第13夜【記憶と思い出】
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「シナデと初めて会ったのは、今から八年くらい前。あの子が教団に来た時よ」
その時一緒に旅をしていた神田と、師匠のティエドール元帥も一緒に帰ってきたから、とても慌ただしかったのは覚えてる
上層部の大人達に囲まれていたのを、柱の影から見てた
そんな私に気付いて話しかけてくれたのが、シナデだったの
――私シナデ・ミワタヅミ。よろしくね、リナリー!――
私にとっても、多分あの子にとっても初めて出来た同性の友達だったから、すごく嬉しかったわ。
「それで、神幻奏歌が装備型かどうかってことでしょ? この際だから言っておくけど、正直分からないの」
「え、そうなんですか?」
本当は“この前”のこと、まだ許してないんだけど……今は掘り返さないでおくわ
それに型が不明なのは本当の話だもの
私が知ってる限り、あの子と初めて会った時は少なくとも、十字架のペンダントは鎖骨に埋め込まれてたから。アレン君の左手みたいに
神田達と旅をしてた時がどうだったかは、聞いてないけど
「なるほど……ならば寄生型である可能性も無くはないのう。ならばリナ嬢、何故シナデ嬢のペンダントは現在、肉体から離れておるのだ?」
ブックマンとラビも相当気になるみたいね
それもそうよね……シナデのイノセンスは、ヘブラスカに何度も見てもらっているけど、シンクロ率でさえ未だに分かっていない
「それは、まだ教えられないわ」
でも、ペンダントになってしまった経緯は知ってる
“実際その場に居合わせた”から
「まだって……どういうことさ?」
「二人は立ち会ったから知ってるでしょう? シナデが記憶を無くしてるからよ」
無闇に話さないって決めてるの……‘’あの事件”のことは
シナデを裏切るようなことはしたくないから
だからあの場に居合わせた人以外だと、兄さんにしか教えてないの
「……えっ? シナデが、記憶喪失?」
アレンくんに伝えたかったのはこのこと
何も知らないまま変に勘繰られても困るけど、せっかく仲間になったんだから、このくらいは話しておかないと悪いしね
「いやまぁそうだけど、もったいぶられると気になるさ! シナデには絶対話さないからさ〜、教えてくれよリナリー!」
ラビが拝むように手を合わせて懇願してくる
横のアレンくんも聞きたそうな表情
気持ちは分かるわ。同じ立場だったら、何がなんでも聞きたいもの
「せがまれても無理よ。本人が記憶を取り戻すまで、知らない人間には話さないって神田と約束したもの」
席の関係で、私だけが見えた食堂の入口
シナデに関する話をしてるのに気付いたみたいで、こちらに向かってくる
……ほんと、悔しいくらいに彼女のことを大切に思ってるのよね
「そういう事だ、モヤシとウサギ。それに爺さん」
そうじゃなきゃ……極力他人と関わろうとしない神田が、わざわざ忠告しに来たりしないもの。
*