Holy Song
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「今日もありがとうございました!」
今日も無事に歌い終えて拍手される中、私は小さくお辞儀をして片付けを始める。
ふぅ…今日もいっぱい来てくれた。最近ユッターの使い方にも慣れてきたのが良かったのかなぁ。ここから告知もできるし!
(…この街にきてもう二ヶ月、か…。)
世間じゃもうすぐクリスマス。見にきている人達はカップルが多かった。みんな幸せそう…う〜、それにしても寒い、少しチップも貰えるようになったし何か温かいものでも買って帰ろうかな?
「すみません、今よろしいですか?」
「…へ?」
帰ろうとした時に声をかけられて振り向くと、スーツを着た男の人が私の傍に立っていた。整ったスーツにオールバック気味の髪型…サラリーマンかな??
「は、はい。何でしょうか。」
「先程の歌声を聞かせていただいてたのですが…あなたのような方がこのような場所でのざらしにされているなんて勿体ないです!」
「えっ…あ、ありがとうございます…!」
さっきの聞いててくれたんだ…!
「失礼いたしました、私こういう者です。」
(名刺…?)
差し出された名刺を受け取って確認すると、そこには【フェイクアクター株式会社 スカウト担当 茂木】と書いてあった。
「フェイク…アクター…?」
「スターの逸材を探しておりまして、ぜひお話をさせていただきたいのです。いかがでしょう?我々と一緒にプロの世界を目指しませんか?」
「えっ?!」
プ、プロの世界?!わ…私が…?!
スカウト担当ってそういう事?!え…えっ、本当に?!
「は、はい!ぜひお願いします!」
「良かったぁ!では明日の夜早速よろしいでしょうか?」
「わかりました!よろしくお願いします!」
「住所はここに書いてありますので。ではまた!」
そう言うと茂木さんは軽く頭を下げてきてその場を去って行った。残された私もすぐその場を離れてもらった名刺を思わずニヤニヤとしながらじっと見続ける。
(うわぁ嬉しい…!いつかこうなる事を望んではいたけど、まさかこんな早くなんて…!)
嬉しい、凄い嬉しい…!
あっそうだ!誰かに伝えようかな!ふと携帯を出して連絡帳を見ると…数少ない友達欄に書いてある「真島吾朗」の名前を見て思わず手が止まる。
「……。」
(真島さんは…なんて言ってくれるかな。)
あの出来事から2週間経ったけど…メールのやり取りは相変わらずしてくれてる。でも1つの変化があって…路上ライブするってメールを送ってはいるけど…見にきてくれる事は一度もなかった。組の人が代わりに来てくれて送り迎えをしてくれたりするけど…。
…私の歌に価値を感じなくなったのかな…それともこの前のせいで…。
「…真島さんに…会いたいな…。」
会って…会って謝りたい。困らせるような事言ってごめんなさいって言いたい。
(お友達のままでいいから…仲良くしたい…。)
恋人関係を望めないなら…せめて友達でありたい。
…とりあえず報告だけはしとこう。お世話になってる身なんだし。
【こんばんわ。今日事務所のスカウトの方に声をかけられました!明日行ってきます。】
(…よし。)
喜んでくれるといいなぁ…いや、見返りを求めちゃ駄目!贅沢しちゃ駄目!とりあえずご飯買って帰んなきゃ、今日は組の人来れないって言ってたから食べて帰るのもありかな…。
[ ♪〜♪〜♪〜 ]
「えっ、メール?」
もしかして…真島さんからの返事?!
【こんばんわ!シエルお姉ちゃん、今お時間ありますか?もし大丈夫だったら一緒にご飯食べたいです!】
あ…遥ちゃんからだ。
そういえば遥ちゃんにも会えてないな。会いたかったけど仕事が忙しそうでなかなか時間合わなかったんだよね。
折角だし会いたいな…!
【いいよ!ちょうど劇場前広場にいるの。どこに集合しようか?】
【落ち着いてる個室のレストランがあるんですけど、そこでいいですか?】
【もちろん!お店の場所教えて!】
えぇっと住所は……ん?今度は電話?遥ちゃんからだ!
「もしもし?」
『あ、シエルお姉ちゃん!お迎えお願いしたからそこで待ってて!』
「え?迎え?」
『うん!シンジお兄ちゃんが行くから!お店で待ってるね!』
「えっ、ちょ?!」
(き、きられた…シンジお兄ちゃんって誰??)
ソレからその場で待ってると、私の近くに黒塗りの高級車が近づいてくる。
(も…もしかして迎えって…。)
私の予感は…的中した。
ブラインドが降りて、車の中から男の人が声をかけてきた。
「八神シエルさんですか?」
「は、はい。あの…シンジさん、ですか?」
「はい!遥嬢から頼まれて迎えにきました、どうぞ乗ってください!」
「し…失礼します…。」
(さすが遥ちゃん…ある意味職権乱用…。)
……黒塗り高級車…初めて乗った…。
今日も無事に歌い終えて拍手される中、私は小さくお辞儀をして片付けを始める。
ふぅ…今日もいっぱい来てくれた。最近ユッターの使い方にも慣れてきたのが良かったのかなぁ。ここから告知もできるし!
(…この街にきてもう二ヶ月、か…。)
世間じゃもうすぐクリスマス。見にきている人達はカップルが多かった。みんな幸せそう…う〜、それにしても寒い、少しチップも貰えるようになったし何か温かいものでも買って帰ろうかな?
「すみません、今よろしいですか?」
「…へ?」
帰ろうとした時に声をかけられて振り向くと、スーツを着た男の人が私の傍に立っていた。整ったスーツにオールバック気味の髪型…サラリーマンかな??
「は、はい。何でしょうか。」
「先程の歌声を聞かせていただいてたのですが…あなたのような方がこのような場所でのざらしにされているなんて勿体ないです!」
「えっ…あ、ありがとうございます…!」
さっきの聞いててくれたんだ…!
「失礼いたしました、私こういう者です。」
(名刺…?)
差し出された名刺を受け取って確認すると、そこには【フェイクアクター株式会社 スカウト担当 茂木】と書いてあった。
「フェイク…アクター…?」
「スターの逸材を探しておりまして、ぜひお話をさせていただきたいのです。いかがでしょう?我々と一緒にプロの世界を目指しませんか?」
「えっ?!」
プ、プロの世界?!わ…私が…?!
スカウト担当ってそういう事?!え…えっ、本当に?!
「は、はい!ぜひお願いします!」
「良かったぁ!では明日の夜早速よろしいでしょうか?」
「わかりました!よろしくお願いします!」
「住所はここに書いてありますので。ではまた!」
そう言うと茂木さんは軽く頭を下げてきてその場を去って行った。残された私もすぐその場を離れてもらった名刺を思わずニヤニヤとしながらじっと見続ける。
(うわぁ嬉しい…!いつかこうなる事を望んではいたけど、まさかこんな早くなんて…!)
嬉しい、凄い嬉しい…!
あっそうだ!誰かに伝えようかな!ふと携帯を出して連絡帳を見ると…数少ない友達欄に書いてある「真島吾朗」の名前を見て思わず手が止まる。
「……。」
(真島さんは…なんて言ってくれるかな。)
あの出来事から2週間経ったけど…メールのやり取りは相変わらずしてくれてる。でも1つの変化があって…路上ライブするってメールを送ってはいるけど…見にきてくれる事は一度もなかった。組の人が代わりに来てくれて送り迎えをしてくれたりするけど…。
…私の歌に価値を感じなくなったのかな…それともこの前のせいで…。
「…真島さんに…会いたいな…。」
会って…会って謝りたい。困らせるような事言ってごめんなさいって言いたい。
(お友達のままでいいから…仲良くしたい…。)
恋人関係を望めないなら…せめて友達でありたい。
…とりあえず報告だけはしとこう。お世話になってる身なんだし。
【こんばんわ。今日事務所のスカウトの方に声をかけられました!明日行ってきます。】
(…よし。)
喜んでくれるといいなぁ…いや、見返りを求めちゃ駄目!贅沢しちゃ駄目!とりあえずご飯買って帰んなきゃ、今日は組の人来れないって言ってたから食べて帰るのもありかな…。
[ ♪〜♪〜♪〜 ]
「えっ、メール?」
もしかして…真島さんからの返事?!
【こんばんわ!シエルお姉ちゃん、今お時間ありますか?もし大丈夫だったら一緒にご飯食べたいです!】
あ…遥ちゃんからだ。
そういえば遥ちゃんにも会えてないな。会いたかったけど仕事が忙しそうでなかなか時間合わなかったんだよね。
折角だし会いたいな…!
【いいよ!ちょうど劇場前広場にいるの。どこに集合しようか?】
【落ち着いてる個室のレストランがあるんですけど、そこでいいですか?】
【もちろん!お店の場所教えて!】
えぇっと住所は……ん?今度は電話?遥ちゃんからだ!
「もしもし?」
『あ、シエルお姉ちゃん!お迎えお願いしたからそこで待ってて!』
「え?迎え?」
『うん!シンジお兄ちゃんが行くから!お店で待ってるね!』
「えっ、ちょ?!」
(き、きられた…シンジお兄ちゃんって誰??)
ソレからその場で待ってると、私の近くに黒塗りの高級車が近づいてくる。
(も…もしかして迎えって…。)
私の予感は…的中した。
ブラインドが降りて、車の中から男の人が声をかけてきた。
「八神シエルさんですか?」
「は、はい。あの…シンジさん、ですか?」
「はい!遥嬢から頼まれて迎えにきました、どうぞ乗ってください!」
「し…失礼します…。」
(さすが遥ちゃん…ある意味職権乱用…。)
……黒塗り高級車…初めて乗った…。
12/12ページ