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BOJ-SSS6【"Period", those connecting golden chains】


 ジェノバ特級師団GHOST宿舎。白いレンガ造りの建物の中庭で、彼は階段に腰掛けていた。見た目はまだ十代後半、実際の身体能力もその程度。ただし、前述したとおり年齢は三十。身体能力もずば抜けている。
 彼は畏敬を込め『ピリオド』と呼ばれていた。
 全ての争いにその絶対的な武力で『終止符』をうつ男。目の前で年齢相応の容姿をした『サラマンデ』…相棒で師団の第七部隊隊長を務める男の背を眺めて物思いに耽る。サラマンデ、戦士・ソルジャーの敬称で呼ばれる生粋の軍人だ。彼もまた、名ではなくその字名で呼ばれるのが常だった。

「ソルジャー=サラマンデ。仕事です」

 サーの言葉にソルジャーは目線だけを投げて寄越す。元々無口な男だ。目でモノを語るのを読み慣れたのはいつの頃からだろうか。普段は遠征部隊である第七部隊の隊長は、仮にも上司であるサーに「了解」と目で語った。
 傍から見たら叔父と甥のような二人だが、サーの成長が遅いだけで共にしてきた時間は同じ。
 『ロボ』退治は早急に。そう判断したサーは中庭から姿を消した。
 翌日。前線への遠征を決定し、その日のうちにソルジャーとサー率いる第一部隊員全員に通達は下された。

 『ロボ』。果たしてどんな使い手なのか。道中、ジープに揺られながらサーは走り抜ける田園地帯を眺めていた。

 辿り着いた最前線は負傷兵で溢れ返っていた。前に来た時、停戦の調印式は二週間前。その頃よりも軽症だが確実に負傷者は増えていた。これが『ロボ』の爪痕か。サーは誰に声を掛けるでもなく真っ直ぐに前線基地を担う隊長の元へ向かった。現在役回りで前線に配備される隊は第三部隊。サーの来訪に動けるもの皆、敬礼で出迎える。

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