企画短編
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真島さんに呼ばれてミレニアムタワーの屋上まで私はやってきた。秋の風が肌寒くて、厚めの上着を羽織ってるけど少し寒い。
(こんなところに呼んでどうしたんだろ…。)
普段の真島さんとのデートはバッティングセンターだったりカラオケだったり。ご飯は大体いつもの焼肉屋さん。こんな場所に突然呼ばれるなんてことは一度もなかった。何か話をするときは大体私の部屋か真島さんの部屋だし…。
いろんなことを考えてると、屋上に入る扉が開かれるのが分かる。後ろを振り向くと––そこには真島さんが立っていた。
「真島さん!」
「待たせてすまんのシエル、会議が長引いてしもうて…。」
「大丈夫だよ、お疲れ様!」
「おう。ほれあったかい飲みモンや。」
「わぁ…ありがとう!」
温かいお茶を受け取った私は真島さんと並んでミレニアムタワーの屋上から神室町の街を眺める。夜の街を光り輝かせるネオンが鮮やかで見てて飽きることはない。
「神室町を眺められるなんて贅沢だね!初めて見たよ!」
「シエルはこの景色を毎日見たい思うか?」
「ん〜…それはそれで素敵だけど…たまにある贅沢もいいんじゃないかな?」
「なんでや?自分の好きなようにできるんやで?」
「なんだろうなぁ…素朴な生活がいいというかなんというか…上手く言葉にできないけど、目の前にある当たり前の中で幸せになるのがいいかなぁ〜っていうか…あははっ、改めて言葉にするとなんか難しいね。ごめんね、上手く返答できなくて。」
「…いや、その答えで充分や。」
そう言うと真島さんは私の方を向いてきたかと思ったら–––強く抱きしめてきた。突然真島さんの胸板が目の前にあって、テクノカットの髪が頭にかかっている。耳横すぐに真島さんの息遣いが聞こえてきてそれだけで緊張しちゃう。
「ふぇっ?!どうしたの真島さん?!」
「…シエルは変やと思わんかった?今までのデート。」
「え?な、何が?」
「俺は関東一の極道組織、東城会の一員やで?金だってあるしこの景色やって手に入れようと思えば手に入れられる。」
「う、うん…そうだね。」
「せやのにデートはいつもこの神室町だけ。行く場所やって誰でも行けるバッセンやゲーセンや。飯やっていつも同じ店。…なんも思わへんかったんか?」
……違和感がなかったわけじゃない。
真島さんの生活を聞いてると特に贅沢をしている感じはなかった。部屋だってシンプル、服装もいつも同じ。なんで贅沢しないのかなって思ってたけど…。
「それがどうしたの?」
「俺はそない贅沢な事望みたくないんや。シエルと同じで目の前の幸せを大切にしたい。せやから…シエルに渡せるええモンは人生に一度しかあらへん…それでもええ?」
人生に…一度…。
「そんな事ないよ。」
「え?」
「一度だけなんかじゃ…ないよ?」
真島さんと出会えたこと、真島さんとデートできること、真島さんと食事ができること、真島さんとこうして抱きしめあえること。
この全部が、私にとっての”ええモン”なんだから。
「私はもう何度も…大量のええモンをもらってるよ。何より1番のええモンは…あなたを愛するっていうこと。」
この出会いが私を幸せにしてくれた。真島さんの存在が私を幸せにしてくれてる。
誰か一人を愛するってことは…こんなにも幸せなことなんだって、教えてくれた。
「あなたを愛するっていうのが…最高の宝物だよ。」
顔を上げて真島さんに私の思いを告げる。真島さんの表情はネオンの光に照らされて、優しく微笑むその笑顔が淡く見える。優しい笑顔は何度も見てきたけど…こんなに穏やかな笑顔…初めて…。
「真島…さん……?」
「…シエル…左手、出してみ。」
「?」
抱きしめてた腕が緩んで動けるようになった私は真島さんに言われた通り左手を差し出す。そっと真島さんの両手に包まれると何か冷たいものが指に当たるのが分かった。
(え…これって、まさか…。)
「これは誓いや。」
「真島さ…。」
「シエルだけを一生愛するっちゅう永遠の誓い。」
「っ…。」
「俺はお前が好きや。」
「…まじ、ま…さっ…!」
愛の告白と共にその手から現れたのは–––小さなダイヤがはめ込まれている、シルバーリング。真島さんは私の左手を片手で添えながら王子様のように膝を地面につけてそっと手の甲にキスをしてくれる。
「俺と結婚しとくれ。」
真島さんからのプロポーズに…涙が止まらない。
嬉しすぎて幸せすぎて……どうしていいか分からない…でも……答えは、もう決まってる…。
「はい…お願いします、真島さん。私も…真島さんのことが…大好きです。」
私達はここに誓う。”あなたを愛します”という愛の誓いを。
「シエル…愛しとるよ。」
深いキスを交わした私達は夜のネオンに包まれていく。
(こんなところに呼んでどうしたんだろ…。)
普段の真島さんとのデートはバッティングセンターだったりカラオケだったり。ご飯は大体いつもの焼肉屋さん。こんな場所に突然呼ばれるなんてことは一度もなかった。何か話をするときは大体私の部屋か真島さんの部屋だし…。
いろんなことを考えてると、屋上に入る扉が開かれるのが分かる。後ろを振り向くと––そこには真島さんが立っていた。
「真島さん!」
「待たせてすまんのシエル、会議が長引いてしもうて…。」
「大丈夫だよ、お疲れ様!」
「おう。ほれあったかい飲みモンや。」
「わぁ…ありがとう!」
温かいお茶を受け取った私は真島さんと並んでミレニアムタワーの屋上から神室町の街を眺める。夜の街を光り輝かせるネオンが鮮やかで見てて飽きることはない。
「神室町を眺められるなんて贅沢だね!初めて見たよ!」
「シエルはこの景色を毎日見たい思うか?」
「ん〜…それはそれで素敵だけど…たまにある贅沢もいいんじゃないかな?」
「なんでや?自分の好きなようにできるんやで?」
「なんだろうなぁ…素朴な生活がいいというかなんというか…上手く言葉にできないけど、目の前にある当たり前の中で幸せになるのがいいかなぁ〜っていうか…あははっ、改めて言葉にするとなんか難しいね。ごめんね、上手く返答できなくて。」
「…いや、その答えで充分や。」
そう言うと真島さんは私の方を向いてきたかと思ったら–––強く抱きしめてきた。突然真島さんの胸板が目の前にあって、テクノカットの髪が頭にかかっている。耳横すぐに真島さんの息遣いが聞こえてきてそれだけで緊張しちゃう。
「ふぇっ?!どうしたの真島さん?!」
「…シエルは変やと思わんかった?今までのデート。」
「え?な、何が?」
「俺は関東一の極道組織、東城会の一員やで?金だってあるしこの景色やって手に入れようと思えば手に入れられる。」
「う、うん…そうだね。」
「せやのにデートはいつもこの神室町だけ。行く場所やって誰でも行けるバッセンやゲーセンや。飯やっていつも同じ店。…なんも思わへんかったんか?」
……違和感がなかったわけじゃない。
真島さんの生活を聞いてると特に贅沢をしている感じはなかった。部屋だってシンプル、服装もいつも同じ。なんで贅沢しないのかなって思ってたけど…。
「それがどうしたの?」
「俺はそない贅沢な事望みたくないんや。シエルと同じで目の前の幸せを大切にしたい。せやから…シエルに渡せるええモンは人生に一度しかあらへん…それでもええ?」
人生に…一度…。
「そんな事ないよ。」
「え?」
「一度だけなんかじゃ…ないよ?」
真島さんと出会えたこと、真島さんとデートできること、真島さんと食事ができること、真島さんとこうして抱きしめあえること。
この全部が、私にとっての”ええモン”なんだから。
「私はもう何度も…大量のええモンをもらってるよ。何より1番のええモンは…あなたを愛するっていうこと。」
この出会いが私を幸せにしてくれた。真島さんの存在が私を幸せにしてくれてる。
誰か一人を愛するってことは…こんなにも幸せなことなんだって、教えてくれた。
「あなたを愛するっていうのが…最高の宝物だよ。」
顔を上げて真島さんに私の思いを告げる。真島さんの表情はネオンの光に照らされて、優しく微笑むその笑顔が淡く見える。優しい笑顔は何度も見てきたけど…こんなに穏やかな笑顔…初めて…。
「真島…さん……?」
「…シエル…左手、出してみ。」
「?」
抱きしめてた腕が緩んで動けるようになった私は真島さんに言われた通り左手を差し出す。そっと真島さんの両手に包まれると何か冷たいものが指に当たるのが分かった。
(え…これって、まさか…。)
「これは誓いや。」
「真島さ…。」
「シエルだけを一生愛するっちゅう永遠の誓い。」
「っ…。」
「俺はお前が好きや。」
「…まじ、ま…さっ…!」
愛の告白と共にその手から現れたのは–––小さなダイヤがはめ込まれている、シルバーリング。真島さんは私の左手を片手で添えながら王子様のように膝を地面につけてそっと手の甲にキスをしてくれる。
「俺と結婚しとくれ。」
真島さんからのプロポーズに…涙が止まらない。
嬉しすぎて幸せすぎて……どうしていいか分からない…でも……答えは、もう決まってる…。
「はい…お願いします、真島さん。私も…真島さんのことが…大好きです。」
私達はここに誓う。”あなたを愛します”という愛の誓いを。
「シエル…愛しとるよ。」
深いキスを交わした私達は夜のネオンに包まれていく。
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