ぶち壊した扉の先におったのは、傷だらけのシエルちゃんやった。
拘束されとる姿は、まるで穴倉の時の俺や。
後ろにおるんが・・・ボスか。

「返してもらうで。シエルちゃん放せ。」
「ふ・・ふふふ。。。そうか、”俺の女”と言ったな。そうか・・・やはりお前のせいで台無しになったんだな。」
「・・・何の話だ？」

不気味に笑いながらそいつはシエルちゃんの髪をつかみあげた。俺と桐生ちゃんは、その姿に息をのむ。

（右目が———潰れとる。）

「貴様がコイツに余計な感情を与えたからこうなったのだ。どんな命令もこなし、どんな卑猥な事もやってのけてきた。私にとっての最高傑作であり奴隷であったんだ。それを感情が芽生えたことで、私の命令に逆らった。だからこうなったのだ。親の命令は絶対。それは貴様らも同じだろう？黙って言いなりになっていればよかったんだよ・・・なぁ！！」

シエルちゃんを蹴り上げた時、俺の理性は切れた。
コイツを殺す。殺さなアカン。殺すんや。

「死にさらせやボケェ！！！」

俺は容赦なく斬り刻む。だが相手もマフィア。相当な手練れではあるが、そないなもん関係ない。
惚れた女をこないにさせて、腸がにえくりかえってどうにかなってしまいそうやった。コイツ、シエルのあの綺麗な目を潰した。最高傑作？？奴隷？？そんなコイツの感情なんかどうでもええ。

（俺はただ、自分の惚れた女を守るだけや！）