その言葉にシエルは一瞬固まる。
ただの甘い言葉やないと分かってくれるハズや。この小さな神室町でずっと逃げる事はできん。
いつか離れなあかん時はくる。俺のいるこの神室町から出ていくことになる。
・・・そんなん・・・そんなの・・・。

「お前がいなくなるんは・・・俺は耐えられん。そのくらい惚れとる。離したくないんや。」
「真島さん・・・。」
「・・・シエル頼む。ずっと・・・ずっと傍におってくれ・・・。」

自分でも驚く程女々しい言葉が出てきよった。
それと共に目頭が熱くなるのを感じ、頬に冷たいのが流れた。アカン・・・俺はこないな事で動揺するんか。
今まで、最後まで惚れた女と一緒におれた事がない。せやからやろうか。ええ女がいても本気になれんかった。いつか離れるのが怖くて、無意識に避けとったんやろう。
せやけど、シエルはちゃう。本気になってしもうたんや。そんな本気になった女を・・・離したない。

「・・・あぁ、アカンな！変なこと言うたわ！少し早いけど寝よか？」
「真島さん。」
「なん———？！」

振り向かされ、背伸びした彼女にキスをされた。
思わず固まってしまう。唇が離れると、シエルは俺の頬を優しく包み、優しい目で俺を見る。

「私もあなたの傍にいたい。真島さんの隣で、これからもいろんなことがしたい。もっと笑っていたい。・・・私も同じ気持ちです、真島さん。」
「・・・シエル・・・。」
「・・・愛してます。ずっと、真島さんの事を愛してます。」
「シエル・・・！」

お互い強く抱きしめ、深いキスをする。舌でお互いの口内をめぐり、いやらしい音と甘い声が漏れてくる。

「ん・・・んぅ・・・ふぁ・・。」
「シエル・・・シエル、シエル・・・！」

俺はシエルを抱きしめながらベッドに倒れこむ。
もう・・・止められへん。