがない怒りだった。確かに井上隊長と親しかったけど、あそこまで・・・。
「八神君。源さんを一緒に弔ってくれ。」
「・・・分かりました・・・。」
隊士達に手伝ってもらい、屯所内の大きな銀杏の木の下に穴を掘った。
この場所は、いつも井上隊長が立っていた場所。ここで何度も話を聞いてくれて、隊士達の指導も自分から積極的だった。新撰組にとって、かけがえのない存在だった。
そんな井上隊長が———いないなんて。
副長に目を向けると、少し寂し気な雰囲気を纏いつつもいつもと変わらぬ表情で源さんを埋めている。
「・・・副長は・・・大丈夫なのですか・・・?」
「・・・何度も見てきたからな。立ち止まっていられない。新撰組を存続させるためにはな。」
「・・・。」
そうだ・・この人は、ここの人達は何人もの死を見てきたんだ。
日の浅い俺には・・切り替えなんてすぐできない・・・。
「・・・副長。」
「何だ?」
「・・・俺は、偽善者なのでしょうか・・・ここにいて、大丈夫なのでしょうか・・・。」
俺の考えは・・まだ甘い。
歴戦を潜り抜けてきたみんなにとって、苛立たせるのも当然なのかもしれない。だから沖田隊長と・・ぶつかってしまうのかもな。
「・・・確かに君の考えはまだまだ甘い。時々羨ましいと思うくらいな。その甘い考えが、いつか新撰組の枷になってしまう可能性は充分にある。」
「・・・ではなぜ俺を隊長にしたのですか?そんな考えの人間が隊長なんて・・・。」
「必要だと思ったからだ。」
「——え?」
俺の考えが必要?
「何も考えず突っ走る人間程、自分が危機になる事に気付かない。冷静に判断できる人間が必要なのだ。だから隊長に任命しただけだ。源さんの強い推薦があってな。・・・あの狂犬を抑えらえるのは、君だけだとな。」
「井上隊長が・・・?俺・・だけ・・?」
「・・・総司にとって、君はそういう存在なんだろう。源さんはそう思っていたから君の事を見ていたはずだ。——八神君の事も、シエルの事もな。」
「——ッ・・・!」
井上隊長・・・あなたは、そこまで考えてくれていたのですか・・?
俺と・・私と沖田さんの事を、そこまで・・・。
「うっ・・うぅっ・・・!」
涙が止まらなかった。こんなに思われていたなんて知らなかった。
誰かにこんなに思われるのが、こんなに嬉しいなんて知らなかった・・・。
「・・・シエル・・。」
「・・・グスッ・・・ごめん、なさっ・・・。」
「構わない。・・だがここは屯所だ。」
そう言うと土方さんは私の後ろに周りから見えないように立っていた。
「少しだけだ。」
「っ・・ひじ、かたさ・・・!」
それは土方さんの優しさだった。
その不器用な優しさに甘えて、私は静かに泣きながら源さんに誓った。
『総司の傍にいてやってくれ。』
———源さん。源さんと最後に交わした約束、必ず果たします。
シエルとしても、吾朗としても。
だから・・・ここで見守っていてください。
「・・・ありがとうございます副長。俺も・・沖田隊長を探しに行きます。」
「分かった。頼むぞ。」
「はいっ!」
俺は屯所を後にし街へ向かった。
最後の約束を守る為に。