第二部 愛の約束
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「全くこの二人は・・・おい新八、帰るぞ。」
「あはは・・・起きないですね。もう少し寝かせておきましょう?」
「すまないなシエル。お前も疲れているだろう。」
「いえ、大丈夫です。熱燗呑みますか?温めてたんです。」
「いただこう。」
源さんに熱燗を注ぎ、二人で縁側に座って月を見ながら飲んでいた。・・・絵になるなぁ、満月を見ながら飲む源さん。
「生活には慣れたか?気持ちの切り替えが多いと大変だろう。」
「まぁ正直に言うと・・・でも、どっちの私も心から楽しく過ごせています。こんな幸せな気持ち生まれて初めてです。」
「そうか。ならいいんだ。」
「・・・源さん、いつもありがとうございます。」
「俺は礼を言われることはしていないさ。」
そんな事ない。源さんはいつも私の事を気にしてくれている。
正確にいうと、”私”と”吾朗”の事を。私には生活の事、吾朗には新撰組の事を聞いてくれている。
それだけでも充分助かっている。料理も少しできるようになってきたし、隊長の責務もなんとこなせている。
「お前が隊長になってから隊士達の士気が上がっている。お前の存在はそれほどのものなのだろう。それに・・・総司にとってもだ。」
「・・・喧嘩するのにですか?」
「以前は幹部会すらまともにいたことがなかったアイツが、お前がいてからまともに参加している。慣れてないことを言おうとするから喧嘩につながるんだ。いい刺激だ。」
・・・そういえば一番隊にいた頃、遠目で幹部会を見た時いっつも寝てた気がする・・・。
「俺からしたらシエルには感謝しかない。」
「え?」
「総司を・・あいつを好いてくれて本当にありがとう。」
「源さん・・・。」
「この先必ず大きな戦が起きる。その時も総司の傍にいてやってくれ。あいつにお前は必要な存在なんだ。」
「・・っ・・・。」
思わず涙が出てしまった。
こんな私を必要としてくれている・・源さんから見たらそう見えてるんだよね。
凄く嬉しい・・・。
泣いてしまう私の頭を源さんが優しく撫でてくれる。
(・・・源さんがお父さんだったらよかったのに・・・。)
「・・・さて、俺はそろそろ帰る。悪いが新八はこのままでいいか?起きる気配がないしな。」
「大丈夫ですけど・・お一人で大丈夫ですか?」
「俺も仮にも隊長だ。・・心配ありがとう。大丈夫だ。」
そう言うと源さんは羽織を着て玄関へ向かう。
お見送りをしようとついて行ったが玄関先でいいと止められた。
「じゃあなシエル。また屯所で。」
「はい、源さんもお気をつけて。」
———これが源さんとの最後の会話になるとは思いもしなかった。
「——?———。」
「———!」
・・・ん・・・?誰か来てる・・・・?
寝起きでよく会話が聞こえなかったけど、沖田さんと永倉さんが誰かと話しているのは分かった。
体を起こして呆けていると、沖田さん達が戻ってきた。
「シエルちゃん、悪いけど準備してくれや。」
「沖田さん・・何かあったんですか?」
「緊急招集や。」
「緊急招集?」
朝から緊急招集があるなんて・・・何があったんだろう?
俺に切り替えて、隊長達と屯所へ向かう。
着いた屯所内は、今までになく騒がしかった。
隊士に誘導され広場まで行くと、藁に挟まれた一つの死体があった。
「何や間者でも見つけたんか?」
「・・・。」
「副長?どないした?」
副長が黙っている。どうして・・この死体は一体・・。
そう思い改めてその死体を眺めると、見覚えのある銀髪なのに気がついた。
『また屯所で。』
まさか———
「八神君っ。」
副長の言葉に反応せず、顔の部分の藁をめくると———
「———?!・・・井上、隊長・・・・?」
それは変わり果てた井上隊長の姿だった。
「あはは・・・起きないですね。もう少し寝かせておきましょう?」
「すまないなシエル。お前も疲れているだろう。」
「いえ、大丈夫です。熱燗呑みますか?温めてたんです。」
「いただこう。」
源さんに熱燗を注ぎ、二人で縁側に座って月を見ながら飲んでいた。・・・絵になるなぁ、満月を見ながら飲む源さん。
「生活には慣れたか?気持ちの切り替えが多いと大変だろう。」
「まぁ正直に言うと・・・でも、どっちの私も心から楽しく過ごせています。こんな幸せな気持ち生まれて初めてです。」
「そうか。ならいいんだ。」
「・・・源さん、いつもありがとうございます。」
「俺は礼を言われることはしていないさ。」
そんな事ない。源さんはいつも私の事を気にしてくれている。
正確にいうと、”私”と”吾朗”の事を。私には生活の事、吾朗には新撰組の事を聞いてくれている。
それだけでも充分助かっている。料理も少しできるようになってきたし、隊長の責務もなんとこなせている。
「お前が隊長になってから隊士達の士気が上がっている。お前の存在はそれほどのものなのだろう。それに・・・総司にとってもだ。」
「・・・喧嘩するのにですか?」
「以前は幹部会すらまともにいたことがなかったアイツが、お前がいてからまともに参加している。慣れてないことを言おうとするから喧嘩につながるんだ。いい刺激だ。」
・・・そういえば一番隊にいた頃、遠目で幹部会を見た時いっつも寝てた気がする・・・。
「俺からしたらシエルには感謝しかない。」
「え?」
「総司を・・あいつを好いてくれて本当にありがとう。」
「源さん・・・。」
「この先必ず大きな戦が起きる。その時も総司の傍にいてやってくれ。あいつにお前は必要な存在なんだ。」
「・・っ・・・。」
思わず涙が出てしまった。
こんな私を必要としてくれている・・源さんから見たらそう見えてるんだよね。
凄く嬉しい・・・。
泣いてしまう私の頭を源さんが優しく撫でてくれる。
(・・・源さんがお父さんだったらよかったのに・・・。)
「・・・さて、俺はそろそろ帰る。悪いが新八はこのままでいいか?起きる気配がないしな。」
「大丈夫ですけど・・お一人で大丈夫ですか?」
「俺も仮にも隊長だ。・・心配ありがとう。大丈夫だ。」
そう言うと源さんは羽織を着て玄関へ向かう。
お見送りをしようとついて行ったが玄関先でいいと止められた。
「じゃあなシエル。また屯所で。」
「はい、源さんもお気をつけて。」
———これが源さんとの最後の会話になるとは思いもしなかった。
「——?———。」
「———!」
・・・ん・・・?誰か来てる・・・・?
寝起きでよく会話が聞こえなかったけど、沖田さんと永倉さんが誰かと話しているのは分かった。
体を起こして呆けていると、沖田さん達が戻ってきた。
「シエルちゃん、悪いけど準備してくれや。」
「沖田さん・・何かあったんですか?」
「緊急招集や。」
「緊急招集?」
朝から緊急招集があるなんて・・・何があったんだろう?
俺に切り替えて、隊長達と屯所へ向かう。
着いた屯所内は、今までになく騒がしかった。
隊士に誘導され広場まで行くと、藁に挟まれた一つの死体があった。
「何や間者でも見つけたんか?」
「・・・。」
「副長?どないした?」
副長が黙っている。どうして・・この死体は一体・・。
そう思い改めてその死体を眺めると、見覚えのある銀髪なのに気がついた。
『また屯所で。』
まさか———
「八神君っ。」
副長の言葉に反応せず、顔の部分の藁をめくると———
「———?!・・・井上、隊長・・・・?」
それは変わり果てた井上隊長の姿だった。