code.17【束の間の一歩】
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眠りから覚める前、未来を視る時と視ない時がある
嬉しいものや酷いもの、様々
悪夢となって、飛び起きることも少なくない
だから朝は憂鬱なんだ
十二月十五日、今日は特に無く、平穏な朝
というより、数日前から“あの人達”が帰ってくるのを既に視てるからだろう
時間は、午前六時……いつもより早く目が覚めたみたいだな
二度寝するのもなんだし、起きるか
いつもと同じ服に着替えて、自室を出る
ついでに一番端の部屋を見るけど、彼女のことだからまだ寝てるだろうな
今日の朝当番って誰だっけ……あ、宇佐美か? コーヒーくらいは自分で……
まだ誰も居ないであろう、リビングのドアを開ける
その瞬間、ふわりと珈琲の香りが鼻をくすぐった
あれ、もう起きて――
「あ……おはよう、じん」
最近よく、アユちゃんにドキッとしてしまうことが多い
いや全然嬉しいんだけど、おれの心が持つかなって話でさ
今も、ただエプロン姿でコーヒーポット持ってるだけなのに、彼女がおれの奥さんに見えてしまった……これは重症か?
「お、おはようアユちゃん……早いね?」
「しおりやりんどうさんに頼んだんだ、今日一日は手伝いさせてくれって」
「そうなんだ……これは視てないな」
あー、視てないから余計に衝撃ヤバいのか
あれー? アユちゃんに関して読み逃し多いなー
いや三十パーセントくらいだからしょうがないよね、うん
コーヒー飲むか? と言ってくれたから頷くと容れてくれた。美味しい……ん?
「てことは……今日のご飯は朝から晩までアユちゃんが作るの!?」
「そのつもりだが、何か問題あんのか」
「だったら三食たべたいじゃん! でもおれ昼は用事があるから、帰れなさそうなんだよね……」
「はぁ?」
あ〜……今日はどうしても外せない用事があるんだ
だって必ずあの人達は来る……おれのサイドエフェクトがそう言ってる
すっごく面倒そうな顔のアユちゃんはおれを見上げて睨みつけるけど、少しして大きな溜息を吐いた
「……場所指定してくんなら弁当届けてやってもいいぞ」
「マジですか?」
アユちゃんのそういうとこも好き、大好き……
さっすがおれの惚れた人……まだ言えないけど
「そのくらいの時間はあるだろ。他のやつらの昼御飯用意してからでいいならな」
「是非〜! お願いします〜!!」
「なんでもいいから敬語やめろ」
「はい……」
つい敬語になってた……アユちゃんに敬語は厳禁だもんな!
まぁ今は、おれの方が年上だけどな!
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