第一部 仮面の選択
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池田屋事件から数日後。新撰組の名は更に広まりおった。
新しい入隊希望者も増えていき、みんな浮かれとる。せやけどワシにはどうでもよかった。
一つの異変が、屯所内でおこっとる。
「今日もだと?」
「あぁ。部屋から出てくる気配も無ぇ。しんばり棒で抑えてるのか、部屋も開けられない。」
「池田屋から全くやな・・アイツ。」
「どうしちゃったんですかね?」
八神ちゃんが、あれ以来屯所に現れなくなった。
・・・こない来ないんはおかしいで。
「総司、池田屋であいつは怪我でもしたのか?」
「いや、なかったで源さん。ワシと新八ちゃんについてこれてたし、帰りも話したけどそないな様子なかったわ。」
初めての襲撃で疲れた・・・けど、そないな様子もなかったなぁ・・・。
新撰組を抜けたくなった・・も、ないな。あない怖い思うとる父親の為に入ったんやし・・・嫌だ言うとったけど、逆らうのもできん言うたしな・・・。
「・・探ってみるか。」
「え、この人数で寺田屋に行くんですか土方さん?」
「いや、行くのは斎藤君と総司でいいだろう。私達は別の場所で待っている。」
「あぁ、分かった。」
それだけ言うと、歳ちゃんは部屋に戻っていった。
まぁた俳句でもやるんかいな。
「土方殿はよほど八神を気に入っているみたいだな。」
「そらあの腕や。手放したくないやろうな。」
「いずれ隊長にでもなっちゃうんじゃないですか?」
そういうみんなも、八神ちゃんの事を気に入っとる。
ワシもそうや。ただの隊士ちゃう。
『・・・沖田さんは、”私”の事も認めてくれますか?』
あの日一度だけ聞いた『沖田さん』。
”私”の事言うとったな・・・自分の人生を生きたいとも言うとった。
・・・ワシのこのあいつへの気持ちは、ほんまに何なんや?自分と似た境遇の同情か?同じ名前の偶然か?
男相手に、ワシは——。
「おい、沖田?」
「——あ?何やねん一ちゃん。」
「何って・・・さっきから声かけてたじゃねぇか。門の所で待ち合わせるって。あんた聞いてなかったのか?」
「ド阿保、聞いとったわ。ほな。」
夜になり、一ちゃんと寺田屋に向かう前に歳ちゃん達と話をした。
ワシらがする事は、八神ちゃんの安否。
祇園で待つ歳ちゃん達に、確認の後報告することになった。
「しかし・・今日の試験も骨のあるやつはいなかったな。」
「せやなぁ・・あない腑抜け共相手するんが無駄やでほんま。」
『・・・これが、俺の剣です。』
あん時の八神ちゃんはゴツかったのう。あれは今思い出しても興奮するで。
・・・あない強い目するのに、その反面弱い顔も見せよったな。
『あの人の八神吾朗になりたくないっ!!そんな人生嫌だ!!自分の人生を生きたい!!』
・・・あいつは、ワシと違って本当の名前を名乗れる日がくるかもしれん。自分を偽る苦しさは、ワシにもよう分かる。
・・・あいつのあの苦しみを、ワシでどうにかできんかのう。八神ちゃんの苦しむ顔は・・・見たないな。
寺田屋に無事辿り着き、八神ちゃんの部屋の前までたどり着く。
・・・えらい静かやな。もしかしてずっと寝とるんか?
「八神、入るぞ。・・・ん?戸が開い・・・?!」
「なっ・・・!」
その部屋には———何も残っとらんかった。
新しい入隊希望者も増えていき、みんな浮かれとる。せやけどワシにはどうでもよかった。
一つの異変が、屯所内でおこっとる。
「今日もだと?」
「あぁ。部屋から出てくる気配も無ぇ。しんばり棒で抑えてるのか、部屋も開けられない。」
「池田屋から全くやな・・アイツ。」
「どうしちゃったんですかね?」
八神ちゃんが、あれ以来屯所に現れなくなった。
・・・こない来ないんはおかしいで。
「総司、池田屋であいつは怪我でもしたのか?」
「いや、なかったで源さん。ワシと新八ちゃんについてこれてたし、帰りも話したけどそないな様子なかったわ。」
初めての襲撃で疲れた・・・けど、そないな様子もなかったなぁ・・・。
新撰組を抜けたくなった・・も、ないな。あない怖い思うとる父親の為に入ったんやし・・・嫌だ言うとったけど、逆らうのもできん言うたしな・・・。
「・・探ってみるか。」
「え、この人数で寺田屋に行くんですか土方さん?」
「いや、行くのは斎藤君と総司でいいだろう。私達は別の場所で待っている。」
「あぁ、分かった。」
それだけ言うと、歳ちゃんは部屋に戻っていった。
まぁた俳句でもやるんかいな。
「土方殿はよほど八神を気に入っているみたいだな。」
「そらあの腕や。手放したくないやろうな。」
「いずれ隊長にでもなっちゃうんじゃないですか?」
そういうみんなも、八神ちゃんの事を気に入っとる。
ワシもそうや。ただの隊士ちゃう。
『・・・沖田さんは、”私”の事も認めてくれますか?』
あの日一度だけ聞いた『沖田さん』。
”私”の事言うとったな・・・自分の人生を生きたいとも言うとった。
・・・ワシのこのあいつへの気持ちは、ほんまに何なんや?自分と似た境遇の同情か?同じ名前の偶然か?
男相手に、ワシは——。
「おい、沖田?」
「——あ?何やねん一ちゃん。」
「何って・・・さっきから声かけてたじゃねぇか。門の所で待ち合わせるって。あんた聞いてなかったのか?」
「ド阿保、聞いとったわ。ほな。」
夜になり、一ちゃんと寺田屋に向かう前に歳ちゃん達と話をした。
ワシらがする事は、八神ちゃんの安否。
祇園で待つ歳ちゃん達に、確認の後報告することになった。
「しかし・・今日の試験も骨のあるやつはいなかったな。」
「せやなぁ・・あない腑抜け共相手するんが無駄やでほんま。」
『・・・これが、俺の剣です。』
あん時の八神ちゃんはゴツかったのう。あれは今思い出しても興奮するで。
・・・あない強い目するのに、その反面弱い顔も見せよったな。
『あの人の八神吾朗になりたくないっ!!そんな人生嫌だ!!自分の人生を生きたい!!』
・・・あいつは、ワシと違って本当の名前を名乗れる日がくるかもしれん。自分を偽る苦しさは、ワシにもよう分かる。
・・・あいつのあの苦しみを、ワシでどうにかできんかのう。八神ちゃんの苦しむ顔は・・・見たないな。
寺田屋に無事辿り着き、八神ちゃんの部屋の前までたどり着く。
・・・えらい静かやな。もしかしてずっと寝とるんか?
「八神、入るぞ。・・・ん?戸が開い・・・?!」
「なっ・・・!」
その部屋には———何も残っとらんかった。