売られた先は、日本在中の中国マフィア。
それから長い間、ありとあらゆる技を教え込まれた。
短剣・銃・体術・・・殺し屋として育てられ始めた私は、失敗しない為に覚えるしかなかった。
ついてこられなかった人間は不要———その場での死が確実だから。
そして、私は唯一の女だった。

『おい、こっちこいよシエル。』
『へへ・・・』

数多くの男達を相手にしなくてはならなかった。
安心して眠れる夜はない。

「・・・子供相手に、そないな事するんか・・・！」
「そんな常識。殺し屋の世界にはないよ。黒の世界には、黒の世界のやり方がある。誰を殺そうと誰を犯そうと関係ない。・・・それは極道の世界でも同じでしょ？」

そしてあの日。誰にも負けない力を持ったあの日、ボスに気に入られ、殺し屋としての生活が始まった。
私の最初の標的は———私を捨てた、あの二人。

『ま、待て・・・よせ・・・！』
『うるさい。アンタを殺す。あの女と一緒に、殺してやる！！』

ナイフを突き刺す。ただそれだけ。
殺せ。殺せ。殺せ・・・！！

『ああああぁぁ！！！』

迷わず刺せた。もう声を聞きたくなかったのか、喉を刺していた。それと同時に、ある感情が大きくなっていった。

「恐怖と罪悪感・・・人を殺そうとして、初めて気づいた。」