数十分後———

「いやぁ～・・・ホンマ疲れたわ。」
「お疲れさまでした！はぁ・・・私も疲れたぁ。」

散々打ちまくった俺らは疲労困憊。
せやけど、シエルちゃんはええ笑顔をしとった。
心の底から楽しんどる顔やった。惚れてる女の笑顔はええもんやのう。

「運動したら腹減ったなぁ～。シエルちゃん、焼肉でも行かんか？」
「いいですね！」



———焼肉”韓来”
「特上ホルモン、特上カルビ、お待たせしました！」
「ふわぁ・・・！美味しそう！」
「せやな。ほな食おか？」

く～っ・・・久しぶりの肉はうまいのう・・・。

「・・・ぷっふふ・・・！」

突然シエルちゃんが俺の顔を見て笑いよった。

「何や？米粒でもついとるか？」
「いえ・・・美味しそうに食べる顔が可愛くて、すみません。」
「何言うとんねん。シエルちゃんの笑顔の方が何倍も可愛いで？ええ顔しとる。」
「か、可愛いなんて・・・お世辞でも嬉しいです。」
「お世辞やない。ホンマに俺の女は可愛いで。ずっと見てても飽きんわ。」
「ま、真島さん・・・。」

シエルちゃんは頬を赤くさせ、焦げちゃいますよ！と言い食べ始めた。

（・・・こないな子が殺し屋か。）

この子は、ずっとこの先殺し続けなあかんのか。
どないすればこの子は自由になれるんや。
どないすれば、この子はずっと俺の傍におるんや。

「・・・真島さん？どうしました？」

・・・アカンな。今はそないなこと考えてもしゃあないな。

「いや、シエルちゃんの食うてる姿が可愛くての。見惚れてたわ。」
「もぉ・・・早く食べなきゃ、私が全部食べちゃいますからね！」
「あ、これ！それ俺の肉や！」

今はこのままでええ。楽しむんや。いずれどうにかなる。
どうにか・・・なるはずや。

（けど・・・いつまでや？）

止まらん不安を心の奥底にしまった。