Holy Song
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「ふわぁ…!すごい綺麗!」
初めて入ったラブホテル。豪華なシャンデリアが吊るされていて一般のホテルって言われてもおかしくないシンプルな部屋…!!もうちょっとなんか…こう、いかにもってイメージが大きかったけど…こんなところもあるんだなぁ。
「えぇトコやろ?ウチの組が面倒見とってな、内装こだわっとったらこないなったんや。」
「えっ…そうなんですか?」
「昔の癖が出たいうか…まぁ、俺好みではあるの。」
へ〜……ヤクザってこんな事もするんだ…シノギってやつ、なのかな?
…はっ!!私普通に会話しちゃってるけど、まだちゃんとお礼言えてないじゃん!さ、さすがに失礼だよね?!
「あ…あの…。」
「あ?」
「た…助けていただき、本当に…ありがとう、ございました。」
「あぁ気にせんでええて。アイツ等最近シマ荒らしとるチーマーやったから丁度良かったわ。」
「は、はぁ…。」
シマ荒らしとかやっぱりあるんだ…ヤクザの人って本当に縄張り意識…っていうの?大事にするんだ…。
それで…ホテルに連れてきたってことは…こ、心の準備をしなきゃ…!えっと、あっ!名前聞いてない!!なんて呼べばいいの?!
ヤクザさん…違う、お兄さん…あぁあえっとえっと…!!
「が…眼帯のお兄さん!!」
「…あ?」
ひっひぃ!!な、なによ眼帯のお兄さんって!!その言い方凄い失礼じゃん!!わわわっ私の馬鹿っ!!でも呼んだからには何か話さないとっ!!
「わ、わわ…私の、こここっこんな体でよければ、おっ…お好きにしてくださいっ!!!」
「………。」
…………………。
……え、何この空気?私何か変な事言った??眼帯のお兄さん固まっちゃってる…はっ!!ふ、普通こんな事言う人いないか!!そりゃそうだよねっ、もしかして言われる前に襲うのが好きな方?!だ、だとしたらまた失礼な事っ…って、こう考えてる時点で失礼すぎる!!
「あっ…あああの!!」
「……くくっ…。」
「…へ?」
「ぶひゃーはははっ!!」
「?!?!」
な、何?!なんでそんな大笑いするの?!やっぱり私なにか変な事言った?!
眼帯のお兄さんはお腹を抱えながら大笑いして涙まで出てきてる…。涙を指で拭うとは〜っと息を吐きながら私に顔を合わせてくる。
「あ〜腹痛っ…くくくっ、面白いお嬢ちゃんやのぉ。そらそうやな、こないな場所連れてきたらそう思うてしまうわな!」
「えっ…えっと…!」
「安心せぇ。手出しするつもりはあらへんから。その代わり一つ頼みがあるんや。」
ほ…本当に?頼みって…なんだろう?
眼帯のお兄さんはベッドに座って隣をポンポンと手で叩いてくる。これって…まさか隣に座れって事?で、でも手出ししないって…と、隣に座るからって必ずしも襲うとは限らないよね!!
「し、失礼します…。」
私が静かに隣に座ると、満足そうな笑顔をした眼帯のお兄さんは黒い革手袋に包まれた手を差し出してきた。
「まだ名前言うとらんかったな。真島吾朗や、よろしゅうな!お嬢ちゃんの名前は?」
「えっと…八神シエルです。」
……これは握手しようって事…だよね?自己紹介して手を出してきたって事は…そういう、事だよね?
「よ、よろしくお願いします。」
私は差し伸べられた手をそっと握ると、真島さんはその手を握り返してくれる。
うわぁ…大きい手…こんな大きい手の人いるんだ…。
「ちっこい手やのぉ〜…こないな手でよぉギター弾きながら歌えるの。」
「あ、あはは…って、え?私があそこでいつも歌ってるって知ってたんですか?」
「いや、助けた時ギター持っとったやろ?」
「あ、確かに…。」
そりゃそうだ…私なに馬鹿な事言ってるんだろ…。
……聞いてくれてたら、ちょっと嬉しかったのに…。
「そ、それで頼みって…?」
「あぁせやった。」
握っていた手を離して立ち上がった真島さんはベッドの片隅に置いておいた私のギターケースを持ってきて私に差し出してきた。
「これで一曲歌ってくれへん?」
「……。」
………え?う、歌う?
「歌うって…私が、ですか?」
「他に誰がおんねん。なんでもええから一曲聴いてええ?」
…確かに他にいないですけど…急に言われてもどうしようかな…歌うのは全然構わないけど、何がいいかな…。
「あの…何かリクエストとかありませんか?リズムとか曲調とか…。」
「せやなぁ〜…シエルちゃん自分で曲作るん?」
「基本的には、そうですね。」
…っていうかさりげなく、ちゃん付けで呼ばれた…!!
ちゃん付けで呼ばれた事ほとんどないから、ちょっと照れちゃう…。
「ほんなら一番気に入っとるのでええよ。」
「一番、ですか…。」
自分が作った中で一番のお気に入り、か…。
それなら…アレにしようかな。私が一番最初に作った曲…私の為の曲。ギターを取り出した私はチューニングを合わせて準備を整える。
「じゃあ…歌います。」
私はバラード調に弾き始める…けど、この曲は完成してない。序盤とメインは決まってるけど、その先がない。歌詞だって本当に一部しかない。
この曲は私にとって…大切な曲。
《生きることは辛いけど
いつか会える運命の人
辛く苦しい暗い道
照らす貴方は光》
その後はずっとギターを弾いてるだけだったけど、真島さんはずっと黙って聴いてくれていた。こんな未完成の歌なのに文句も言わず、目を閉じながら。
(この人…いい人、だよね。)
普通こんな歌、文句を言われてもおかしくないのに…。
嬉しくなった私はハミングをしながらずっとその曲を弾き続けている。もう終わっているのに、楽しくて仕方ない。
だって聴いてくれてる真島さんを横でチラリと見たら…頬杖をつきながら指でリズムをとってたから。こうして身近で聴いてくれて、静かだけど楽しそうにしてくれる人が…初めてだったから。
大勢の人の前で歌ってもらった歓声よりも……凄い嬉しい。
初めて入ったラブホテル。豪華なシャンデリアが吊るされていて一般のホテルって言われてもおかしくないシンプルな部屋…!!もうちょっとなんか…こう、いかにもってイメージが大きかったけど…こんなところもあるんだなぁ。
「えぇトコやろ?ウチの組が面倒見とってな、内装こだわっとったらこないなったんや。」
「えっ…そうなんですか?」
「昔の癖が出たいうか…まぁ、俺好みではあるの。」
へ〜……ヤクザってこんな事もするんだ…シノギってやつ、なのかな?
…はっ!!私普通に会話しちゃってるけど、まだちゃんとお礼言えてないじゃん!さ、さすがに失礼だよね?!
「あ…あの…。」
「あ?」
「た…助けていただき、本当に…ありがとう、ございました。」
「あぁ気にせんでええて。アイツ等最近シマ荒らしとるチーマーやったから丁度良かったわ。」
「は、はぁ…。」
シマ荒らしとかやっぱりあるんだ…ヤクザの人って本当に縄張り意識…っていうの?大事にするんだ…。
それで…ホテルに連れてきたってことは…こ、心の準備をしなきゃ…!えっと、あっ!名前聞いてない!!なんて呼べばいいの?!
ヤクザさん…違う、お兄さん…あぁあえっとえっと…!!
「が…眼帯のお兄さん!!」
「…あ?」
ひっひぃ!!な、なによ眼帯のお兄さんって!!その言い方凄い失礼じゃん!!わわわっ私の馬鹿っ!!でも呼んだからには何か話さないとっ!!
「わ、わわ…私の、こここっこんな体でよければ、おっ…お好きにしてくださいっ!!!」
「………。」
…………………。
……え、何この空気?私何か変な事言った??眼帯のお兄さん固まっちゃってる…はっ!!ふ、普通こんな事言う人いないか!!そりゃそうだよねっ、もしかして言われる前に襲うのが好きな方?!だ、だとしたらまた失礼な事っ…って、こう考えてる時点で失礼すぎる!!
「あっ…あああの!!」
「……くくっ…。」
「…へ?」
「ぶひゃーはははっ!!」
「?!?!」
な、何?!なんでそんな大笑いするの?!やっぱり私なにか変な事言った?!
眼帯のお兄さんはお腹を抱えながら大笑いして涙まで出てきてる…。涙を指で拭うとは〜っと息を吐きながら私に顔を合わせてくる。
「あ〜腹痛っ…くくくっ、面白いお嬢ちゃんやのぉ。そらそうやな、こないな場所連れてきたらそう思うてしまうわな!」
「えっ…えっと…!」
「安心せぇ。手出しするつもりはあらへんから。その代わり一つ頼みがあるんや。」
ほ…本当に?頼みって…なんだろう?
眼帯のお兄さんはベッドに座って隣をポンポンと手で叩いてくる。これって…まさか隣に座れって事?で、でも手出ししないって…と、隣に座るからって必ずしも襲うとは限らないよね!!
「し、失礼します…。」
私が静かに隣に座ると、満足そうな笑顔をした眼帯のお兄さんは黒い革手袋に包まれた手を差し出してきた。
「まだ名前言うとらんかったな。真島吾朗や、よろしゅうな!お嬢ちゃんの名前は?」
「えっと…八神シエルです。」
……これは握手しようって事…だよね?自己紹介して手を出してきたって事は…そういう、事だよね?
「よ、よろしくお願いします。」
私は差し伸べられた手をそっと握ると、真島さんはその手を握り返してくれる。
うわぁ…大きい手…こんな大きい手の人いるんだ…。
「ちっこい手やのぉ〜…こないな手でよぉギター弾きながら歌えるの。」
「あ、あはは…って、え?私があそこでいつも歌ってるって知ってたんですか?」
「いや、助けた時ギター持っとったやろ?」
「あ、確かに…。」
そりゃそうだ…私なに馬鹿な事言ってるんだろ…。
……聞いてくれてたら、ちょっと嬉しかったのに…。
「そ、それで頼みって…?」
「あぁせやった。」
握っていた手を離して立ち上がった真島さんはベッドの片隅に置いておいた私のギターケースを持ってきて私に差し出してきた。
「これで一曲歌ってくれへん?」
「……。」
………え?う、歌う?
「歌うって…私が、ですか?」
「他に誰がおんねん。なんでもええから一曲聴いてええ?」
…確かに他にいないですけど…急に言われてもどうしようかな…歌うのは全然構わないけど、何がいいかな…。
「あの…何かリクエストとかありませんか?リズムとか曲調とか…。」
「せやなぁ〜…シエルちゃん自分で曲作るん?」
「基本的には、そうですね。」
…っていうかさりげなく、ちゃん付けで呼ばれた…!!
ちゃん付けで呼ばれた事ほとんどないから、ちょっと照れちゃう…。
「ほんなら一番気に入っとるのでええよ。」
「一番、ですか…。」
自分が作った中で一番のお気に入り、か…。
それなら…アレにしようかな。私が一番最初に作った曲…私の為の曲。ギターを取り出した私はチューニングを合わせて準備を整える。
「じゃあ…歌います。」
私はバラード調に弾き始める…けど、この曲は完成してない。序盤とメインは決まってるけど、その先がない。歌詞だって本当に一部しかない。
この曲は私にとって…大切な曲。
《生きることは辛いけど
いつか会える運命の人
辛く苦しい暗い道
照らす貴方は光》
その後はずっとギターを弾いてるだけだったけど、真島さんはずっと黙って聴いてくれていた。こんな未完成の歌なのに文句も言わず、目を閉じながら。
(この人…いい人、だよね。)
普通こんな歌、文句を言われてもおかしくないのに…。
嬉しくなった私はハミングをしながらずっとその曲を弾き続けている。もう終わっているのに、楽しくて仕方ない。
だって聴いてくれてる真島さんを横でチラリと見たら…頬杖をつきながら指でリズムをとってたから。こうして身近で聴いてくれて、静かだけど楽しそうにしてくれる人が…初めてだったから。
大勢の人の前で歌ってもらった歓声よりも……凄い嬉しい。