そっから適当に飯屋に入り、ふと疑問に思ったことを口にしながら朝飯を食うとった。

「シエルちゃん、これからどないするんや？」
「これから？ですか？」
「昨日の話やとしばらく帰る気ないんやろ？その間、ずっと神室町におるんか？」
「そのつもりです。とりあえず日払いのバイトとかで生活しようかと。寝るところはビジネスホテルとかもありますし。」
「そうか・・・大丈夫なんか？」
「平気です！一人で生活してみたくて。」

この神室町でそない甘い考えで生きられへんけどな・・・。

「ほな、ワシはそろそろ行くで。ゆっくり食べや？」
「何から何までありがとうございました、真島さん。」
「気にせんでええ。これワシの名刺や。何かあったらいつでも連絡しぃや。」
「あ・・・ありがとうございます！」



———っちゅうやり取りからあっちゅう間に一か月が過ぎとった。
シエルちゃんからの連絡は一切なし。自然と探しておったが偶然会うこともなかった。
・・・さすがに家に帰ったか。こないな町で女一人、一文無しで生きるんはやっぱり無理やったんや。
・・・もういっぺん、会うてみたかったんやがな。

「親父、この間言った面接の件なんですが・・・」
「あ？何や面接って」
「覚えてないんすか？！三日前あたりに来ますよって・・・」

・・・・・・・・
言うとった気がする。