「・・・・・・。」

自分の家からこない不穏な感じがするとはな。
・・・入るんや。入って確かめるんや。
こんな事で逃げてはいけん。あの子はこの先におるんや。

「・・・・。」

意を決して中に入る。
部屋は真っ暗やった。なるべく音を立てんよう、奥へ進む。
居間に入ろうとしたその瞬間———。

「———ッ！」

後ろからナイフで刺そうとする奴を掴み、そのまま投げた。
テーブルの上にあったグラスは割れ落ち、部屋は荒れる。すぐに立ち上がろうとするそいつの前に、ドスを向ける。
緊迫した時間やった。

「———そない殺気だすなんて、えらいごっついのう。」
「・・・・・・。」

構わず襲い掛かってくるナイフをドスで振り払うと、次に出してきたのは銃やった。
・・・そないなもんまで用意してあるとは、さすがやな。

「・・・訳、聞かせてくれるか？その後、いくら殺してもええわ。———シエル。」