code.13【心臓と副作用】
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「……いいだろう。遠征組の帰還を待ち、三輪隊と合流。そして殲滅処理課への協力依頼を経て、四部隊とネア合同で、黒トリガーを確保する」
* * *
「お、来た来た。オサムと迅さん」
再び市街地に入り、連絡が来た集合場所へ向かう。
お菓子屋さんやカフェなど様々な店が並び、人気は多い。
必然的に、手を振る迅と目が合ってしまう。
一体誰に対して、いやひとりしかいないが、無駄に整った顔でウインクをかました。
千佳の隣だったウインクされた方は、途端に呆れや苛立ちなどなど混ざった反応。
「どうかしたの? アユちゃん」
「何でもない。ちょっとイラッとするものが見えただけだ」
明らか嫌そうな表情が見えて、聞いてみる千佳。
正直理解が出来なかった。
「(聴こえてるよアユちゃん……辛辣……)」
「(迅さん、どうしたんだろう?)」
遊真達が歩いてくる途中の会話だったので、バッチリ耳に入る。
少しでも意識してくれたらなー、なんてのは上手いこといかないもの。
横の修は何故そんなに悲しそうなんだろう、と首を傾げた。
合流した五人で、迅を筆頭に移動。
彼のすぐ後ろはアユが歩き、ちょっと嬉しかったのは心の内に留める。
「オサム、えらい人にしかられた?」
「いや……まぁ叱られたけど、処分はひとまず保留になった」
「おー、そりゃよかった。ひと安心だな」
素直に怒られたという修、正直過ぎて面白い。
とまぁそれは置いといて、未だに顔が強ばっている彼。
「まだ安心じゃない。ボーダーが、おまえのトリガーを狙って来る可能性があるんだ」
「ほう」
「……これからどうすればいいですか? 迅さん」
踏み切り前で、先頭の悠一が止まる。
釣られて一時停止するものの、車が通るとかではない。
無言ながら、ちらりと青い背中を見やった。
「うーんそうだな……いろいろ考えたけど、こういう場合は、やっぱシンプルなやり方が一番だな」
未来で視えていたのか、少しして遮断機のサイレンが鳴る。
「シンプルな……」
「やり方?」
赤いランプも照らされる中、察しのつかない助言。
全員分の視線を浴びてもなお、調子を崩さず振り向いた。
「うん。遊真、おまえ……ボーダーに入んない?」
シンプルとはそういう意味で。
木を隠すなら森の中、とでも言えばいいのか。
「……は?」
今日という日だけで、様々な事が起こり過ぎている。
でもまだ終わりじゃない。時間はおやつの時間辺り。
腐れ縁の考えが分からず、思わず声が出る。
そんな彼女を見つめながら、実力派エリート(自称)は遊真の答えを待ったのだ。
――こうして、ネイバー秘話は幕を閉じた。
次の幕開けは、初めまして玉狛。
*