「・・・ん・・・」

やっぱソファで寝ると体が休まらんのう。
大きく腕を伸ばした後ベッドのほうを見ると、身支度を整えとるシエルちゃんがおった。
なんや、もう起きとったんか。

「おはようございます、真島さん。」
「おはようさん。よう寝れたか？」
「はい、おかげさまで！」
「ほな朝飯でも食い行くか？」
「え、さすがにそこまでお世話になるには・・・。」
「気にせんでええ。ほな行くで。」

それからホテルを出てどっか飯屋行こうかとなった時、よう知る奴と出くわした。

「に、兄さん？！」
「なんや桐生ちゃんやないか。」
「こんな所でなにして・・・ん？女？」
「おぉ、昨日会うたんや。シエルちゃ——」

紹介しようとしたそん時、シエルちゃんの目は昨日以上に光っとらんかった。
・・・何や、えらい警戒しとる目やな。

「どないした？コイツ桐生ちゃんいうてな。見た目はゴツイけど何も怖い事あらへんよ。」
「兄さんにだけは見た目のこと言われたくねぇ。・・・桐生一馬だ。」
「・・・八神シエルです。」
「ところで兄さん、まさかこの女と・・・」
「あ？普通に寝ただけや。」
「・・・そうか。」

・・・・こりゃ盛大に勘違いしとるな。

「じゃあ、俺は用事があるから行く。」
「おぉ。ほなまたな桐生ちゃん。」

桐生ちゃんの行く方向をじっと見ているシエルちゃん。
・・・桐生ちゃんが気になるんか？なんやずっと警戒しとった感じやな。

「シエルちゃんどないしたんや？」
「・・・あ・・・。」

声をかけられたのに気付いたのか、慌ててワシを見る。
俺の知っとるシエルちゃんの顔や。

「すみません、ボーっとしちゃって・・・。」
「かまへん。ほな行こか？」
「はい！」