第一部 仮面の選択
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二人になった部屋は、不気味なくらい静かだった。
・・・目を合わせられない・・・よく考えたら、私みんなの前で思いっきり告白したんだよね・・・?!
ど、どうしよう・・・!沖田さんさっきから話してくれないし・・!
「シエルちゃん。」
「は、はいっ?!」
「・・・ホンマにええんか?」
「・・?」
沖田さん・・?
少し目を伏せながら私に顔を向ける。
「親父さんから逃げて新しい人生を始めるんも良かったんやで。新撰組におったら、死ぬまでいる事になる。隊を脱するは死。その掟がある限り、絶対や。・・・それでも新撰組に・・・ワシの傍にいてくれるんか?」
「沖田さん・・・。」
確かに、その選択もあった。
今この京を出ていけば、もしかしたら二度と父上に会わなくて済むかもしれない。新しい土地で、新しい人生を始められるかもしれない。
それでも・・・。
「・・私は、八神吾朗として沖田さんの為に生きると決めていたんです。そして・・・八神シエルとして、沖田さんの事を心から好いています。それに・・・私は新撰組のみんなが好きです。」
「みんな?」
「はい。」
あんな事があったのに、あんな話をしたのに、さっきのみんなは変わらない目で私を見てくれていた。
それは、沖田さんも同じ。でもそれだけじゃない。
「吾朗として演じていたのに、あんなに心から楽しいと思った毎日はありませんでした。私にとって新撰組はみんなと出会えた、大切な場所です。その場所にいていいと言われて・・嬉しかったんです。」
「シエルちゃん・・・。」
「私の毎日は偽りのものでしかありません。でも、新撰組を・・沖田さんを好きというこの気持ちは、偽りなんかじゃありません。沖田さん・・・あなたの事が好きです。お傍に、いさせてください。」
「・・・シエル・・・!」
沖田さんは私を強く抱きしめてきた。私もそれに応えるように背中に手を回す。
この温もりが大好き。このゴツゴツとした体が大好き。この人の優しさが大好き。この人の全てが大好き。
「シエル・・・」
「・・あ・・・。」
名前を呼ばれてその顔を見ると、私達は深い口付けを交わした。
沖田さんに頭を押さえられ、私も求めるように首に手を回す。ふと目を開けると、目が合った。それをきっかけに、もっと舌を絡ませ求めあう。
「ん・・・ふぅ、んぅ・・・。」
「・・まだ、体震えとる・・・。」
「・・いい、です・・・もっと、沖田さんを・・。」
「・・・すまん。ワシもや。」
止まらない深い口付け。互いの唇の間から涎が垂れてくるけど、そんなの気にならない。正確には、それどころじゃない。
ただ求めるのに頭がいっぱい。
その少し後唇が離れると、口から涎の糸がひかれる。その糸を沖田さんが指で拭い、それを舐める。
「・・・初めて会うた時から、ワシは惚れてたのかもしれんな。ずっと放っておけんかったんや。頭の中で、必ずどこかに八神ちゃんが浮かんどったんや。」
その温かい手が、私の頬に優しく触れる。
「・・・好きや、シエルちゃん。ワシの傍におってくれ。男としても、女としても。そのどっちもが、ワシにとって大切なんや。新撰組の・・いや、ワシの為に戦い、ワシの女として傍にいとくれや。」
他人から見たら、おかしな告白だろう。
でも、私にとってはこの上ない愛の告白だ。八神シエルとしても、八神吾朗としても見てくれている。認めてくれている。
「・・・一生お傍にいます・・沖田さん。」
こうして私達は、恋仲になった。
男として剣士の忠誠を誓い、女としてこの人の愛を誓ったんだ。
・・・目を合わせられない・・・よく考えたら、私みんなの前で思いっきり告白したんだよね・・・?!
ど、どうしよう・・・!沖田さんさっきから話してくれないし・・!
「シエルちゃん。」
「は、はいっ?!」
「・・・ホンマにええんか?」
「・・?」
沖田さん・・?
少し目を伏せながら私に顔を向ける。
「親父さんから逃げて新しい人生を始めるんも良かったんやで。新撰組におったら、死ぬまでいる事になる。隊を脱するは死。その掟がある限り、絶対や。・・・それでも新撰組に・・・ワシの傍にいてくれるんか?」
「沖田さん・・・。」
確かに、その選択もあった。
今この京を出ていけば、もしかしたら二度と父上に会わなくて済むかもしれない。新しい土地で、新しい人生を始められるかもしれない。
それでも・・・。
「・・私は、八神吾朗として沖田さんの為に生きると決めていたんです。そして・・・八神シエルとして、沖田さんの事を心から好いています。それに・・・私は新撰組のみんなが好きです。」
「みんな?」
「はい。」
あんな事があったのに、あんな話をしたのに、さっきのみんなは変わらない目で私を見てくれていた。
それは、沖田さんも同じ。でもそれだけじゃない。
「吾朗として演じていたのに、あんなに心から楽しいと思った毎日はありませんでした。私にとって新撰組はみんなと出会えた、大切な場所です。その場所にいていいと言われて・・嬉しかったんです。」
「シエルちゃん・・・。」
「私の毎日は偽りのものでしかありません。でも、新撰組を・・沖田さんを好きというこの気持ちは、偽りなんかじゃありません。沖田さん・・・あなたの事が好きです。お傍に、いさせてください。」
「・・・シエル・・・!」
沖田さんは私を強く抱きしめてきた。私もそれに応えるように背中に手を回す。
この温もりが大好き。このゴツゴツとした体が大好き。この人の優しさが大好き。この人の全てが大好き。
「シエル・・・」
「・・あ・・・。」
名前を呼ばれてその顔を見ると、私達は深い口付けを交わした。
沖田さんに頭を押さえられ、私も求めるように首に手を回す。ふと目を開けると、目が合った。それをきっかけに、もっと舌を絡ませ求めあう。
「ん・・・ふぅ、んぅ・・・。」
「・・まだ、体震えとる・・・。」
「・・いい、です・・・もっと、沖田さんを・・。」
「・・・すまん。ワシもや。」
止まらない深い口付け。互いの唇の間から涎が垂れてくるけど、そんなの気にならない。正確には、それどころじゃない。
ただ求めるのに頭がいっぱい。
その少し後唇が離れると、口から涎の糸がひかれる。その糸を沖田さんが指で拭い、それを舐める。
「・・・初めて会うた時から、ワシは惚れてたのかもしれんな。ずっと放っておけんかったんや。頭の中で、必ずどこかに八神ちゃんが浮かんどったんや。」
その温かい手が、私の頬に優しく触れる。
「・・・好きや、シエルちゃん。ワシの傍におってくれ。男としても、女としても。そのどっちもが、ワシにとって大切なんや。新撰組の・・いや、ワシの為に戦い、ワシの女として傍にいとくれや。」
他人から見たら、おかしな告白だろう。
でも、私にとってはこの上ない愛の告白だ。八神シエルとしても、八神吾朗としても見てくれている。認めてくれている。
「・・・一生お傍にいます・・沖田さん。」
こうして私達は、恋仲になった。
男として剣士の忠誠を誓い、女としてこの人の愛を誓ったんだ。