第13夜【記憶と思い出】
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「あぁ〜……シナデ〜……」
「復活早っ」
さっきまでピクピクして床に倒れていたのに、もう定位置の席に戻ってきたラビ。
未だに食べ続けているアレンも驚きつつ、さほどスピードは変わらない。
ブックマンはもちろん、何も言わず朝食の乗ったトレーを持って彼の正面に座ったリナリーも、我関せずといった様子。
なんとなく、彼女から冷たい雰囲気を感じる。
「というか、シナデは身体の方大丈夫なんでしょうか……銃で撃たれたんですよね」
「一応その傷も目視で確認したがの、綺麗に塞がっておったぞ」
「そうなんですか!? でも良かったです……」
気付いているのかいないのかは置いといて、人伝ではあるが重傷だったのは聞いているし、声が出せなかった期間に少し話もした。
だがまるで夢だったとでもいうくらい、先程のシナデはいつも通りで。
いくらなんでも治りが早くないか、と考える人間も少なくない。
「そういえば気になってたんですが、シナデのイノセンスって装備型……ですよね? 僕まだ一度しか見てないんですけど……」
加えて入団してから日が浅く、数える程しか彼女と会えていない少年は、この中で一番知っていそうなリナリーに質問した。
相変わらずのツンとした態度ではあるものの、聞かれたことには反応する。
「えぇそうよ、名前は神幻奏歌。弓のイノセンスなのは知ってるわよね?」
「はい、植物で出来た雰囲気だったのは覚えてます。でも装備型にしては……シナデって、よく食べますよね」
エクソシストが行使する対アクマ武器には、大きく分けて二種類の型がある。
ひとつは寄生型。適合者に宿り、主に身体の一部を変化・変形させ武器とする。この中ではアレンが該当者。
もうひとつは装備型。イノセンスを加工し、適合者が武器として使う。リナリー、ラビ、ブックマンが該当者。
話の中心人物と、その護衛(神田)も装備型。
遠近両用の攻撃を繰り出せる六幻と、サポートに長ける神幻奏歌。
なにより射撃の精度が高く、誤射もほとんど無い。心を乱さず打てるのも一理あり。
本題に戻るが、寄生型のエクソシストは体内にイノセンスがある関係か、大食いの傾向がある。
変わって装備型のエクソシストは普通の人間と変わらないので、アクマの弾丸をくらえば死ぬし、丈夫でもない……一人を除いて。
食べる量もリナリーと同じくらいのはずなのだろうが、軽くその域を超えている。
証拠にシナデが先程持っていったお弁当は、五段くらいのお重箱が入った包みだった。
神田は蕎麦以外殆ど食べない。つまりあれは全部、彼女の分である。
「あー、いけないんさアレンー。女の子によく食べるだなんて言っちゃー」
「ち、違いますよ! むしろよく食べる所は僕と同じで好きですし……ってそうじゃなくて! 傷の治りも凄く早いですし、何か理由があるのかと思って……」
茶化すラビに対して、真っ赤な顔で否定……というか聞き捨てならない言葉を零す少年。
「……なるほどね。アレン君にはシナデのこと話してなかったから、気になるわよね」
ピクリと反応する者もいたが、表には出さず考え込むリナリー。
さっきから質問しているのはアレンだけではあったが、何も言わずともブックマン一族も知りたそうな雰囲気。
「話しておかなきゃいけないこともあるし、教えてあげる。でも少しだけだから、期待はしないでね」
ちょうどご飯を食べ終わった彼女は、同じく完食した皆を見回してから一息つく。
他にも探索部隊や科学班がいる食堂を一応確認しつつ、問題なかったらしく、ゆっくりと語り始めた。
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