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BOJ-SSS6【"Period", those connecting golden chains】



「貴方には失望しました、騎士王」
「貴方に失望されようが、私は騎士王です。この国を再び戦火に投じようなどと言う独善的な『正義』は、蹂躙されてしかるべき。これは私だけの願いではない。この国に生きる大半の人間の願い」
「ならば我々の願いは無視すると言うのか!」

 語気が荒くなる部隊長を、冷ややかな目で見下すサー。願い?鼻で笑いながら彼は周りを見やった。力も無い癖に正義を語る愚かな連中。正義と言いながら人の弱みを平気で握る連中。その正義の元に嘆く者を増やすだけしか脳の無い連中。
 辺りに倒れ気絶している部下…元部下になるかも知れない連中を見回してから、まだ攻勢を崩さない部隊長に再び視線を戻す。

「貴方達が正義の徒ならば、何故私に倒されているのです?貴方達の願いに、私は全力で立ち向かっているはずですが?貴方達の願いは…この程度という事ですよ。隠密的に行動し、暗闇の中でしか計画を立てられない。如何に自分達が情けないか、思い知れ」

 そう放ちながら彼は刀を鞘に納める。反論の余地も無く、ただ叫び声を上げる部隊長がサーベルを構えて突進してきた。
 獣以下だ。
 冷えた脳髄でそう短く思った後、刀を納めた鞘を思い切り薙ぐ。部隊長の剣先がサーに届く前に、その横っ面に重い一撃が埋まった。頭蓋は恐らく折れていないはず。だが吹き飛ぶ際、歯は何本か地に落ちた。十五、六の外見が大の大人を吹き飛ばす。下から見上げていた師団員から声にならない悲鳴が聞こえた気がする。
 ソルジャーはただその様子を見つめているのみ。
 ロボはいつの間にかその傍まで歩み寄り、やはりその光景を見上げていた。

「おっかねぇなぁ、お宅らの国は」
「……」
「まぁ、勝手に自滅してくれりゃあ、俺にゃありがたい事だがな。騎士王さんとやらよー!」

 ロボが気の抜けた声でサーを呼んだ。砦に一人佇むサーは、その声に下を見下ろす。
 何が起こったのか理解出来て居ない第三部隊の師団員達。わらわらと出てきて、何もしないうちに上司が倒されたのをただ見ていただけの連中。
 サーは短く息を吐いて叫び返した。

「我が国の恥晒しが失礼しました、ロボ。なにか御用ですか?」
「早く女共を解放してやってくれや。俺はそっちに行けねぇからな」

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